久しぶりに書きます(約1年ぶりかな)。その割には随分古い例を引っ張り出してきてますがお許しください。古いデータなら引用してもビデオリサーチにあまり怒られないかな、という勝手な配慮(?)もあってのことです(笑)。
視聴率調査、と言うか、あらゆるサンプリング調査はいい加減なもので当てにならないという批判は常にあります。 もちろん一番正確な調査をするなら悉皆調査ということになるのですが、それが容易にできないから標本調査を採用している訳で、そして標本調査でもそこそこの精度が得られるから現行の視聴率調査制度は存続をしているのです。
(この辺の事情がよくお解りでない方は、僕のサイト内であればここやここに割と詳しく書いていあります)
今回はそのことを補強・裏づけするデータをご披露します。
皆さんの記憶もかなり褪せてしまったかもしれませんが、昨年2006年の8月14日の朝に東京で大停電がありました。7:38 に停電になり、停電になると当然ついていたTVも消えてしまう訳で、畢竟視聴率も下がることになります。数字を抜き出してみると、7:37 に 42.7%あった HUT(全局視聴率)が 7:39 に 39.2%まで一気に 3.5%もダウンしてしまったのです。
関東地区の調査対象地区の当時の世帯数は約1670万世帯でした。そして、このとき停電したのは約139万世帯とのことでした。
139/1670*100=8.3%
つまり、調査対象地区の世帯の 8.3%に影響が出たと考えられます。
停電前の 7:37 には HUT は42.7%あったのですが、このうち 8.3%の世帯で影響が出たはずなので、その割合を計算すると、
42.7*(8.3/100)=3.54
結果は 3.5%となり、ちょうど実際の視聴率ダウンの量と符合します。ね、よくできたもんでしょ?
もちろん、これはひとつの、小さな例にすぎません。こんなものを持ち出して、だから現行の視聴率調査は盤石だなどと主張するものではありません。
ただ、うむ、まあそこそこちゃんと母集団を反映しているんだ、とは言える訳で、こんな発見をすると調査担当者という者はなんだか嬉しくなって来ちゃうんですよね。
この原稿もまた、ウチの現在の調査担当者から当時(つまり東京大停電の翌朝)送られてきたメールをほとんど丸写ししたものです。彼の文面にも小さな歓びが感じられます。
もちろん標本誤差が少しでも小さくなるように、ビデオリサーチには今後とも努力を続けてもらわなければなりません。そのことは今後デジタルの視聴率をどのように反映して行くかということとも関わってきます。
ただ、何度も書きますが、現状の調査がそこそこちゃんとしてるということ──これがあるとないとでは今後の話の進め方が大きく変わってきます。
今回提示させてもらった例は、まあ、そういう意味でほっとひと息という感じなんじゃないでしょうか?
僕自身ははもう何年も前に調査担当者ではなくなっているので、単に横からそう思ったというだけのことなんですが…。
Copyright©yama-a Oct.2007
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