平山 都 さん (埼玉県近代美術館学芸員) 炎芸術より
より現代のうつわの中には使い手の器量が試されるような個性の強いものがある。
最初は平川さんのうつわも使いこなすのが難しいように思った。しかし、つかってみると違うのだ。
一見、男性的でごつごつした器形が適度な重さで手に馴染み、釉の感覚も心地よい。まるで、土の持つダイナミズムがうつわを等して伝わってくる、という感じなのだ。もちろん、料理との相性もよい。 そしてなにより、本物志向のやきもの好きをも納得させるようなどっしりとした風格が魅力だろう。電話一本で調整済みの胎土や釉薬が簡単に手に入るこの時代に、胎土や自然釉作りにこだわり、あえて手間をかけているからだ。伝統回帰しようというのではない。 各地の土を採集して自分にあった胎土を作り、釉薬も梨、竹、果てはおからまで、およそ考えられる素材を試行錯誤の上、独自のものを調整する。それは他の作家達が、器形や絵付けに現代的な感性を打ち出そうとするのと同じなのだ。 こうした時代だからこそ、彼は本物の器を作りたいのだ。彼は“茶道よりも今は料理道のほうが勢いがあって面白い。使えるうつわ一筋にいきたい
”と、きっぱりいう。確かに、グルメ・ブームを背景に、多様な創作料理が生まれ、うつわにもより多様で個性的なものが求められるようになってきた。 料理とうつわの双方の作り手の個性がお互いを触発しあう。そんな緊張関係の中で仕事が出来ることに、今、平川さんは確かな手応えを感じているようだ。 |
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