No.20 Title :  美空ひばり こころの歌


  映画本や料理本、ミニカー付きブックなどでお馴染みのDeAGOSTINI(デアゴスティーニ)から、美空ひばりのCD付きマガジンが発売されている。
 いつもの如く、初回は安かった。初回のみ790円、2号から定価は一気に1,470円になった。「昭和の歌姫がよみがえる−珠玉のコレクション」は一枚のCDに7曲が収まり、歌詞とその歌の背景、おまけに美空ひばりを知る人たちからの想い出話まで掲載された冊子と共に、2週間に一度発売されている。
 最初に「収録曲を見て、好きな曲が入ってたら買おう」と決めた。4号まで発売された内、既に3巻を購入。次号には「真赤な太陽」「波止場だよ、お父つぁん」「悲しき口笛」も収められている。買わぬわけにはいかない。

 そもそもの始まりは、母のせいだ。美空ひばりや石原裕次郎が大好きな、典型的・昭和10年代生まれ。オンチな鼻歌で、幼い頃から私は美空ひばりを聞かされて育った。
「柔」なんて、ちびっ子の頃から知ってる。大人になると、美空ひばりは「愛燦々」「川の流れのように」などを歌っていた。テレビで視た不死鳥コンサートや闘病生活、訃報は、今でもしっかりと瞼に焼き付いている。
 母があんまり好きなので、京都・嵐山の美空ひばり記念館や、博多座で開催された美空ひばり追悼ミュージカルに母を伴った。美空ひばりが身につけた衣装や私服や靴、いろいろ見たけど、昭和の大歌手は小柄な人だ。歌うことに一生を捧げ、天に召されたあとも、その歌声と共に多くに愛され続ける。
 ご存じのように、一度結婚したが家庭生活は長く続かなかった。美空ひばりを構成する細胞には、歌うことが最大の栄養だった。それを仕事と単純に言うなら、美空ひばりは愛より仕事を選んだことになる。しかし、私は思う。歌うことは、美空ひばりにとって生きることそのものだった。上へ上へ、高く高く舞い上がった美空ひばり。
没後18年目にして売れ続けるコレクションCDは、最後まで歌に生き抜いた証として本望ではないか。
 母は元気な年寄りだから、私がダビングして送る美空ひばりの歌声と冊子を楽しみにしている。ささやかな親孝行を理由に、ますます美空ひばりにはまる昨今だ。

 


のどか/Nodoka(ペンネーム)

福岡県八女市生まれ、福岡市在住。

小学生の頃より作文を得意とし、中学〜高校ではラブレターの代筆を頼まれることが多かった。好きが高じて「もの書き」となる。

「人生は宝さがしだ」がテーマ。30代独身。

*「のどかの間借りコラム」は、毎週火曜日を目標に更新中。

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