その249 


エディーズの海水浴

 

 7月も終わりの夕暮れどき、携帯電話に届いた1本のメール。「8月第一月曜日は毎年恒例の海水浴。朝6時市役所前に集合です。行き先も毎年若狭和田浜。陣地にする海の家も毎年同じ。顔ぶれもほぼ同じ」と始まって、「手に汗握る夏のバカンス。おー。カマンベール」と結ばれていた。

 

 エディーズとは、京都の某大人どもが結成する野球チームの名前。5〜6年ほど前からの、祭り好きな知り合いが海水浴の仕掛人をされている。Vさん、ギリギリ2日前にメールをくれて、ありがとう。

 

 海なんて何年ぶり? 海水浴は12〜13年行ってない? 迷いに迷って、前夜「参加希望」の連絡を入れた。よって、海水浴に着る水着ナシでの参加となる。

 早朝5時40分。京都市役所前に、私は一番のり。大型観光バスに乗車して、いざ、初福井県へ。初参加の私が知る人は3〜4人しかいなくて、朝から酒盛りではしゃぐエディーズの陽気な面々に圧倒され、同じテンションまで昇り着くのは困難で、それでも、心は大いに浮かれていた。

 

 海の家では帽子とサングラス、海の家を出るときは日傘必携の過剰防衛な女。結局、Tシャツと短パンのまま海では一度も泳がず、島から戻るときだけボートを漕がせてもらう。さぞかしイヤな女に映るだろうとは思っても、日焼けが気になるを通りこして、日光過敏症で顔がボロボロになるのがこわい。着物を着るとき、アップにする首すじを白く保ちたかった。けど、浜ではしゃぎ、海に飛び込む陽気な人たちがうらやましく感じた。

 島で膝あたりまで水に浸かり、ボートを漕ぐとき日傘を閉じて、それが私の海水浴。それで充分満足な夏時間。帰りのバスで若き日の矢沢メドレーが流れるのも、エディーズの海水浴。しあわせな時間。

 

 いつもなら海水浴だけで帰るのに、二次会の韓国料理店にも参加して、皆さんの席を回り、御礼を述べて終焉。「来年の8月第一月曜日も、また来てな」とかけてもらったのがうれしくて、早くも来年の夏を思う。次の夏、私はどこで何をしているだろう? 

 立秋を過ぎ、一度しかないこの夏を後半も存分に楽しもうと心に思う。夏と秋と冬前半、季節はそこでひと巡りする。

 

 

 

 


のどか/Nodoka(ペンネーム)
福岡県八女市生まれ、京都市在住。

小学生の頃より作文を得意とし、中学〜高校ではラブレターの代筆を頼まれることが多かった。好きが高じて「もの書き」となる。「道楽は極めてこそ道楽」がテーマ。豆・豆料理探検家。

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