パリの憂愁
Le Spleen de Paris
シャルル・ボードレール
Charles Baudelaire
山田兼士 訳
目次
アルセーヌ・ウセーに(序文)/
1 異邦人/2 老婆の絶望/3 芸術家の〈告白の祈り〉/4 剽軽者/5 二重の部屋/
6 それぞれがキマイラを/7 道化とヴィーナス/8 犬と香水壜/9 不都合なガラス売り/10 午前一時に/
11 野蛮な女とかわいい情婦/12 群衆/13 寡婦たち/14 年老いた大道芸人/15 菓子/16 時計/17 髪の中の半球/
18 旅への誘い/19 貧者の玩具/20 仙女たちの贈り物/21 誘惑、あるいはエロスとプルートゥスと栄光/
22 夕べの薄明/23 孤独/24 計画/25 麗しのドロテ/26 貧者の眼/
27 英雄的な死/28 贋金/29 気前のいい賭博師/30 綱/31 天職/32 バッカスの杖/33 酔え/34 すでに!/
35 窓/36 描きたいという欲望/37 月の恵み/38 どちらが本当の彼女か?/39 駿馬/40 鏡/41 港/
42 情婦たちの肖像/43 みやびな射手/44 スープと雲/45 射撃場と墓地/46 後光喪失/
47 マドモワゼル・ビストゥリ/48 Anywhere out of the world 世界の外ならどこへでも/49 貧乏人を殴り倒そう!/
50 善良な犬たち
ボードレールの散文詩集『パリの憂愁』は、1869年に刊行されました。詩人の死後2年目です。
全50篇のうち第20篇までは1862年に「ラ・プレス」紙に掲載され(さらに6篇の校正ゲラが存在し掲載予定だったことがわかる)、以後、1866年にベルギーのナミュールで倒れるまで、晩年の詩魂を注ぎ込んだ作品群です。
ベルトランの『夜のガスパール』という先駆作品があるとはいえ、現代詩の発端になったという意味で、「散文詩」の決定的出発点といえるでしょう。
日本では、大正期における山村暮鳥以来、三好達治、福永武彦、阿部良雄といった人たちによる翻訳で親しまれてきましたが、現在の出版状況は決して満足のいくものではありません。
一般に入手しやすいものとしては阿部良雄訳(ちくま文庫)ぐらいではないでしょうか。
ここに掲載するのは、ぼくがこの25年ほどの間に試みてきた(その多くは訳書も含めて4冊の既刊のボードレール論に引用)訳詩に、あらたに訳し下ろしたものを加えた『パリの憂愁』の全訳です。
推敲を加えながら順次掲載しますが、途中で変更を加えることもあると思います。
なお、各作品の末尾に簡単な「解説」を付しますので、あわせてお読みいただければ幸いです。
(山田兼士)