避妊手術の必要性

年間公的機関で不要な物として処分される犬猫は約70万頭と言わ
れます。多くの愛護活動家はこの事実を一番重要なものと考えてい
ます。例えば責任ある飼い主が飼い犬に子供を産ませ、捨てたりせ
ずに、他者に譲渡したとしても、生まれた子犬は、間接的に処分さ
れる犬の居場所を奪うことになるのです。

具体的説明:
社会全体で飼養できる犬頭数が100頭としましょう。飼い主、犬
を飼える人、受け皿が100だということです。

社会には150頭の犬がいます。50頭は不要な物として処分され
ます。=殺されます。

ある飼い主が自宅の犬に一度出産を経験させたいと願います。生ま
れた子犬は5匹。いま社会全体には、100+5=105頭の犬が
います。その5匹には貰い手がつきました。

社会全体で飼養できる頭数は限りがありますので、100の内の5
匹が処分になります。=殺されます。ある飼い主が5匹の子犬を産
ませることにより、どこかで抹殺される犬が5匹発生することにな
るのです。

なぜなら、社会全体で飼養できる犬頭数は決まっているからです!!

犬猫を飼うということは、一見まったく個人的な行為のように思わ
れますが、社会全体と強くリンクし、他者と強く繋がる、社会的な
行為なのです。

犬猫は社会全体が飼養している動物であり、犬猫をめぐる現状では、
犬猫頭数が過剰なため、多くの犬猫が処分されているのですから、
過剰な犬猫を出さないことが、社会全体として、急務なのです。過
剰な犬猫頭数を出さないためには、「現状」では、「避妊去勢手術」
の方法しかないということです。

犬猫を飼うということがあくまで個人レベルの行為であるという人
には、この考えは理解できないでしょう。そういう人は、人が生き
ている土壌が、「社会」「世界」であることも理解できないのでは
ないでしょうか。

犬は確かに管理をきちっとすれば、シーズンがきたからといって、
必ず受胎する動物ではありません。

ですから、「避妊去勢」が自然でないというお気持ちなら、「自宅
の犬の管理をきちっとする」ことが、社会全体への貢献となります。
ただし、自宅の犬には、「欲求不満」というストレスを与えること
になると思いますが、、。

猫はシーズンが来ると必ず受胎します。「避妊去勢手術」はMUS
Tでしょう。

成猫は貰われにくいか

確かに成猫は貰われにくいのですが、子猫育児の大変さをご存じの 方は、成猫を喜んで貰って下さいます。責任感があるすばらしい方 達が貰って下さいます。 (成猫を保護されている方、里親探しがんばってみましょう。) 私の経験では、成猫、子猫ともに、「あまり人なれしていない子」 が最も引き取り手がないように思います。 猫を巡る現状では、猫の需要と供給は釣り合いがとれません。圧倒 的に、供給の猫(里親さんを求めている猫達)が多いのです。です から、成猫達を保護しない方達もいます。子猫だって貰い手がない のが現状ですから、必然的に成猫には付加価値(ワクチン、血液検 査、避妊手術等)をつけて、貰って頂くことになります。 しかし考えてみて下さい。本来、「猫を貰う」「引き受ける」とい うことは、「その子の全責任を引き受ける」と言うことではないで しょうか。 本来は、ワクチン接種、血液検査等は、飼い主さんがするべきだと 私は思っています。 いろいろな付加価値をつけないと貰っていただけない飼い主さんに 対し、最近、私は、少々疑問を持っています。 犬猫の飼育には、対価が発生します。その対価は、犬猫が病気にな ったら、10万、20万等の金額になります。ワクチン5000円、 血液検査5000円の金額に比べたら、病気の時の金額は数十倍で しょう。 犬の貰い手さんは、猫の貰い手さんより、「犬猫飼育の対価」を良 くわかっている方が多いように思います。 つまり、猫頭数過剰なため、成猫の里親募集には付加価値をつけざ るを得ないのだと私は思うのです。 ◎成猫には「避妊去勢手術、ワクチン、検便、血液検査」をして、 里親募集。 ◎それができないなら、避妊手術をして、地域猫にする。 二者選択方法が、皆さんの、コンセンサスになるとしたら、私たち は、私たちの首を、自ずから絞めてしまうことになるかと、私は危 惧します。 成猫をやむなく保護する方も多いと思います。保護する方は、数万 円のお金を簡単に出せない台所事情があるやもしれません。普通の 方々が、ごく当たり前の如く、日常で、犬猫を保護できるためには、 その方の身の丈に合った保護方法を工夫すべきと思います。 皆さんの台所事情は様々なのですから、成猫の里親募集の諸条件も 様々で良いはずです。 私も長年、1頭につき、避妊去勢手術1万5千円〜2万円、ワクチ ン代5000円〜1万円。血液検査5000円〜8000円を負担 し、成猫を貰っていただいて来ましたが、今年の冬は経済事情が厳 しく、血液検査ができませんでした。 それでも、猫達をもらって頂けました。とても責任感のある良い方 達に引き取っていただけたと感謝しております。 また、野良猫の健康状態を全体として把握するためにも、捕獲した 野良猫には基本的に3種ワクチンをしています。また、地域の猫達 の健康を把握するためにも血液検査を時々しています。 猫種全体の健康状態を良くすることで、長い目で見れば、保護猫達 の健康も良くなっていくと思うからです。

人と社会に向けて

夕方、犬たちを散歩させながら思います。こうして毎年、多くの犬 や猫を保護していますが、こうやっている今も、私たちが保護する 数の何十倍何百倍もの、可愛い猫たちや、心優しい犬たちが、制度 的に殺されているのです。したがって、いわゆる保護活動は、今日 の犬猫問題への対処として、副次的な、マイナーな部分にすぎませ ん。支払う労苦の量が大きいので、つい自己満足に近い心情になる 部分もありますが、いわゆる保護活動は問題の解決にほとんど寄与 しません。罪なく殺される犬猫をなくすためには、根気良い啓蒙活 動が必要です。大小さまざまなメディア、組織、団体、人、に働き かけたいと私は考えております。みなさまも、お気持ちを、目の前 の犬猫だけでなく、人と社会に向け、しつこく活動して行かれるこ とを期待します。

共通的基盤的認識=責任

毎年初夏になると、自分の庭をきれいに保つため、子猫たちを毒殺 する婆さんですら、今日の己あるは、ご先祖の生活が犬や猫に守ら れたためである。その意味で、すべての人間に、犬と猫に対する恩 義と責任がある。ひるがえって、どんな社会のどんな問題をめぐっ ても、責任を忘却・回避・放棄する人びとの社会には深刻な災悪が 根を張りつづける。犬猫問題は、これら、より広い問題への無知と いう点で環境問題と似ていますが、水の汚染などと違い、メンタル で、微妙で、分かりにくい問題です。殺処分、遺棄、虐待等を皆無 にするため、各人、持てる立場と機会、才能、資質等をうまく活用 されることを期待いたします。私の最近の「活動例」は、本屋で立 ち読みできる「PCプログラミング」誌の3号282ページを見てく ださい。 --end text--