郵便貯金ICカード用バランスリーダーの
改良に関する提案
(視覚障害ユーザーの立場から)
9月20日
福井哲也
0 はじめに
8月27日の郵政省との会合でお見せいただいたバランスリーダーの試作機は、
全体として、大変魅力的なデザインであったといえる。特に、本体が小型・軽量
であること、合成音声がクリアであること、音声出力だけでも総ての機能が使え
ることなどは、大いに評価すべき点と考える。しかし、本機を毎日のショッピン
グのツールとして快適に使用するためには、なお改良が望まれる点もいくつか
ある。そこで、私たちの希望する改良点を、以下に具体的に列記する。
1 ビープ音
1.1 暗証番号受け付け可を示すビープ音
カードを本機に挿入し、暗証番号の入力が受け付けられる状態になった
ときに、「ピピ」というビープ音を鳴らす。機械の準備ができないうちに暗証
番号の入力を始めてしまい、結果として暗証番号エラーとなることを防ぐためで
ある。
1.2 キー・アクセス音
ショッピング用暗証番号、および年月日、時刻の入力時、数字を1桁入力する
ごとに、ごく短いビープ音(クリック音でも可)を鳴らす。これらは4桁1組で
あるので、キー操作が機械に認識されていることが実感できた方が、安心して
操作できるからである。
1.3 連続音声モードのオン/オフを示すビープ音
連続音声モードについては後に詳しく説明するが、それがオンとなるときには
「ピピ」、オフとなるときには「ピー」とビープ音を鳴らす。
2 操作と音声出力の関係
2.1 いわゆる“音切れ”
音声出力中でも、いかなるボタン操作も受け付けるようにする。ボタン操作に
より、発声中の音声はただちにストップするようにする。発声中に「音声」ボタ
ンを押したときも、音声はストップする。
現在の設計は、発声中は次のボタン操作を受け付けず、「音声」ボタンで声を
止めてからでなければ次の操作に進めないようになっているが、これではとても
面倒なので、この点は是非とも改良していただきたい。本機を耳に当てている
ときに、誤って何かのボタンを押してしまうおそれは、まずないものと考える。
2.2 連続音声モードの新設
ボタン操作と音声出力の関係について、次の2種類のモードを設ける。
(1)連続音声モードオン:ディスプレイの内容が変化したときは、ただちに
自動的に発声する。「音声」ボタンを押すと、ディスプレイ表示に対応する音声
メッセージを繰り返す。ただし、暗証番号および年月日・時刻のように、数字
4桁が1組になっている入力操作においては、1〜3桁目の入力の後には、自動
的な発声はしない(キー・アクセス音のみ)。
(2)連続音声モードオフ:「音声」ボタンを押したときだけ発声する。
ディスプレイがまったく見えないユーザーにとっては、音声出力だけがたより
なので、「音声」ボタンを押さなければ発声しない現在の設計では、とても
まどろこしく感じてしまう。しかし、音声をまったく必要としない人や、必要な
ときだけ音声を聞きたい弱視者にとっては、常に音声が出てしまうのはかえって
よくない。これら2つの要求を同時に満たすことは不可能なので、本機に上記の
ような2つの動作モードを設けて、ユーザーが必要に応じて切り替えられるよう
にするのが望ましいと考える。
2.3 連続音声モードオン/オフの切り替え
「音声」ボタンを2〜3秒押し続けることにより、モードを切り替える。
「音声」ボタンを押し始めた段階で、そのときのディスプレイ表示に対応する
音声メッセージの出力は開始する。そして、ボタン押し下げ時間が規定値より
上回った場合には、モードの切り替えをする。モードが切り替えられたことは、
オンならば「ピピ」、オフならば「ピー」というビープ音を音声メッセージの後
に鳴らして示す。
連続音声モードの設定は、電源オフ後も継続されるのが望ましい。
※もしも、「音声」ボタンの押し下げ時間を検知することがハード的に不可能
ならば、別の切り替え方法を検討する必要がある。例えば、「音声」ボタンと
「確認」ボタンの同時押しなどが考えられる。
3 音声メッセージの内容
3.1 基本的な考え方
普段頻繁に聞くメッセージは、なるべく簡略にし、ほしい情報が早くわかる
ように工夫する。
エラー時のメッセージは丁寧にし、次に何をどうすればよいかがはっきり伝わ
るように工夫する。
[注]以下の記述で、“○”は現在のメッセージ、“*”は私たちが提案する
新しいメッセージを示す。
3.2 ショッピング用暗証番号入力時
○入力2(3,4)桁目です。
↓
*1(2,3)桁入力されています。初めからやり直すには、戻るを押して
ください。
(なお、「戻る」ボタンを1回押すと入力された全部の桁が消去される設計に
してほしい。)
○ショッピング用暗証番号が入力されました。
↓
(廃止する。暗証番号が正しければ残高表示になるので、わざわざこのメッセー
ジを出す必要はない。)
3.3 残高表示
○残高は□円です。
↓
*残高は□円。
○残高照会へ戻りますので確認を押してください。
↓
*残高照会へ戻ります。確認を押してください。
3.4 履歴表示
○履歴1件目、1999年3月31日、買物1万円です。
↓
*履歴1件目、3月31日、買物1万円。
(1年以内の履歴は、年の音声表示を省略する。1年以上前のものだけ、年も
発声する。)
3.5 時計機能
○1999年5月17日、11時40分です。
↓
*11時40分、1999年5月17日。
(日付より時刻を前に出す。時刻を知りたい場合の方がずっと多いから。)
3.6 ショッピング用暗証番号の登録
○ショッピング用暗証番号入力2(3,4)桁目です。
↓
*ショッピング用暗証番号が1(2,3)桁入力されています。初めからやり
直すには戻るを押してください。
(なお、「戻る」ボタンを1回押すと入力された全部の桁が消去される設計に
してほしい。)
3.7 時計設定
○年設定2(3,4)桁目です。
↓
*年が1(2,3)桁入力されています。初めからやり直すには戻るを押して
ください。
○月日設定2(3,4)桁目です。
↓
*月日が1(2,3)桁入力されています。初めからやり直すには戻るを押して
ください。
○時刻設定2(3,4)桁目です。
↓
*時刻が1(2,3)桁入力されています。初めからやり直すには戻るを押して
ください。
(なお、「戻る」ボタンを1回押すと入力された全部の桁が消去される設計に
してほしい。)
3.8 エラー・メッセージ
○カード・ロック・エラーです。
↓
*カードがロックされ、使えなくなっています。郵便局の窓口へお持ちください。
○ショッピング用暗証番号がロックしています。
↓
*ショッピング用暗証番号を3回間違えたので、カードが使えなくなりました。
郵便局の窓口へお持ちください。
○カード故障です。
↓
*カードが故障です。郵便局の窓口へお持ちください。
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