毎月発行の事務所便りを一部公開しています。
事務所便りご希望の方は、郵送費として切手を年間1200円分送っていただければ送付いたします。
平成18年 187号
□増税の時代:小規模企業共済へのご加入をお勧めいたします。
この制度は国がつくった「個人事業主や会社の役員の退職金制度」ともいうもので、節税効果が大きく税法上の優遇措置もある安全・有利な制度です。実質大きな利回りの貯金といえます。昨年度の所得が例えば下記のような場合で、この制度にご加入され毎月最高の7万円を掛けた場合、次のとおり所得税・地方税が節税になります。将来の生活の安定のため、是非ご加入ください。
1,000円から加入できます。既加入の方の増額もおすすめします。手続きは当会計事務所でできます。詳細は当事務所の担当にお尋ね下さい。
千 年 千 昨年度所得
円 、間 円
| 所得・控除・税額 | 加入前 | 加入後 | |
| 「所得金額」の合計 | 5,500,000 | 5,500,000 | |
| 所得から差し引かれる金額 | 雑損控除 | ||
| 医療費控除 | |||
| 社会保険料控除 | 440,400 | 440,400 | |
| 小規模企業共済等掛け金控除 | 0 | 840,000 | |
| 生命保険料控除 | 50,000 | 50,000 | |
| 損害保険料控除 | 15,000 | 15,000 | |
| 寄付金控除 | 10,000 | 10,000 | |
| 老年者等の控除 | 0 | 0 | |
| 勤労学生等の控除 | 0 | 0 | |
| 配偶者控除 | 0 | 0 | |
| 配偶者特別控除 | 0 | 0 | |
| 扶養控除 | 380,000 | 380,000 | |
| 基礎控除 | 380,000 | 380,000 | |
| 合計 | 1,275,400 | 2,115,400 | |
| 課税される所得 | 5,000,000 | 4,160,000 | |
| 所 得 税 額 | 603,000 | 451,800 | |
| 地 方 税 額 | 384,000 | 300,000 | |
所得税の節税額 151,200円
地方税の節税額 84,000円
合計 235,200円
小規模共済掛け金の実質負担額は 84万ー235,200=604,800円 です。
平成18年 186号
年末調整に備える留意点
年末調整は下記の資料と12月までに支払った給与や賞与の資料がないとできません。
従業員のみなさんには下記を参考にして早めに該当資料をもってくるようにご指導下さい。
| 必要な資料 | 参 考 |
| 1.生命保険料控除証明書 | 生命保険会社から送ってきます。 |
| 2.損害保険料控除証明書 | 損害保険会社から送ってきます。 |
| 3.住宅取得控除証明書 | 該当の方は税務署から書類が送付されています。 |
| 4.国保・国年保険料の 証明書 (市役所から) |
社会保険適用の事業所は関係ありません。それ以外の国民健康保険料と国民年金保険料です。 |
| 5.中途入社の方は前の 会社の「源泉徴収票」 |
本年入社された方は、入社前の会社の「18年分の源泉徴収票」を提出して下さい。合算しますので、それがないと年末調整はできません。 |
| 6.給与所得者の扶養控除等申告書(送付されている平成19年分の用紙に書いて下さい) | 控除対象配偶者、扶養親族(いずれも給料なら年収103万円以下の方)の名前、続柄、生年月日等を書いて下さい。○18年中に亡くなられた扶養親族も今年までは扶養になります。○扶養の方に障害者(寝たきり老人なども)の方はおられませんか?○本人は寡婦ではないですか?死別?離婚?○103万円以上の給与収入あれば扶養になりません。 |
| 7.配偶者特別控除申告書 | 奥さんの収入が141万円までの人は配偶者特別控除がありますので奥さんの名前、収入を書いて下さい。 |
| 8.保険料控除申告書 | 氏名及び印鑑を押して下さい。内容はわかる限り書いて下さい。 |
| 9.給与台帳 | 12月までに支払った給与や賞与まで記入されたもの。(例えば末締めの10日払いのところは12月10日の給与と12月支払いの賞与までです) |
平成18年 185号
知らないと損する税の大切な情報
【電子申告をしていきましょう】
当事務所では、電子申告、電子納税を推進しています。このことについて少し述べたいと思います。
1.今なぜ電子申告が必要なのか
パソコンの世帯普及率は約66%で、3世帯中2世帯がパソコンを所有している計算になります。また、企業の設備投資額の総額に占めるIT 投資の割合は、平均で約20%となっています。いまやネットバンキングも普及しつつあり、電子入札をはじめさまざまな商慣習の電子化が本格化しています。積極的にITを取り入れた戦略展開をしていくことこそが、会社の発展のために必要不可欠です。
2.電子申告ってなに?
国税庁の開発した「e-Taxソフト」を使っていインターネット環境を使い国税に関する申告、納税及び申請・届出等の各手続きをするものです。 電子申告でできる手続きは以下の3つです。
(1)各税の申告 (2)納税 (3)申請・届出等
3.どういう手続きが必要なのか?
(1)電子申告を始めるためにはまず電子申告・納税等開始届出書を提出します。
(2)届出書を提出したら、次は電子証明書を取ります。取得しやすいものとして、市役所に行って住基カードを取得し認証をうけます。 これは本人の署名みたいなものです。
(3)開始届出書を出すと
利用者識別番号及び暗証番号が記載された通知書並びに「e-Taxソフト」が税務署から送付されます。届いたら事務所にお届け下さい。 手続きをお手伝いします。暗証番号の変更、納税用確認番号等及び電子証明書の登録を行います。
4.簡単なのですか?
簡単です。電子申告は、従来のような紙による申告とは異なりインターネット環境を通して電子媒体で申告します。したがって、当然パソコンと適切な通信環境が整っていることが必要となります。
山浦事務所では電子申告が行えるよう、TKCシステムによる最適の環境を整えています。
みなさまにはパソコン等の環境の心配なく電子証明等を取得していただくだけで、あとは担当者と打ち合わせながら、電子申告を行えるようになっております。
5.申告書はなくなるのか?
今までのような紙の申告書はなくなります。ただし当面の間、従来どおりの紙の申告書も控えとしてお渡しします。今後CD等の媒体でデータをお渡しすることも積極的に検討しています。
(注)電子化は諸外国との競争の中で国家戦略としても重要な課題になっています。 税務会計の専門集団であるTKC全国会は積極的に推進しています。法人税の電子申告においては、平成18年7月31日現在、全国のTKC会員3,874事務所が電子申告を実践しています。これは、法人税の電子申告全体の82.8%となっています。法人消費税においても全体の77.7%となっています。TKC全国会では、さらなる電子申告制度の発展のためにも、国税庁殿、地方税連絡協議会殿へTKC会員の実践経験に基づいた改善提案を行っています。電子申告税額控除が検討されています。
平成18年 184号
改正税法への対応について
【社長報酬の給与所得控除の損金不算入への対応】
1.反響が大きいこの件につきましては、すでに事務所便り、研修会でお話ししたとおりです。重要な改正で問題も多く、増税になりますので改めて説明します。
1.概要は?
社長の給与(役員報酬)は、従業員の給与と同じように会社の経費になります。給与には、給与所得控除が認められています。その給与所得控除を会社の経費には認めないというわけです。
2.第一のハードル どのような会社が適用になるのか?
@役員および同族関係者等が株式の90%以上を保有している
A常勤の役員が過半数を占める 会社です。これはほとんどの中小零細会社に当てはまります。
3.第2のハードル 第1のハードルを越えられなかった時、第2のハードルがあります。
次に該当する時は適用になりません。
@過去3年の(会社の所得金額+社長の報酬の合計額)の年平均額 ≦ 800万円
A平均額が年800万円超3,000万円以下の会社は、その平均額に占める社長報酬の割合が50%以下の場合
4.具体的にどうなるかを見てみましょう。
第1のハードルは越えられない会社だとします。当期の利益200万円とします。
事例 過去3年の実績 単位:万円
| A 会社の所得 | B 役員報酬 | 合計 A+B | |
| 前期 | 200 | 800 | 1,000 |
| 前前期 | ▲100 | 800 | 700 |
| 前々前期 | 100 | 800 | 900 |
| 合計 | 2,600 | ||
第2のハードルは、2,600÷3年=866万円で、800万円を超えてますのでクリアーできません。よって、社長報酬800万円の給与所得控除額200万円が経費にできません。
| 現 行 | 改正後 | |
| 会社の利益 | 200 | 200 |
| + 社長の給与所得控除額 | − | 200 |
| 課税される所得 | 200 | 400 |
| 法人税及び住民税(約35%) | 70 | 140 |
改正前は、会社の利益200万円×35% = 70万円 の税金です。
改正後は、社長の給与の給与所得控除200万円が利益に加算されますので、
会社の課税所得は200万円+200万円=400万円となり、
税金は400万円×35%=140万円と実に倍になります。
5.考えられる対策には厳しい目がある。安易な対策は出来ないようになっています。
株を他人に11%持ってもらってたらよいのでは →社長に言いなりの株主ではダメです。
社長報酬を下げ奥様を上げたらよいのでは → その理由が合理的なものでなければだめです。
平成18年 183号
改正税法への対応について
【少額減価償却資産の損金算入金額の上限300万円に】
1 特例の概要等
中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成15年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、その取得価額は損金(経費)にすることができます。
2 適用対象法人
この特例の対象となる法人は、青色申告をしていなければなりません。法人である中小企業者又は農業協同組合等に限られます。
(注)中小企業者とは、次に掲げる法人をいいます。
イ 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
ロ 資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
3 適用対象資産
この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産(「少額減価償却資産」といいます。)です。器具及び備品、機械・装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウェア等の無形減価償却資産もOKで、また、中古資産であっても対象となります。
4.限度は300万円まで
ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を限度とします。超えた分は資産計上して減価償却をしていきます。
(注)平成18年3月31日以前に取得などして事業の用に供した少額減価償却資産については、この300万円の上限規定はありません。
ただ、30万円未満が年間300万円を超えることは事例的には少ないと思います。
5 その他注意事項
取得価額が10万円未満のものはこの適用はありませんので、全部損金に出来ます。
又一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについてもこの特例の適用はありません。
一括償却資産の損金算入制度とは、20万円未満の減価償却資産を3年間で3分の1づつ損金にするというものです。
平成18年 182号
【大変重要なので必ず読んでください 役員給与に関する改正】
ポイント:これを守らないと、支払額全部経費にならないという法律です。
1.役員報酬(給与)は定時総会以外に変えられない。
2.役員報酬は理由を問わず一定額しか支払ってはならない。
3.役員報酬を期中減額(増額は出来ない)したら、理由問わず減額のままでしか支払えない。
4.非常勤役員の年2回払いは事前届けをしないと経費にならない。
法人の役員給与に関する規定が改正され、平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることになりました。 6月になってやっと詳しい内容が発表され、中身がわかってきました。読んでみると、この法律はとんでもない改正(悪)といわざるを得ません。
(制度の概要)
法人がその役員に対して支給する給与のうち損金算入される(経費に出来る)ものの範囲は、次に掲げる給与とされました。
@ 毎月支払い、一定金額である給与。(定期同額給与)
A 賞与など別に支払うときに、その支払いを事前に届け出た給与。(事前確定届出給与)
B 同族会社でない法人が利益に関する指標を基礎として算定される給与。(利益連動給与)
つまり、@AB以外は、どのような理由であれそれは経費に出来ないというわけです。Bは中小企業には関係ありません。
(留意点や問題点)
その1:
問題は@Aです。@は1年を通して毎月一定額でないときにはダメだと書いてあります。ただし、決算後2,3ヶ月後にする定時株主総会で増額(減額)するのだけはOkです。Aは一定額でないときには事前に届ければOkです。と書いてあります。
たとえば、改正前は従業員さんと同じ条件で支払う歩合給手当などは経費として認められていました。改正後はそれはダメになってしまいます。Aにより事前に届ければ良さそうですが、手当は事前に届ける性質のものではありませんので結果的に支払えません。もし支払ったら@A以外の給与ですので年間支払い分ぜーんぶ(全部です!!)経費に出来ないことになります。
その2:
届け出をしないで役員に賞与を支払ったらどうなるでしょうか?あるいは届け出と違う賞与を支払ったらどうなるでしょうか?改正前はその分経費にしないで申告すればOKでした。改正後は@Aに該当しないのでこれもまたぜーんぶ経費に出来ないことになります。
ですから絶対に定時株主総会(取締役会)で取り決めた通り(臨時はダメです)に、しかも一定額に取り決めて、その通りに支払うようにしてください。その時には期首にさかのぼって2ヶ月分の差額分支払いはしてはなりません(改正前はOKでした)。
従業員さんと同じように4月から改訂といったことも出来ないという判断になります。
その3:
役員賞与支払いの届け出をしてもいいですが、それは利益がでようとでまいと必ず支払わなければなりません。払わないと法律を読む限りは、恐ろしいことにぜーんぶ経費にならないという判断になります。それを覚悟でするしかありません。
その4:
いま、法律を研究し税務署などに照会していますが、出たばっかりで、そんなバカなというような、いろんな矛盾点がまだ解明されない状況です。今のところは上記の判断しかできませんので、留意してください。担当の方で各顧問先の状況など検証はしております。
平成18年 181号
【交際費課税の改正に関する具体的な内容について 】
法人の支出する交際費の内10%は損金に出来ない(400万円を超える部分も出来ません)ことになっています。その交際費について、平成18年度の税制改正により、法人(個人は関係ない)の支出する交際費の内「社外との飲食費」は1人あたり5,000円以下は交際費から除く旨のが改正されました。その注意点です。
1.いつからの支出分が適用になるのか。
平成18年4月1日以後に支出するものから適用されるではなく、平成18年4月1日以後開始する事業年度分から適用されることになります。つまり、3月決算のところが真っ先に適用されます。例えば、6月決算のところは18年7月1日以降分からの適用です。
2.飲食費(飲食その他これに類する行為のために要する費用)とはどのようなものか。
「飲食その他これに類する行為」のために要する費用としては、従業員等が得意先等を接待して飲食するための通常の「飲食代」です。したがって、単なる飲食物の詰め合わせを贈答する行為は、原則として、飲食代には該当しません。
3.接待する相手方の得意先等が1人でも参加していれば「社内飲食費」に該当しないのか。
飲食費のうち「社内飲食費」については、1人当たり 5,000円以下のものであっても、原則として、交際費等になります。この社内飲食費に関しては、仮に、接待する相手方である得意先等が1人であっても、必要があったのであれば、社内飲食費に該当することはありませんが、得意先を形式的に参加させている場合には、社内飲食費に該当するでしょう。
4.1人当たり 5,000円以下の飲食費であるかどうかの判定はどのように行うのか。
交際費等の範囲から除かれる飲食費は、1人当たりの金額が 5,000円以下の費用が対象となります。したがって、得意先の個々人がいくら食べたかではなく、単純に当該飲食等に参加した人数で除して計算した金額で判定します。
5.1次会だけではなく、2次会等の複数にわたって行われた場合にはどうするのか。
1次会と2次会など連続した飲食等の行為が行われた場合でも、それぞれが単独で行われていると認められるとき、それぞれの行為に係る飲食費ごとに1人当たり 5,000円以下どうかの判定を行って差し支えありません。最初から企画されたものは単独とは言えないでしょう。
6.重要 保存書類へ記載すべき事項はどの程度の範囲まで必要か。
5,000円以下の飲食費を除外する要件として、飲食等のために要する費用について、社内飲食費でないことを明らかにするため、相手方である社外の得意先等に関する事項を、「○○会社・口口部、△△◇◇(氏名)、卸売先」というようにして帳簿等に記載する必要があります。
平成18年 180号
【会社法改正への対応】
1.有限会社から株式会社への変更の要否の検討
有限会社は、施行日5月1日をもって法律上は株式会社になります。
これまでの有限会社は特例有限会社として残ることになります。しかしあくまで中身は株式会社となります。従って出資金は株式となりますし、出資者ではなくて株主になります。
その他にもいろいろありますが、現状のままで現実的な当面の問題は特にはありません。
株式会社は役員の任期がありますので、任期切れすれば変更の登記が必要ですが、特例有限会社は従来通り、まさに特例として任期はいつまででもよいことになっています。
会社の決算の公示も不要です。
株式会社に変更すれば、登記変更はもちろんのこと、看板を変えたり、名刺を変えたりもしないといけないですし、あえて株式会社への変更も必要はないというのが現実的でしょう。
ただし、定款の変更など必要になります。その件に関しましては特に早急にということでもありませんので、追って担当がアドバイスを致します。
2.株式会社の対応について
株式会社は特殊の場合を除いて、特に早急に対処すべき事項はありません。
今後やるべきことは、定款の見直しです。これにつきましても担当の方で検討をしてアドバイスをしていきます。
【改正税法への対応】
1.社長報酬の給与所得控除の損金不算入への対応
反響が大きいこの件につきましては、すでに事務所便りでお知らせしたり、研修会でお話ししたとおりです。唐突で、かつ重要な改正の為対応に苦慮しています。
法律は3月下旬に公表されたばかりで、その政省令にも疑問な点がたくさんあるのが実情で、これから出てくる解説書などで法律を吟味しなければなりません。それをふまえて、個々の会社について具体的にどうなるかをお示ししていく予定にしています。
その場限りの安易な対応では後々にも影響をしてきますし、対策の仕方は個々の会社で異なります。また、単に税を逃れるだけの対応では税務当局から認められないということにもなりかねませんので注意が必要です。
皆様には総合的に検討をした上で、どうした方がいいかの適切な対応をしていきたいと考えております。現在、税法を検証の上、担当者の方で個々の法人について検討を致しております。
平成18年 179号
【新しい会社法のポイント】
先日の事務所研修会のポイントをおさらいします。
1.いつから施行になるのか?
18年5月1日からです。
2.会社の区分の方法が変わります。それにより守るべき内容が変わります。
これまで→株式会社か有限会社 (他に合資、合名会社もありますが)
これから→株式会社に統合され→その中で 公開会社か株式譲渡制限会社かに区分されます。
確認事項:定款を見て、株式譲渡制限の条文があるかどうか確認してください。有限会社も含め皆さんの会社は殆ど株式譲渡制限の条文があるので、株式譲渡制限会社の分類に入ります。
3.有限会社はどうする?
特に何も必要はありません。何もしなければ、施行日をもって自動的に「特例有限会社」に移行します。ただし「特例」をつけたり看板や名刺も変更の必要はありません。
有限会社は法律上は株式会社になります(例えば出資は株式、社員総会は株主総会となります)が、会社法施行後も実質的に旧法の有限会社としての取扱いを受けることになります。
4.株式会社になりたければ?
定款変更、登記手続きが必要です。施行後は手続きは簡単です。ただし、費用がかかります。
5.株式会社はどうなる?
特別な場合を除き、特に手続きは何も必要はありません。ただし、役員の任期、監査役をおくかどうかなど機関設計は見直す必要はあります。(5月1日にこだわらなくてもいいです)
6.特例有限会社として存続する OR 株式会社に変更する主な違い。
| 特例有限会社として存続する | 株式会社に変更する |
| ・役員の任期規制がない(変更登記費用不要) ・決算公告義務がない ・計算書類等の備置義務がない ・取締役会の設置や監査役の設置が強制され ない |
・役員の任期規制(2〜10年)が生じる。 ・決算公告義務が生じる ・計算書類等の備置義務が生じる ・取締役会の設置や監査役の設置が強制され ない。(柔軟な機関設計が出来る。) |
平成18年 178号
改正税法 波乱を呼ぶ「社長報酬の給与所得控除の損金不算入」
前号に紹介しましたが、この改正は中小零細企業だけに適用され、大増税になります。
税理士会はこの制度に反対しています。商工団体は何故反対しないのでしょうか?
【改正内容】
会社の社長報酬の給与所得控除分が損金算入できなくなる
1.概要は?
会社の場合、社長は会社より給与をもらっています。当然ですが、社長の給与(役員報酬)は、従業員の給与と同じように会社の経費になります。社長は給与に応じた所得税を払います。給与の場合、給与所得控除が認められています。その給与所得控除を会社の経費には認めないというわけです。
2.どのような会社が適用になるのか?
実質一人会社(役員および同族関係者等が株式の90%以上を保有し、かつ常勤の役員が過半数を占める会社)が適用対象です。これは殆どの中小零細会社に当てはまります。
ただし、次のような場合は、従来どおり損金算入できます。
・(会社の所得金額+社長の報酬の合計額)の直前3年以内の年平均額 ≦ 800万円
・平均額が年800万円超3,000万円以下でその平均額に占める社長報酬の割合が50%以下の場合
つまり社長の給与と会社の利益の合計が少ない会社は適用なしということになります。
3.具体的にどうなるかを見てみましょう。
事例 社長の報酬8,000千円(この場合給与所得控除は2,000千円あります)
会社の利益2,000千円 の場合です。
| 現行 | 改正後 | |
| 役員報酬控除前の利益 | 10,000 | 10,000 |
| 社長役員報酬 | 8,000 | 8,000 |
| 税引前利益 | 2,000 | 2,000 |
| + 社長の給与所得控除額 | − | 2,000 |
| 課税される所得 | 2,000 | 4,000 |
| 法人税及び住民税(約35%) | 700 | 1,400 |
改正前は、会社の利益2,000千円×35% ≒ 700千円 の税金です。
改正後は、社長の給与の給与所得控除2,000千円が利益に加算されますので、
会社の課税所得は2,000+2,000千円=4,000千円となり、
税金は4,000千円×35%≒1,400千円と実に倍になります。
平成18年 177号
18年も税法が大きく改正される予定です。(ほぼ決まり)
ポイントとなる改正点を整理してみました。
【法人税関係】
1.役員賞与の損金算入を一部認める
従来役員の賞与は損金(費用)になりません。改正では、あらかじめ支給額・支給時期等を定めていれば、原則として損金(費用)算入が認められることになります。
2.会社の社長報酬の給与所得控除分が損金算入できなくなる
この改正は特に影響が大きく、税額が増える会社が多くなります。
実質一人会社(役員および同族関係者等が株式の90%以上を保有し、かつ常勤の役員が過半数を占める会社)のオーナー社長の報酬については、給与所得控除相当分が法人において損金算入できないことになります。
ただし、次のような場合は、従来どおり損金算入できます。
・(会社の所得金額+社長の報酬の合計額)の直前3年以内の年平均額 ≦ 800万円
・平均額が年800万円超3,000万円以下でその平均額に占める社長報酬の割合が50%以下の場合
1.2の適用は、平成18年4月1日以後開始する事業年度からです。
3.少額減価償却資産の損金算入金額の上限300万円
現在、中小企業者が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、全額損金算入が認められます。これが見直され、損金算入額の上限が年間合計300万円とされます。
4.1人5,000円以下の飲食費が交際費等から除外
現在交際費は10%が損金不算入(カットされる)となっています。どこまでが交際費か悩むところでしたが、1人当たり5,000円以下の一定の飲食費(ただし役職員間の飲食費を除く)は交際費とはしないことになります。つまり全額損金算入できることになります。
3.4の適用は、平成18年4月1日から同20年3月31日までの間に開始する各事業年度です。
【個人所得税関係】
5.定率減税の廃止
20%の定率減税が、次のように平成18年分で半減、同19年分から廃止されます。
| 所得税額控除額 | |
| 平成17年分以前 | 所得税額の20%相当額 (20%相当額が25万円を超える場合は25万円) |
| 平成18年分 | 所得税額の10%相当額 (10%相当額が12万5千円を超える場合は12万5千円) |
| 平成19年分以降 | 0円 (定率減税廃止) |
6.税率構造の細分化
平成19年分以降の所得税の税率が次のように5%〜40%の6段階に改められます。同時に地方税も改められます。
| 従前 | 改正後 | ||
| 適用課税所得 | 税率 | 適用課税所得 | 税率 |
| 330万円以下の金額 900万円以下の金額 1,800万円以下の金額 1,800万円超の金額 |
10% 20% 30% 37% |
195万円以下の金額 330万円以下の金額 695万円以下の金額 900万円以下の金額 1,800万円以下の金額 1,800万円超の金額 |
5% 10% 20% 23% 33% 40% |
7.地震保険料控除の創設
地震保険料控除が創設されます。最高5万円、適用は、平成19年分以後の所得税からです。
8.住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例が廃止
これまで親から住宅取得資金を贈与してもらった時には550万までは贈与税がかかりませんでしたが、経過措置の期限(平成17年12月31日)をもって廃止となりました。
そのかわり、相続時精算課税制度がありますので、これを使うと3,500万円までは税金がかかりません。ただし、相続税の申告をする時に加えて申告しますから注意してください。
9.高額納税者の公示制度廃止
所得税、相続税、贈与税、法人税および地価税の高額納税者の公示制度(いわゆる長者番付)が、犯罪に使われ問題が多かったのですが、平成18年4月1日以後の公示から廃止されます。
平成18年 176号
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