| 2004/12/4(土)
手術の説明
気がついたら前回の記録からもう1ヶ月以上たっていたんだ・・・。この1ヶ月は自分のセカンドオピニオンのことで精一杯で夫のことまで気が回らなかった・・・というのも正直言ってあるかな。手術する病院を決めて手術の申込みをしたものの、入院が11/29で手術が12/8と、まあ間が空くこと、空くこと。最初は何事もなかったかのように(それは私だけ?)平和に穏やかに毎日を過ごしていた我が家だけど、夫の頭痛はどんどんひどくなっていって、家にいるときの半分くらいは寝こんでいることも多くなった。頭痛は脳腫瘍と直接関係あるかわからないと言われているのだけど、関係あるにせよ、別の原因にせよ、1ヶ月の間にそんなにすごい勢いで悪化するというのも考えにくい気もする。夫自身も言っていたけど、精神的なものも大きいのかもしれない。手術まで余りに間が空いてしまうというのも不安な気持ちを増大させるひとつの要因になるのではないだろうか。
そんなこんなでやっと迎えた入院の日。それもなんで手術の一週間以上前に入院しなければならないか、さっぱり???状態だったのだけど、月火水と知能テスト、視野の検査、心電図、肺活量等の検査を行って、木金は何もなかったそうだ。手術前日の火曜日はMRI検査があるみたいだけど、月曜日は何もないんじゃないかなー。やっぱり無駄に長く入院している気がしてならない。
この週末は外泊許可が出て金曜日の夜から夫は帰ってきている。夫の義父母も来てくれて、一気に我が家は賑やかになった。土曜日は手術の説明のため、夫と二人で病院へ行った。
まず説明書が渡され、そこに書いてある内容に沿って説明を受けた。まず何故手術が必要なのかということの説明。夫の腫瘍は神経膠腫である可能性が高いということ。これは最初にこの病院に来たときにも聞いたことだ。神経膠腫は良性の場合が多いが、その性質において悪性の一面を持つという。それは浸潤性ということで、周りの正常な細胞に浸潤していく傾向があるという。夫の腫瘍は画像上では境界がはっきりしているように見えるが、実際には手術のときになってみないとわからないということ。確実に取り去るために3cmのマージンを取って腫瘍を摘出すれば植物状態になってしまうという。脳の手術の難しいところはこの点だ。確実に腫瘍を残さないようにすることだけを考えていればいいわけでなはく、できるだけ後遺症を残すような脳の損傷を避けていかなければならない。
次に手術の方法についての具体的な説明。この辺は自分の手術のときもそうだったけど、細かく詳しく説明されて・・・あまり気分のいいものではない。でも自分の手術のときは、話の途中から相当具合悪くなったけど、今度は割りと冷静に聞いていられたのは、やっぱり自分のことではないからだろうか。冷たい妻だね・・・。神経膠腫は見ただけでは正常細胞と見分けがつかないということで、ナビゲーションシステムを用いるということ。蛍光色素を用いてより確実に腫瘍を摘出する方法もあるということで、その方法について別の先生から説明を受けた。この方法はまだ研究段階なので、研究費として病院側で費用を負担するということで、患者側の負担はないそうだ。研究段階とは言っても最近では大学病院以外でも行われるようになってきているということで特に危険はない。手術までに承諾書を出せばいいということだけど、その方法でお願いすることにした。
そして合併症の説明。腫瘍のすぐ奥に脳弓というものがあり、これを損傷すると記憶に障害が出るということ。短時間の記憶はできても5〜6分立つと忘れてしまう・・・という説明で、夫が「今もそういう状態ですから」と言ったけど誰も笑う人もなく・・・ちょっとしらけちゃったかな・・・。でも私も思ったよ、ああーじゃあ私の脳弓もいかれてるかも・・・って。とにかく物忘れ激しいからね。腫瘍のすぐ手前には左半分のものを見る機能があり、これを損傷すると左半分の視野が欠けてしまう。これは最初の病院のときから説明されていたことだ。そして腫瘍を取り囲むように脳梁という繊維がある。脳は左右にわかれているが、この脳梁が左右をつないでいるということ。ここを損傷すると、左視野で見たものや左手で触ったもの(脳の右側の働き)が何かわからない(脳の左側の働き)という症状が起こるということ。脳弓については、左右に存在し通常左側に機能が多いので症状が出ない可能性が高いが、症状が出た場合はリハビリが必要となる。視野については障害が起こった場合、回復はしない。脳梁については大きな障害にはならないだろうということ。
さらに腫瘍の周囲は静脈が多くある場所で、静脈を傷つけると大きな後遺症が残ってしまう。このことも最初の病院のときから説明されていたことだ。静脈を傷つけないようにするということ。
腫瘍摘出後、10日くらいで病理結果が出るので、その後の治療(抗がん剤、放射線治療、無治療等)が決まるということ。
説明をしてくださった先生は夫の主治医ということだが、手術は教授が行うということで、その教授に夫はまだ会ったことがないという。手術の前に少しの時間でも話をしておいた方がいいということで、月火のいずれかで時間を作っていただけるそうだ。脳外科の手術はとにかく体力勝負なので、教授と言われると気になるのが年齢。夫も同じことを考えたらしく、「おいくつくらいの方ですか?」と聞いていた。幸いそんなにお年ではなく(失礼!)、「県内で一番手術が上手いから教授になったと思ってください」と言われて、夫も相当心強く思ったようだ。最初にこの病院に来たときに外来で話を聞いた先生は術後の治療が専門ということで、術後の治療方針などはについてはそちらの先生が中心になるらしい。今説明をしてくださっている先生も手術にも立ち会うということで、目に強い光をあてたときに脳の視野をつかさどる部分が反応するかどうかを見たりというようなことをなさるということ。それぞれの先生に専門分野があって、チームを組んで手術にあたるということだ。大きな手術だからということもあるだろうけど、大学病院だとやはりずいぶん違うなあという印象を受けた。
手術は朝8時半から始まり、暗くなるまでには終わるでしょうということ。私もその日は会社を休んで1日病院にいようと思う。
色々怖いような話も聞かされたけど、医者というものはとにかく最悪のことまで説明しなければならないものだから・・・と夫も言っていて、それより画像上のことであっても、境界がはっきりしていることなどはいい情報だ。ずいぶん長かったけど、やっとここまで来たという感じだ。本人はきっと不安な気持ちでいっぱいだと思うけど、当日の朝も娘も連れていって元気を分けていきたい。きっと上手くいくはず。 |