米英製品不買運動

何かしたいけど、何もできない僕らへ。
100の麗しい言葉より、10%の米英製品ボイコット。


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4月21日追記

あれが「戦争」として成り立っていたのかどうかも疑問なほどに、あっさりと、「戦争」が終わってしばらくたちました。
アフガニスタンに続き、「戦争」が短期で終結したことは、「平和」だけをとにかく求める向きには、ほっと一安心なのかもしれませんが、別の角度から言えば、アメリカの圧倒的な強さが改めて確認されたに過ぎません。

管理人は、この不買運動をするに至った背景は何も変わっていないと判断し、「戦後」もアメリカ製品不買運動を、引き続き継続いたします。
ただし、「戦後」の外交の中で、イギリスは明確に国連中心という建前の堅持を主張し、アメリカの首に縄をかける口うるさい同盟国の役割を演じようとしていますので、その方針を支持するためにも、イギリス製品の不買は撤回いたします。

内田樹先生が、相変わらずの慧眼でかつてこうおっしゃっていました。ちょっと長くなりますが、引用いたします。

 なんとなくアメリカという国が「おしまい」になりそうな気がする。

 「気がする」、というだけでべつにデータ的な根拠があるわけではない。

 しかし、世界歴史を徴すれば、あらゆる世界帝国はつねに興隆期があり、全盛期があり、退潮期があり、静かに歴史のうねりの中に消えていった。例外は一つもない。

世界に覇を唱えたすべての帝国は没落した。ローマ帝国も、アレキサンダー大帝の帝国も、モンゴル帝国も、オスマントルコ帝国も、大英帝国も、その版図はいっとき世界を覆ったが、いまは見る影もない。スペインもポルトガルもオランダもかつては世界の海を支配したが、いまはサッカー情報くらいでしか私たちの日常生活にはかかわらない。

 だからアメリカも遠からず「滅びる」だろう。

 「滅びる」といってもべつに革命が起こるとか、国家が解体するというようなドラスティックなことが起こるわけではない。

 ただ、経済が低迷し、文化的発信力が衰え、科学も芸術も精彩を欠き、国際社会での信用が失われ、その発言に誰も真剣に耳を傾けなくなる、というだけのことである。

 あらゆる国は必ずそういう「年回り」が訪れる。

 人間と同じで、国にも「年齢」があるのだ。

 アメリカは「老齢」を迎えた。これは間違いない。

 ジョージ・ブッシュというような統治者が選ばれるということは、国民のあいだに「まあ、大統領なんて誰がやってもいいんだからさ、あんまり偉そな理想とか語らないで、とりあえず、話が分かりやすいやつがいいわな」というようなだらけた気分が蔓延しているということを意味している。こういう発想法はすでにして「もうろく」の徴候である。


(中略)

 アメリカがどういうふうに滅びて行くのか、私にはまだそのシナリオはよく分からない。しかし、もしいわれるように来春にイラク侵攻作戦をアメリカが国連や国際社会の制止をふりきって単独で実行することでもあれば、おそらく未来の歴史の教科書は「このころからアメリカの国際的な政治的影響力はしだいに低下してゆき、国内での社会的な混乱もあって、往年の国威はもう二度と回復することがありませんでした」と記すことになるだろう。 

まったく同感です。
その歴史の歯車を少しでも回転させる一粒の砂になれれば、と思います。




不買運動・趣旨


国連の存在意義を公式に否定したアメリカは、「世界」そのものになろうとしています。このまま行けば、そう遠くない将来に僕らが生きるのは、形式上はわずか2億数千万の人々を代表するに過ぎない<帝国>が、この惑星の生殺与奪のすべてを握る「世界」です。

列強による駆け引きさえも存在しないその「世界」には、「平和と民主主義」が満ちているかもしれませんが、僕はその「世界」を拒否します。それはもはや、世界とは呼べない何物かであるはずだから。

それに、アメリカによる悪の枢軸・北朝鮮への先制攻撃という、日本・韓国などの周辺国にとって最悪の結果をもたらすシナリオに道を開きかねないという意味で、今回のイラク戦争は、決して日本の「国益上」も、好ましいことではありません(参照)。
あまりに強い唯一の超大国・アメリカが、あまりに気安く「自衛のため」の先制攻撃をしてしまうという「世界」を、「パックス・アメリカーナ」と呼んで歓迎してしまって本当にいいのでしょうか?

そうした「世界」の到来を拒否するためには、どうしたらいいか。
確かに現在の日本のおかれた立場を考えると、国単位で表立ってアメリカに弓をひくのは自殺行為である以上、アメリカに少しずつ弱くなってもらうしか方法はありません。

では、アメリカの強さ、ってなんだろう。
難しい議論を抜きにして言えば、世界中のみんなが何のかんの言ってアメリカを好きなことではないでしょうか?

世界中の多くの人たちがアメリカを好きだから、アメリカにはカネが、ヒトが、情報が集まる。この流れを、10年、20年かけて少しずつ変えていくことしか、アメリカが「世界」そのものになるという世界史的な構造変化に棹差す道はありません。

だとすれば、このイラク戦争は--イラクの人々には申し訳ありませんが--よい機会です。
今回、世界中が、アメリカの論理の破綻を目にし、不信感を募らせました。アメリカの提示する「世界」観を拒否する動き、アメリカの醜さを晒し上げ笑う心情が、世界中に広がっています。

この流れの中で、極東のしがない一個人ができる態度表明。
ない知恵を絞って出した僕なりの結論が、アメリカ製品(+米企業現地法人)のボイコットです。加えて、今回の軍事行動は米英共同歩調なので、イギリス製品へのボイコットも一応付け足しました。

スターバックスやマクドナルドに行かずに、ドトールかロッテリアに行く。
        モービルでガソリンを入れずに、出光やENEOSで入れる。
スポーツウェアを買いたいときは、NIKEでなくADIDASにする。
        ハリウッド映画を見るのをやめ、FENを聴くのをやめる。
松井を見ずに清原を、稲本を見ずに高原を見る。
        グアムやサイパンへの旅行計画を、沖縄か、ちょっと奮発してバリに変える。
そして、何よりも、アメリカやイギリスへの留学計画を再考する。

僕が自分で実行し、みなさんにもおずおずとお奨めしたいのは、この程度のこと。

これは、短期的にはアメリカ・イギリスへのささやかながらも実効的な抗議行動であるし(蛇足ですが、アメリカの一部にはフランス製品の不買運動が起こっています)、もし大きな流れになるのならば、アメリカへの富の還流をほんの少しでも止めることになるでしょう。

しかし本質的に重要な目的は、ボイコットを通して、アメリカの本当の強さの源泉=僕ら一人一人に浸透したアメリカへの憧れを断ち切ること、僕らは今のアメリカが嫌いなんだと宣言すること、にあります。
だから、一見大上段に構えた「反米」とは関係なさそうな、メジャーリーグやハリウッド映画を見る機会を減らすことこそが大事なのです。
レッチリの新譜を買えなくなったりすることは、僕にとっても結構苦しいことですが、爆弾を頭上に落とされる人々を思えば、こんなやせ我慢ぐらい屁でもないでしょう。

といっても、CNNやABCの画像を拒否したら日本のニュースなんかほとんど見れないし、そもそもIEもネスケも使わずにこのページを見ているひとなんてほとんどいないでしょう。クレジットカードをJCBだけで通すというのも苦しいです。
それに、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのCDや、ウォーラーステインの本、ボウリング・フォー・コロンバインなどの映画は、むしろ積極的に手にとる必要があるかもしれない。
アメリカと戦う知恵をつけるために、アメリカ留学する必要がある時もあるでしょう。

だから、例外ありまくりだし、いい加減な不買運動です。

しかし、ほんのわずかでも、ほんの10%でも、アメリカが生み出すものに対する依存度を減らすことができたならば、何かが変わっていくと思います。
アメリカが甘い囁きとともに提示する「世界」に呑み込まれないために。

こんなネットの辺境で、こんな絶望的にささやかな戦いを表明するナルシスぶりには、耐えがたいものがありますが、それでも僕はか細い声をあげます。
一人でも、二人でも、賛同してくれる方がいらっしゃることを祈って。

このささやかな戦いの期限は特に設置していませんが、アメリカが「世界中に嫌われている」ことを自覚したのちに、再び真の敬意と憧れに値する国に戻るまで、続けられることでしょう。

          2003年3月20日(3月29日一部変更)   五十嵐泰正