職 員 措 置 請 求 書 

平成17年6月23日

横浜市監査委員 殿

 

請求人                    

                  住所 横浜市中区相生町1−18港南ビル5階

            氏名 よこはま市民オンブズマン

                代表幹事

請求人(連絡先)

                                   

請求人

                   

請求の要旨

1.          監査請求の対象行為

(1)横浜市は平成16年3月9日に「平成16年度地域振興協力費支出要領」(以下「支出要領」という)を制定し、これにしたがって平成16年8月20日、都筑区連合町内会自治会(以下「都筑区連会」という)に対して「地域振興協力費」の名目で150万円の「報償費」を支出した。この支出行為が本件請求の対象である。  

 

(2)「支出要領」による支出の趣旨は、“防犯灯の維持管理をはじめとした防犯活動、防災、環境美化活動及び保健衛生活動など様々な公益性の高い活動や市政協力を行う地域住民組織である自治会町内会等に対して支出する”としている。

 

2.対象行為が違法または不当であることの理由

(1)支出の趣旨にあげている「防犯灯の維持管理をはじめとした・・・」という事柄に該当するような活動は、いずれも自治会町内会が行っており18区の区連合町内会(以下「区連会」という)にはこのような活動ができないことは明白である。すなわち、「都筑区連会」を含む各「区連会」には具体的にいえる公益的活動は何もないのに支出したという違法がある。

 

(2)一方、自治会町内会はもともと地域構成員の利害のために活動する団体であるから、

公益性を主体に活動するという動機は有していないし、上部団体の「区連会」に対して市が事務局施設を提供し市職員を派遣従事させている現状を併せ考えると実態は「区連会」による公益活動というよりも、むしろ市の行政活動そのものである。

すなわち、「都筑区連会」を含む各「区連会」に対して支出する理由もないのに支出したという違法がある。

 

(3)また、報償費の支出は地方自治法第232条の経費の支弁にあたる。経費の支出にあたっては、その支出により横浜市が得る対価の妥当性を検証する必要がある。

しかるに、市はそのような検証作業を行った痕跡がない。即ち、「経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」という地方財政法第4条第1項に反する違法または不当がある。

 

(4)根拠もなく「地域振興協力費」が支出された「都筑区連会」は、妥当性の検証すら行われないことをいいことに税金が財源であることを顧みず、やりたい放題に「地域振興協力費」を費消したことを「都筑区連会」の決算報告書が証している。すなわち、「一泊研修会、歓送迎会等」の事業費支出が、平成15年度の約85万円から平成16年度は約134万円へと「地域振興協力費年額150万円」の90%にまで膨張した。

とりわけ「都筑区連会」は構成員に対して一切負担を求めず、市から支出される「地域振興協力費」に全面依存しているため、「都筑区連会」の支出するすべてが

公金である。

 

(5)ついては、高額支出の平成15年度及び同16年度に実施した「一泊研修」にかかる公金濫用の実態と問題点を次のとおり指摘する。

  なお、市は平成15年度についても本件請求対象年度と同趣旨の支出要領を制定し、同額150万円の地域振興協力費を支出済である。

 

  また、各「区連会」では研修会が恒例行事となっている。全18の各「区連会」の研修会実施内容について、請求人が迂回調査により把握できた範囲内で一覧表

(資料・1)にまとめたので、参考資料として添付する。

 

ア・ 「都筑区連会」の支出目的

(あ)「平成15年度」  行先:名古屋市ほか  実施日:9月4日(木)〜5日

@名古屋市中村区の市民団体「リサイクルを考える会」の活動状況を研修し、「G30」行動の取組みの参考になるとしている。しかし、「G30」の目的であるゴミ減量の必須条件は、資源とゴミをル−ルどおり分別しその処理を決められたとおりに実践することに尽きるのであって、各家庭の主婦らが「G30」の成否を握っている。主婦が研修に同行するというのであればともかく、地区連合町内会長だけがわざわざ名古屋まで出かけて見学・研修しても、具体的に「G30」に貢献できる成果は到底期待できない。

A2日目に滋賀県長浜市の民間団体「まちづくり役場」の活動状況等を研修し、地域でのまちづくりや地域活動の参考となるとしている。しかし、そもそも歴史の街長浜と港北ニュ−タウンの一角「都筑」との立地共通性が認められず、また、行政の企画担当職員が見学するというのであればまだしも、地区連合町内会長らが見学する目的や必要性が極めて不透明である。言わば、名古屋から3時間近くも掛けて長浜温泉「長浜ロイヤルホテル」に繰り出して宴会を開催するための口実でしかない。

Bその間、「長浜城・歴史博物館」「曳山博物館」等に立ち寄るなど、研修とは全く関係のない観光の日程が含まれていることから見て、この「一泊研修」が研修・見学ではなく実質観光旅行であることは明らかである。

 

 (い)「平成16年度」  行先;神戸市ほか  実施日:9月12日(日)〜13日

@主な見学先を神戸市「人と防災未来センタ−」としている。ところが、インタ−ネットで調べたところ、この見学先は“お薦め立ち寄り観光ポイント・震災から10年。エキゾチックタウン神戸の1日”というキャッチフレ−ズを付して「JAF協定観光コ−ス」のトップに挙げている。すなわち、この見学先はJAFが神戸観光の

目玉に据えている観光ポイントである。

Aさらに、この施設を見学することが、地区連合町内会長の職務に繋がるとは到底いえないし、その後、2時間もかけて兵庫県南淡路の温泉旅館「南淡路ロイヤルホテル」に繰り出して宴会を開催し、2日目の「うず潮観潮」などに立ち寄るなど、

研修とは全く関係のない観光の日程が含まれていることも前年と同様で、当平成

16年度についても研修ではなく実質観光旅行である。

 

イ・「都筑区連会」が会から支出した金額 

(あ)「平成15年度」

@755,843円。「地域振興協力費・年額150万円」の半分以上にあたる。

A69,825円の宴会接遇費を計上。会長、副会長の寄付その他により賄っているが、この事実が研修の本質を表わしている。つまり、研修には決してあってはならない行為である。

B交通関係費を除く一人当り宿泊費、飲食代等支出が37,903円(上記宴会接遇費を除く)と紛れもなく豪華観光旅行水準にある。

 

(い)「平成16年度」

@735,037円。但し、参加一人当り支出額は49千円、なぜか前年の42千円と比べて7千円(約17%)の増額。

 A交通関係費を除く一人当り宿泊費、飲食代等支出が36,306円と前年比大差なく、前年同様に研修とは名ばかりの実質豪華観光旅行である。

 

(6)ところで、15年度の「一泊研修」に都筑区長ら職員5名が同行し、さらに職員が事務局業務に従事し全般を掌握しているのであるから、この「一泊研修」が研修ではなく実質豪華観光旅行であること、このために多額の公金が費消されていること、

然るべき措置を講じなければ翌16年度も同様に公金が濫用されるであろうこと、等が認識されて当然である。

   さらに、平成16年7月26日、請求人は市長に対して「貴職員の“戸塚区連会・研修会への参加中止”措置実施の申入書」を提出し、前年度の「一泊研修」に関して本件と同種の問題点を指摘した。このことが新聞記事になり、直後開催の全区所管管理職会議で話題となり席上市民協働推進事業本部が今後の対応を指導した模様である。 

しかるに、都筑区に対する市の内部統制が機能していないためか、研修までに時間的余裕があったにもかかわらず、一覧表(資料・1)に見られるように「都筑区連会」の異常振りが際立っている。

 

(7)都筑区長らに公僕意識が欠如していることは言うまでもないが、むしろ「地域振興協力費」の支出制度上の欠陥が根源的な問題である。その理由は、前述したように「支出する根拠が無い、妥当性の検証すら行われない」という欠陥が明白な事実であるのに是正措置を怠り漫然と「平成16年度・地域振興協力費」を支出したことである。

その挙げ句、案の定、前年度と同じように豪華観光旅行に公金が濫用されたもので、このような「地域振興協力費」の支出行為は違法不当である。

 

3.監査委員に求める措置の内容

  監査委員は、市長ほか関係機関に対して、違法不当な公金支出行為による損害を補填するため、必要な措置を講ずるよう勧告すること。

 

  地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を

請求します。