前回述べたビデオリサーチ個人視聴率G1区分には、実は他にもう2つのカテゴリがあります。それは「世帯主」と「主婦」です。
「世帯主」のほうは住民票にそう記載されているかどうかではっきりするのですが、では、「主婦」って何でしょう?──そりゃ、家事を取り仕切ってる女性でしょうが、と単純に考えるかもしれませんが、調査の上では実は却々難しいのです。
就職経験がなくて、いわゆる専業主婦をしている女性であれば、素直に「職業」の欄に「主婦」と書くかもしれません。しかし、世の中には「主婦」と書くのを嫌がる女性だっています。特に、最近まで就職していて、今は専業主婦だがそのうちまた働きたいと考えている人の場合、「主婦」ではなく「無職」と書いてしまう可能性があります。
そして、働きながら主婦をしている女性を想定してみてください。アンケート用紙を渡すと、多くの場合彼女たちは「主婦」ではなく例えば「会社員」と書くのです。
そうなると困ったことになります。「主婦」の個人視聴率はほとんど「専業主婦」だけの個人視聴率になってしまうのです。それがなぜ困るかと言えば、スポンサー・ニーズからすれば、彼ら(スポンサー)は「普段、食品や日用品を買っている層」がどのような番組を見ているのかを知りたいからです。
以上のようなことに対処するために、ビデオリサーチ社は下記のような定義によって「主婦」を抽出しています。
こうすることによって、働いていようがいまいが、普段レトルト食品や洗剤やトイレット・ペーパーを購入している女性が一網打尽にできるのです。
ただし、これでも漏れてしまうケースがあります。
「主婦」だから当たり前なのですが、最近はやりの「主夫」は除外されてしまいます。スポンサーは自社商品の売上げと視聴率の関係を知りたい、ということからすれば、本来男女の別は大した意味がないのかもしれません。将来このあたりをどうするのか、問題になってくる可能性があります。
そして、このビデオリサーチの定義では、我々が素直に思いつかない意外な人物が「主婦」に含まれていることにも注意が必要です。
それは2世代・3世代同居で、若夫婦が共働きの場合、「主に家事を取り仕切っている人」として浮上するのは若奥さんのほうではなくお姑さんのほうだということです。
私たちは「主婦」と言われると、ついつい20代〜50代の女性をイメージしてしまいがちですが、実はビデオリサーチの「主婦」には60代以上の女性もいくらか含まれているはずなのです。老夫婦2人の世帯であれば含まれていて当たり前ですが、2世代同居の場合は、逆に若奥さんのほうは「主婦」から除外されているのです。
このような細かいところまで考えないと、調査結果は歪んだ捉え方をされてしまうのです。調査というのは本当に難しいものだと考えてください。
Copyright(c)yama-a May.2002
目次へ
次回へ
前回へ