その259


アゲアゲまなこ

 

 お盆を過ぎてお参りに帰ったとき、妹の練習台にされた我がまつ毛。美容師の妹は、新たな技術を習得すべく、まつ毛パーマの練習をしていた。

 義弟のまつ毛は、下向きでかかりにくかったらしい。甥っ子のまつ毛は、短過ぎてやりにくかったらしい。姉のまつ毛もイマイチだったと言っていた。身近な人は皆、顔を見ると練習台にされていた。

 我がまつ毛は、なかなか良いと褒められた。細くて短いけど、一応使っているビューラーの癖が残ってて、まつ毛にパーマがかかりやすいとか。

 まつ毛も髪の毛と同じように、1液、2液を塗られた。何にも聞かされず、床に寝かされたまま小一時間くらい待った。言われるままに顔を洗ってみると、まつ毛はクルンと上を向いていた。

 

 あれから2ヶ月、褒められた我がまつ毛は今もまだ、ビューラーなしで大丈夫。便利だ。最近の若い子たちは、おそろしく目の回りが真っ黒で、おまけにバチバチ音がしそうなくらい長まつ毛。エクステをして別人のような顔になった知人もいた。長くて上向きなまつ毛が流行るのは、生きづらい世への反動だろうか?

 

 かつて、ビューラーでくるりんとさせて、たっぷりマスカラを塗ったまつ毛がテンションを上げてくれると言った女性がいた。40代の既婚女性。子どもが2人。

 今になって彼女の気持ちがよくわかる。まつ毛は濃く、上向きでなければ‥‥ まつ毛もバストもヒップも、収入もテンションも、何でもかんでも上向きがいい。ちちんプイプイ、えい、やー!

 

 

 


のどか/Nodoka(ペンネーム)
福岡県八女市生まれ、京都市在住。

小学生の頃より作文を得意とし、中学〜高校ではラブレターの代筆を頼まれることが多かった。好きが高じて「もの書き」となる。「道楽は極めてこそ道楽」がテーマ。豆・豆料理探検家。

豆なブログ→http://mame-mame-labo.cocolog-nifty.com/blog/

*「のどかの間借りコラム」は、毎週火曜日を目標に更新中。

このコラムに関するコメントは、下記『のどかさん』宛までお願いします。

mailto:Yamasaki-clinic@nifty.com