Seize

 SUMMIT meetingが終わって仕舞ったら、暫く更新しないと思いましたでしょう? だって、終わった時点で、次回のライヴの予定が無かったんですものね。でもですね。実は……、JUMEAUX OBSCENES、次のライヴが決まっております。えー。早いー。マジー? 「お知らせ」が何時更新されるか分からないので、ここに書きますと、10月26日(お! 20日後だ!)、場所は静岡県掛川にある、カフェ・ビズゥでございます。菊地さんファンの方なら、ご存じの方も多いでしょう、公式ファンサイトを作っていらっしゃる“けふりん”さんのお店です。時間は、午後2時から午後7時ぐらいまでで、チャージ(サンドウイッチ、パン、パスタなどバイキング用に用意したFOOD、コーヒー、紅茶は飲み放題で!)1500円。料理の準備等がありますので、要予約でお願いします、とのことです。以上、告知でした!


 そんな感じなので、松村君は、ライヴの模様の写真を「双児の人形」にアップする時間を惜しんで、次回ライヴの為にレパートリーを増やしているようです。……本当のところは、会社を辞めて大休養中なのかも知れません。良く知りませんが(詳しくは、松村謙一郎の日記をご覧下さい。あ、詳しくないですね。アレは……)。そんでもって、私はと言うと、次回以降のライヴの為にウィッグを買ってみました。ステージで、カールヘアって映えるのねと思いましたし、真知代ちゃんのウィッグを見て「いいなー」と思ったので。ん、もう、凄いゴージャスなカールなんですよ〜。別人に早変わり!って感じです。お楽しみに! ……って、自分が一番楽しみなんですけどね。

 掛川までは、今のところBIGART5号で行く予定なので、数人程度のお手伝い兼冷やかし係としての同乗者を受け付けています(5号じゃなくなった場合は乗れませんのから、募集しない方が良いのかな)。まぁ、ここの部分は、何とな〜く程度にしか読まないで、一旦忘れて置いてください。


 最近の楽しみにしている出来事繋がりとしては、全く同じ日に行くことが決定した、友人Tちゃんとの1週間のにわかニューヨーカー旅行も、メチャクチャ楽しみなのです。どんな旅行なのか簡単に言いますと、「中尊寺ゆつこの『ニューヨーク・ネイバーズ2(仮)』の取材を覗き見しつつ、N.Y.を楽しもー!」と言う物です(ちなみに、『ニューヨーク・ネイバーズ』は、1995年にアスキーから出た本です)。Tちゃんは、私がやっていた中尊寺のアシスタントのバイトを、高校2年の時に代わって貰ってから、以降14年も投げ出さず続けてくれている有り難く長い付き合いの女友達(ちなみにAB型)なのです。従姉は、「康乃ちゃん。N.Y.行ったら、帰りたくなくなっちゃうよ!」と言うんですが、そんな面白い所なんでしょうかね? ボーっとしてると、面白いかどうか分からないうちに、帰りの日になってしまいそうです。心強い姉貴が先乗りで居てくれるとはいえ、「ちゃんと勉強しておくように!」と言われたので、何から勉強したら良いのだろうと思いながらも、チョコチョコとエッセイなどの本を読んでおります。美術館やギャラリー巡りもしたいし、友達にも会えたらいいなぁ。あ、会いたいと言えば、前回の本にも登場した坂本教授にも会えたらいいのにな。そ、そうだ! 英語も復習しなくちゃなのですよね。後1ヶ月あるし……(“しか無い”とも言う)頑張ろうっと。




 おや? 隣の部屋から、歌声が聞こえてきました。「ビューティの世界へ ビューティの世界へ ビューティの世界へ」。……惜しい! ちょっと違いますねぇ。「みんな仔猫〜 みんな仔猫〜」。??? え? それもスパンクスなの? も、もしかして、自問自答のQuatorzeでも話題に出た、「Oui, d'accord d'accord」? 全然違うって! なんで、そんなNHKのみんなの歌みたいな歌詞になってるのよー。「噛みつかないで〜 みんな仔猫〜♪」。止めて止めて止めてー。違うよー。




 ちょっと前、「勝手な解釈」内のキーワードにも取り上げている、トマス・ピンチョン著『競売ナンバー49の叫び』を図書館で借りて読みました。前半は霧の中を彷徨うように訳が解らず、眠くて眠くて仕方なかったのですが、ある瞬間からもの凄く面白くなっていて、「面白くなった!」と思ったら、あっという間に終わってしまうのです。結果的に、面白かったのか面白くなかったのか、面白い所をちゃんと面白がることが出来たのか、よく分からなかったので、もう1回頭から読み直そうと思ったんですが、返却日が来てしまったので返してしまいました。余談ですが、丁度この本を読んでいる間に、マティアス・ルドゥー監督の『甘い嘘』というフランス映画を見に行きました。冒頭部分にこの作品に引っかけた台詞がいくつか出てきたんですよ。それくらい、これは有名な作品なんですねぇ。初めて読んだんですが。


 今は、同じくキーワードで紹介しているボリス・ヴィアン著の『うたかたの日々』を、これまた図書館で借りて読んでいます(ピンチョンよりも軟派で、ずっと素直なひねくれ方で読みやすいです)。「はじめに」に、こんな事が書いてあります。「何もわざわざことばにしなくても、黙ってそれに従っていればいい、二つのことがあるだけだ。それは、きれいな女の子との恋愛だ。それとニュー・オルリンズかデューク・エリントンの音楽だ。その他のものはみんな消えちまえばいい。なぜって、その他のものはみんな醜いからだ。」(訳者:伊東守男 早川書房 1979年)。


 ということで、今日は、「きれいな男の子」と言うのがピッタリくる男の子との、辛く長い一日について書いてみたいと思います。……辛い一日の方が、よく覚えているもんです。




 ある秋の日の夕方、私は先輩Eさんに呼び出されました。強面のEさんが待っていた部屋に行くと、痩せて背の高い、やたら瞳の大きな20歳前後の男の子も居ました。なんだか、ちょっと緊張しているようで、少し俯いてモジモジとしていました。

 「失礼します」
 「お、来たな。ま、座れ。お前、来週の日曜、暇だろ」
 「……え? まぁ、仕事は入ってませんが……」
 「コイツ。N君って言うんだけど、宣材(宣伝材料)撮れ。もう、10stの予約入れてある」
 「えっと……。その……」
 「ま、さ、か、断らねぇよな。コイツ、メ○ズ○ン○の専属の契約も取れてるような有望株なんだぞー。可愛い顔してるだろー。なんなら、今日持って帰ってもいいぞ。って、今夜は仕事か……。じゃぁ、土曜デートしろよ」
 「イヤ。土曜はもう……」
 「あ、そっか。まぁ、とにかく、日曜頼んだぞ! じゃ、仕事に戻って良し。お、その前に、N君の携帯番号貰ってけよ!」


 N君を見た瞬間、もうでかい花束を持たせて撮るって言うのは決まりました。だって、本当に美少年って言葉がピッタリなんですもん。次の日、衣装と待ち合わせ時間の打合せを軽く電話でし、そしてあっという間に問題の日曜になりました(ちなみに、持ち帰ってませんよ)。後で、N君が何度か私の所に来た時、それを見た後輩の女の子がみんな、「うわっ! あのいい男どうしたんですかっ!!」と言うような素晴らしく美しい男の子だったにも関わらず、その日は、拷問以外の何ものでもありませんでした。

 「N君てさー。どんな音楽聞くの?」
 「音楽は、……聞きません」
 「え? あ、そうなんだ。……じゃぁ、どんなTVが好き?」
 「TVも見ないので、持ってません」
 「あ、そー。持ってないんだ。じゃ、普段、部屋で何してるの?」
 「勉強か……、雑誌を見たりですね。最近、ロングスカートに興味があるんです」
 「そ、そー。スカートねぇ……」
 「今日は持ってきてないですけど、1着持ってるんですよ。辛口なデザインのヤツ」
 「(私がスカートに興味がないんだよね)……そうだ。大学って、何科だっけ?」
 「建築です」
 「……け、建築かぁ……。私のお祖父ちゃんと叔父さんが建築家で、参加してる展覧会に行ったりしてたし、妹も建築科に在籍してるんだけどぉ……。かなり身近な存在ではあるんだけどねぇ。建築、全然分かんないんだよねー。あははは。……そういやぁ、モデルって最近始めたの?」
 「はい」
 「それまでは? バイトとかしなかった?」
 「してました。運送会社で、段ボールをひたすら運ぶ仕事なんですけど……」
 「あぁー。随分、地味〜〜な仕事ねぇ。そんなに美しいのに、人に会わない仕事なんてもったいないわね」
 「人と話すのが苦手なんで、接客は出来ないな……と思って」
 「そうね。苦手そうね」
 「紙に書いてある通りに、運べば良いんで、人と喋らなくて良いからいいんです」

 と全く噛み合わない会話を、ダラダラと6時間くらいかけてしました。予定していたカット数が終わって、私が「OK。お疲れさまー」と言うと、N君はその場で着替え始めました。「あの……メイクルーム。あっちだけど」と言うと、「もの凄く暑いから……。気にしないで下さい」って。そして、着替えが終わっても、N君はボーっとその場に立っていました。そして、小さな声で、「片づけ、手伝います」と言いました。「いや。片づけの仕方を説明するのが大変だからいいよ。ホント、お疲れ。帰っていいから」と言いながら、『っつーか、もう会話を探すのに疲れちゃったよ』と思いました。うーん。今思うと、事前にデートしてた方が、楽だったのかなぁー。というか、そうじゃなく。美しい男の子とは、何も話さずに見つめ合うべきなんでしょうねぇ。たぶん。

2002年10月6日



  


■INDEX■