あわや墜落!!


 エチオピアのアジスアベバの空港を飛び立ったジェット旅客機は巡航高度にさしかかりました。 エンジンの出力を絞りはじめたその時、突然ド・ド・ドーンという音と共に床が大きく振動します。 左側のエンジンから火が出たのを見たと、窓際の乗客が騒いでいます。 その時機長がいつもの挨拶を始めました。 「エーご搭乗の皆様、機長の**です・・・・ 」 と気を静めようと努めて冷静にアナウンスが、とその時また爆発! 機長は「緊急着陸をします」とアナウンスし、4基のうち2基のエンジンを止めた機体は急激に降下を始めました。 主翼の両側の非常口付近の椅子がはずされ乗務員が非常脱出の準備をします。 アメリカ人の若い男が天井に向かって手を突き上げて何か叫んでパニック状態です。 小生も最悪の事態を覚悟して、家族へのメッセージを紙切れにしたため、パスポートの間に挟みこみました。 急激に降下したのに着陸はきわめてスムーズで何の問題もなく地上に降り立った時は、乗客みんなが本当に喜びました。 ここで1泊して修理し、翌朝出発するとの事。 だれも翌日のフライトをキャンセルすると言い出す人はいません。 それもそのはずで一旦キャンセルしたら予約が一杯でいつ飛べるかわからなくなるからです。

 翌朝、出国手続きを済ませてロビーで待っていると、駐機場の片隅で修理が終わった飛行機のエンジンを調整しています。エンジンの出力を上げていったその時、バーンという音と共にエンジンが火の玉になったのです。 それでこのフライトは本当にキャンセル。 別の機体でエジプトのカイロ行きはやっと出発したのでした。 この飛行機はその後、ジェッダ空港に着陸の際、ランディングギアー(車輪)が出たことが確認出来ないというトラブルのため、空港上空を旋回した後に着陸。 修理の部品待ちで数時間かかった後やっと飛び立ってカイロに着いたのでした。 カイロにうまく着陸したときは乗客のみんなが拍手喝采で大騒ぎになった程でした。

 この飛行機はその後ロンドンに向かうとの事。 カイロで降りる乗客たちはロンドン行きの乗客たちに 「good luck」 と言って降りていきました。 ちなみにその後この飛行機が事故にあったというニュースは聞きませんでした。  遅れてカイロ着いた小生は、仕事の予定はキャンセルとなり、観光を十分楽しむことができました。 くわばら、くわばら。 それにしても、こんな緊急事態なのに妙に冷静な自分が不思議なくらいでした。 

もとのページに戻る