Q&A集

はじめに

 このQ&A集は、実際に今まで頂いた、あるいは、今後予想される「米英製品不買運動」に対する疑問や反論に対してのお答え、という形で、管理人の「不買」に対してのスタンスを補足説明するものです。
 少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

 あらかじめお断りしておきますが、これはあくまで「現時点での」管理人のスタンスです。今後みなさまから付け加えられた新たな論点や、厳しいご批判により、このページの内容は発展的に書き換えられていくべきものです。
 このページを見て沸いてきた新たな疑問点や批判点を、ぜひぜひ不買運動BBSまたはメールにお寄せください。

 ただし、このQ&A集に載せました議論をそのまま蒸し返すようなご質問・ご批判に対しては、お返事しないこともありますので、悪しからずご了承ください。




初級編

Q1 何を、どのぐらい買わなければいいのですか?

 いきなりのご質問ですが。

 お任せします(爆)

 としかお答えしようがありません。

 真剣になって「米英製品不買」をやったら、はっきり言って生きてはいけません。
 それに、米英ブランドの製品だけでなく、原材料や部品だってあるわけですから、どんなに血眼になってがんばったって、限界はあります。

 だから、管理人からして「完璧に不買しよう」なんてまーーったく意図していません。このサイトが推奨するのは、あくまでも「人生に深刻な影響を与えない範囲で、フバイを楽しもう」というスタンスです。
 それぞれの方が、人生に支障のない範囲で、「不買」をしたり、少なくとも、消費するときに、アレッこの商品どこ製(産)かな?と意識するきっかけになってくれたらなーと考えています。



Q2 何のために不買運動をするんですか?

 管理人自身の理由は「趣旨」に書いたとおりですが、賛同してくださる方たちの動機は全く問いません。
 みなさんそれぞれの中でごくごく個人的に曲解した動機から(笑)、できるだけ多くの方に「不買」に賛同してくださると嬉しいなぁ、と思います。
 「アメリカ文化の低俗さ」に顔をしかめる頑固さんも、アメリカ帰りのできる同僚のネチネチしたいじめにちょっと 鬱なアナタの憂さ晴らしも、お待ちしております。

 というか、やりはじめると結構楽しかったりするので、ネタとして楽しむという態度が、一番健全でしょう。
 ただ、この時期に、っていうのはみんなアメリカを考えるきっかけとして盛り上がってる時期かなぁ、と思ったからです。



Q3 そもそも目的は、反戦なの? 反米なの?

 管理人自身は、反米というか反グローバル化、というのが目的ですが、他のいろいろな立場からの「不買」もできると思います。

 「反戦」をメインに据えると、たとえばこのサイトのような感じで、今回のブッシュ政権に打撃を与えるように不買対象を強調する必要があるでしょう。
 他の思想的背景としては、「消費文化反対」のエコな方、「攘夷、天誅!」の幕末志士な方(笑)もありかと。

 つか、そんなややこしい主義主張のない方の賛同をこそ、お待ちしております。「不買」をやってみると、いかに自分たちの生活が、アメリカ(ないしは他の国々)の生み出す製品やサービスと密接につながっているかを実感することになるでしょう。
 それに気づくことそのものが、とても大事なことだと考えています。



Q4 不買運動をすると、消費が減って、ますますデフレになって、やばいんじゃないの?

 これに関しては、あくまでも、「米英製品の不買運動」であって、消費を減らせ、と言ってるわけではありませんから。
 日本製、韓国や台湾などのアジア製、そしてヨーロッパ製品は、ジャ ブジャブ消費しましょう(笑)



Q5 WINもMACも使わないと、パソが一切できないんですけど。CPUもインテルだからアメリカ製だし、ブラウザもIEかネスケしかないから困ります!


 ええと、コンピューターやネット接続の分野で、アメリカ製品を拒絶することはほぼ不可能です。
  こういうのを僕は、「手遅れ」の分野、と呼んでいます(笑)

 こういう分野で「不買」をすると、自分の生活が確実にヤバイことになるので、やめましょう。「不買」は、簡単に他の国の製品やサービスに変えられそうなところから、無理なく始めましょう。

 というか、「不買」運動は、「手遅れ」の分野=アメリカ製品しか選択肢がないものを、これ以上増やさないようにすることも、その目的の一つとしていると考えてください。



Q6 ボクは外資(米英)系企業に勤めていますが、辞めるべきでしょうか?

 人生に重大な支障のあるような行動を、当サイトは一切お勧めしておりません(笑)

 もちろんあなたを止めはしませんが、「アメリカの富を自分の口座に奪ってきているのだぁ」ぐらいに考えたらいいのではないでしょうか(笑)

 ただ、本当に不買運動が全世界的に激しくなったら、貴社の株価が下がったり、サイアクの場合、雇用を減らしたり、ということはありうるだろうと思います。
 そこまでのことが起こり始めたら、アメリカ政府の政策が変わっていくことを祈りましょう。もしくは、あなたがとてもパワフルな方で、しかも貴社がアメリカ政府の意思決定にとっても重要な企業であった場合、上司を少しずつ説得して、政策変更のロビイングまでたどり着くよう頑張ってみてはいかがでしょうか(!)



Q7 じゃあ、結局外資系に勤めている日本人を「誤爆」しちゃうじゃない?

 確かに、ミクロで見ればそうかもしれません。

 でも、少し違う角度から見てみたらどうでしょう。
 たとえば、スターバックスがどれだけの街の喫茶店に閑古鳥を鳴かせ、トイザラスがいかほどの駅前のおもちゃ屋さんをシャッター商店街の一角に追いやっているのかを考えに入れたら、また見え方も違ってくるんじゃないでしょうか?

 消費活動というのは、あくまで選択の問題だということを、お忘れなきように。「手遅れ」の独占・寡占状態にならない限り。



Q8 今回の戦争でアメリカ支援を打ち出した日本製品も「不買」しなきゃおかしいんじゃないの?

 すご〜く真面目に考えるとそうですが、当サイトではとりあえず、イラク戦争に突出した兵力を送っている、アメリカとイギリスだけを標的にしています。

 だって考えてもみてください。
 日本製品抜きで、まともな生活が送れますか? 電車も乗れないし、お米も100%食べられないし、電話もかけられないんですよ!
 まさに「手遅れ」だらけ(笑)

 アメリカ支持を表明している国は、日本だけでなくまだまだたくさんありますが(たとえばオーストラリア、韓国、イタリア、オランダ、ポーランド、クウェートなど)、それらの国々の製品も「不買」対象からは外してあります。

 つか、米英製品だけでなく、日本製も韓国製も豪州製も完全に「不買」して生きていける人がいたら、ぜひ実例をお寄せください。
 その秘訣は光合成ですか?(笑)



Q9 なら、ブッシュにくっついていってるだけのイギリスはやんなくてもいんじゃないのー?

 確かにそれもそうですが、国内世論では反戦派が多いイギリスこそ、ちょっとした不買運動などで政権がぐらつき、対イラク政策をひるがえす可能性があると思って、一応「不買」対象にしてあります。

 そういう意味では、アメリカ製品不買には反グローバル化の動機が強い管理人にしても 、イギリス製品不買には、「反戦」の要素が大きいと言えますね。

 だから、イギリス製品に関しては、この戦争からイギリスが手を引くまで(もしくは戦争が終わるまで)、でいいんでないかい、と思っています。

 ま、日本に住んでいる限り、イギリス製品不買は楽勝の場合が多いでしょう。
 イギリスのCDばっかり買ってる僕にとっては、はっきり言って大打撃ですが・・・ ブレアよ、早く撤退してくれ(懇願)



Q10 ブッシュ支持してる日本国民として、「税金不払い」はどうよ?

 みなさんと同じく、個人的にも大変興味を惹かれる提案ですが(笑)、当サイトではお勧めしておりません。

 「税金」を使途別に収めることは事実上不可能なわけで、それこそ「誤爆」が頻発するでしょう。政府批判で行った税金不払いの結果が、社会保障費カットであぼーん、というのが最もありうる結果のような気がします。

 つか、「国連決議違反」を責める前に、「日本国憲法違反」をしないようにしましょう (爆)




応用編


Q11 これだけ世界経済がグローバル化している状況では、アメリカ製品と一口に言っても、実はマレーシア製だったり、メキシコ製だったりする。アメリカ製品の「不買」は、とんでもない途上国への「誤爆」につながらないだろうか?
(T様より)

 「グローバル資本批判」をきちんとやろうとすると、どうしても話が相当難しくなってしまうのでちょっとパスしまして、強引に(=やや暴力的に)内在的な反論を試みます 。

 確かに、米英製品不買運動が本格化したら、マレーシアやヴェネズエラでとんでもないことが起こるかも。その一方で、アディダスのサッカーボールを一手に作っているパキスタンが儲かったりとか(笑)
 そんな「風が吹けば桶屋が儲かる」の連鎖が、グローバル経済、っていうやつです。

 そして、その資本の浸透力こそが、アメリカの「強さ」だということです。

 アメリカという国や、そのブランドがついた商品に弓をひくと、アメリカが弓を射掛けてくる、というわけではなくて(いや、それもあるでしょうが)、矢が自分に跳ね返ってくる、という現象が起こるわけですね。
 雇用の喪失、援助の引き上げ、投資の引き上げ、etc,etc...

 それゆえ、跳ね返ってくる矢が大きすぎる国=「アメリカ」(国家としてのアメリカではなく)が浸透している国は、もうアメリカに弓がひけなくなってしまっているわけです。

いわば「手遅れ」状態です。

 僕は、OSやブラウザなどの領域においては、もはや「不買」は「手遅れ」だと述べましたが、これはユーザー・消費者レベルの話。
 「アメリカ」を拒否することで、確実にライフスタイルが制限される場合がある、と。

 それを僕は「手遅れな領域」と表現したわけですが、もっと規模が大きいレベルで、マネーの領域や雇用の領域において起こるそうした「手遅れ」な事態が、「マレーシアで ・・」現象がどうしようもない深刻さをひき起こすケースと位置付けることができるでしょう。

 正直、本格的にこうした不買運動が起こったら、そうした「手遅れ」国家--アメリカ資本が引き上げたら、雇用もマネーもすっからかんになっちゃうような国--はマジやばいことになるでしょう。
 んで、そうした「手遅れ」国家は世界に結構あると思います。
 まずは中米・カリブ諸国でしょうね。

 しかしですねぇ。
 乱暴な言い方をすれば、そういう脆弱性を持っていること、いや、「持たされている」ことこそが、もっとも問題とされるべきことではないでしょうか?

 これは、古くて新しい「コロニアル」の問題だと思いますよ。

 だとするならば、「第三世界」が、そうした「手遅れ」国家だらけになってしまう前に、何とかしなくちゃヤバイ、という結論も導き出せると思うのですが、いかがでしょうか。
  「アメリカ」という以外のオルタナティブをもたない、「手遅れ」国家だらけになってしまったら、それはもう、アメリカに弓ひくことができなくなる世界が完成したということを意味しているわけですから(逆の言い方をすれば、「アメリカ」に対して世界中の脆弱性が極限まで高まる)、アメリカが現在以上の強引さをバシバシ通すということ を経済面から裏書することでしょう。
 それはまあ、政治的に好ましくない状況というだけではなく、経済的にもあまり好まし くない状況でしょうね。

※基本的に、アメリカ=ステート、「アメリカ」=資本も含めた総体としてのアメリカという意味で使っています。

 それで、少し具体的な文脈に戻りますと・・・ ポストバブルの日本は、確実に「手遅れの国」になる方向に一直線に進んでいると思い ます。
 それを考慮すると、不買運動には、「アメリカ」に対してもアメリカに対しても、これ以上脆弱性を高めない、という意味も内包しているわけですが、いかがでしょうか。

 少なくとも、僕らが、「アメリカ」に対していかに脆弱か、あるいは、「アメリカ」の 浸透圧がどれほど強いかを、改めて実感するよい機会にはなるでしょう。
 それは非常に意味のあることだと思いますよ。



Q12 管理人はアメリカ単独支配を嫌っているようだが、フセインや金正日を追い出 して、強大な軍事力と経済力のもと、パックス・アメリカーナの世の中がくれば、それはそれでいいではないか?


国際政治学的に言うところの覇権安定論ですね?
 それに対して、いくつかの大国が凌ぎを削って牽制しあうことで、全面戦争が回避される、という考え方もあって、それを勢力均衡論といいます。

 今回安保理でアメリカと対立した仏独露の3国は、勢力均衡論に基づく権謀術数、という王侯たちのゲームを、17世紀以来延々とヨーロッパ大陸で繰り返していた中心的な国々です。
 5大国に拒否権を与える国連の安保理というのは、その性質上、「王侯たちのゲーム」を20世紀の実情に合うように制度化したもの、という側面を持っています。
 だから、今回のアメリカの「単独主義」的な動きは、権謀術数のゲームはもう終わりな んだよ、と欧州諸国に宣言したもの、と後世解釈されることになるでしょう。

 ただ、管理人は、覇権安定論と勢力均衡論、その双方の下で達成できる「平和」の内実 が全然違うことにこそ、注意する必要があると考えています。

 フーコー的な意味での「内面化する規律・権力」という観点からは、明らかに覇権安定下の「平和」のほうが、逃げ場がなくて苦しそうですよね。
 つか、正確には、近代になってからは、歴史上誰もこの事態を未だ目撃していないか ら、推測の域を出ませんが。

 だから、不買運動というのは、アメリカという国家への抵抗という以上に、偏在する規律権力・「アメリカ」との戦いであると。
 とすれば、国家としてのアメリカ、もっと言えばブッシュ政権しか標的にできない平 和運動のロジックは、どうも弱いのです。
 ネグリ的に言えば、「帝国」の支配のためには、国家としての覇権国・アメリカは別に必要のないものなわけですから。

 とはいえ、もちろん短期的には、不買運動は反ブッシュ政権という意味合いも強く持たざるを得ないから(だって短期的に明確な目標がないと、モチベーションわかないで しょ)、僕の「宣言」も二兎を追ってしまい、ちとわかりにくいのは反省。

 あー、でもよくよく考えてみれば、完全な覇権安定下における「平和」を、別に何の苦もなく受容できる人も多いのかなー、特に日本人には。
 戦後の歴史で予行練習してるわけだし。

 そういう方には、不買運動は関係ないっす。
 この辺は、最終的には個人の「好み」と「耐性」の問題だから、どうこう言うことではないのかもしれません。



Q13 アメリカが貿易赤字を続けられる理由は、海外からの投資です。自由市場アメリカの”夢”は万国に通用し、その夢でお金を吸い上げて回している。アメリカ人資本家が発展途上国を搾取しているという構図だけでは、反グローバリズムで困るアメリカは見えてきません。グローバリズム本体を否定するなら、投資を引き揚げられるのが、 アメリカにとって一番痛い話なのではないですか?
(きーちゃん様より)

 はーい、その通りでーす!

 はっきり言って、アメリカ製品をジャブジャブ消費することより、アメリカに投資することのほうが、100倍「罪深い」と思いますぞよ。個人的には。

 管理人も、最初は「アメリカに投資しない」というのを打ち出そうかと思ってはみたのですが、そゆことを個人サイトで主張してもあまりしょうがないでしょうから(笑)、わかりやすい不買運動にしたのですが、もしこのサイトを見てる人に財テク君がいたら、アメリカの債権と株式は買うな!と強く主張しておきます。

 ただ、管理人の乏しい経済知識を総動員して、どうしてあれだけ貿易赤字を連発しながらアメリカ人がヘラヘラ笑っていられるほど世界中が投資から集まってくるか、ということを考えると、ひとつは「夢」(というか、それに支えられた「信用」ね)であり、もうひとつは、ドルがただひとつの基軸通貨だからってことだと。
 この理解あってますよね?

 だから、ま、すごい回り道なんだけど、「夢を壊すため」かつ、「もうひとつの基軸通貨を打ち立てるため」の両睨みで「不買」、っていう結論はだめでつか?
 今回の場合、「もうひとつの基軸通貨」最有力候補のユーロ圏の大車輪が2つともあれだったわけだから、ちょっとわかりやすいじゃないですか?

 この辺のところは、僕もまだ詰めて考えていないので、読者のみなさまのご教示をお待 ちしております。