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 目  次

相続が発生するとどうなるのですか

全ての遺産を兄に残す内容の遺言書が出てきました。もう、私は遺産をもらうことができないのですか

遺言書の種類にはどのようなものがありますか

自筆証書遺言の書き方を教えて下さい

公正証書遺言とは何ですか

公証役場はどこにあるのですか

遺言書を作るには

どういう場合に遺言書を作った方がいいのでしょうか

相続が発生するとどうなるのですか

 人が亡くなると、その人(被相続人といいます)の財産について遺産相続が開始します。遺言書で相続人を決めてあれば、相続人が遺言書に定めてあるとおりの遺産を相続することになります。
 遺言書がない場合は、法定相続人が遺産を相続することになります。法定相続ですと、配偶者(民法第890条)、そして子供が第一順位で、子供がないときは兄弟姉妹や両親などが相続することもあります(民法第900条)。相続人の確定のためには、戸籍謄本、除籍謄本などが必要です。このうち誰が相続人になるかは、ケースにより異なります。詳しいことは書き切れませんので、直接、御相談ください。
 法定相続分が決まっているにしても、それは相続の割合を決めているにすぎないので、実際に、どの財産を、誰が、どれだけ取得するかは、相続人の話合いで決めるのが原則です。これを遺産分割協議といいます(民法第907条)。 なお、遺言があっても、遺産分割協議で遺言とは異なる遺産分割を合意することができます。遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停の申立を行うことができます。遺産分割調停でも決まらない場合は、家庭裁判所の審判で決することもできます。ですから、手続としては、
 1 話合い
 2 調停
 3 審判
となります。

全ての遺産を兄に残す内容の遺言書が出てきました。もう、私は遺産をもらうことができないのですか

 遺言書があっても、それと異なる遺産分割を相続人の協議(遺産分割協議)で決めることができます。遺言は絶対的とはされていないのです。 また、遺言書がある場合も、「相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ったときから一年以内」に遺留分減殺の意思表示をすることで、法定相続分の半分の遺産相続を受けることができます(民法第1041条)。この意思表示は、内容証明郵便で行う方が確実です。

遺言書の種類にはどのようなものがありますか

 遺言書には、① 自筆証書遺言 ② 公正証書遺言などがあります(民法第960条以下)。

自筆証書遺言(民法第968条)の書き方を教えて下さい

 遺言者(遺言を残す人)が、その全文、日付、氏名を自分で書くことが必要です。 したがって、 遺言書の一部でも他人が書いたりすると無効となります。自筆証書による遺言は代筆することができません。
 民法の条文上は「自書」とありますので、ワープロで自筆証書遺言を作成することは出来ません。
 遺言書には日付がないと無効になります。○○年○○月○○日と明確な日付が必要です。
 遺言書には遺言する人が氏名を書く必要があります。 遺言者が捺印することも必要です。 遺言書のなかの加除、訂正、変更などをするには、その旨を付記したり、印を押すなどの厳格な手続が必要ですので、万一、書き間違えた場合は、いっそ全部書き直した方が無難です。
  遺言書を書く紙の種類に制限はありません。便箋、コピー用紙、原稿用紙などを利用することができます。 書き直すことの出来る鉛筆などではなく、インク、ボールペンの様な筆記具を利用して下さい。 二人の人が一通の遺言書で遺言を残すことはできません。無効となります。 表題として「遺言書」と明確に書いておいた方がいいでしょう。

 以上は形式的な注意ですが、内容的にはもっと難しい問題があります。遺言の決め方、表現の仕方などによっては、遺言書が無効となり、遺言者の気持ちが生きてこないこともあります。これは簡単に説明できるものではありません。相談して下さい。

公正証書遺言とは何ですか

 自筆証書遺言は、遺言者の死後、遺産争いから遺言書の効力が争われることがあります。その点、公正証書にしておくと、遺言書の効力に関する争いの大部分を防ぐことができます。

 公正証書遺言とは、公証役場に行き、公証人に遺言書を作ってもらうことです。費用はかかりますが(普通、数万円から十数万円というところでしょう)、安全、確実に遺言者の希望どおりの遺言を残すことができます。まず弁護士を通じて遺言の準備を行い、最後に公正証書とすることもあります。

公証役場はどこにあるのですか

 公証役場とは、役場という名称ですが、市役所や町役場のようなものではなく、ビルの一室にある小さな事務所です。裁判官や検察官を退職した人が「公証人」(『交渉人』ではない)となり、法律的な文書の作成を行い、公的に証明します。公証役場は電話帳にも出ています。当事務所を通じて遺言書を作成される場合は、普段、私がお願いしている公証役場に依頼することが多いです。

遺言書を作るには

 一番お手軽なのは、市販書を参考にして、自筆で遺言を書くことです。急ぐならまず自筆証書遺言をつくってみましょう。これの欠点は、必ずしも法的に有効かどうか不安が残るということです。とくに、複雑な遺産分割を希望する場合は困難を伴います。そういう場合は、とりあえず、弁護士か公証人に相談しましょう。
 また、相続人が何人もいて将来の紛争が予想される場合は、なぜ、そういう遺言内容にしたのか、生前から説明しておくほうがいいのではないでしょうか。遺言執行者を弁護士と指定しておく方法もあります。
とにかく、遺産を目の前にしたとたん骨肉の争いになるのは避けたいものです。

どういう場合に遺言書を作った方がいいのでしょうか

 「遺言書というのは金持ちの話でしょう。」「うちは大した財産が無いから、遺言書なんて関係ない。」と思ってらっしゃる方も多いと思います。しかし、そうではありません。遺言書は、自分が作った財産を公平に子供たちに伝え、紛争を未然に防ぐ大きな役割があるのです。たとえば、つぎの場合は、遺言書を作る大きな動機となります。

  1.  遺産をめぐって子供たちに争いが発生する可能性があるとき。遺言書によって、親の生前の意思を明確にしておくことは、子供たちの将来の骨肉の争いを未然に防いだり、紛争を早期解決するのに役立つことがあります。
  2.  農家、職人、会社経営の方の場合は、家業を継ぐ子供に、家業を続けていくために必要な財産を残すことが出来ます。
  3.  親の介護をしてくれたり、よく面倒をみてくれた子供に対し、他の子供たちよりも多めに遺産を残してやりたいとき。あるいは、反対に、行方不明や音信不通、親を虐待した子供に渡す遺産を減らしておきたいとき。
  4.  子供がいない場合などは、普段全く親交の無かった親戚に遺産がいくこともあります。また、全く法定相続人がいない方の場合は、最終的には遺産が国庫帰属となってしまいます。国にあげるくらいなら、親しい方に残したいという方もいらっしゃいます。
  5.  障害を持ったお子さんがいらっしゃる場合は、自分が死んだ後も生活に困らないように、遺言書で配慮しておくこともできます。

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