2000年5月26日 関東地区視覚障害教育研究会埼玉盲大会第5分科会発表資料
2000年度普通科全生徒へ広がり始めた「情報」の授業
                            障害の重い生徒も含めた事例紹介

                                 東京都立八王子盲学校 三崎吉剛
1.全体の様子

2000年度が始まり、高等部普通科では「情報」の授業が開始されました。
時間割をみてみると、

1年生 0単位3名 1単位2名
2年生 0単位2名 1単位2名 2単位2名 3単位1名
3年生 0単位0名 1単位2名 2単位3名

です。ざっと見ただけですし、時間割もまだ調整が加わる可能性もありますので、大体のところと押さえてください.

内容は、

WINDOWSスクリーンリーダーやブラウザ読上げソフトを使用したインターネットへのアクセス
点字ワープロの練習
フルキーローマ字入力の練習
友達へのメールの送受信
本格的な事務文書をづくりを目指したワープロや表計算の練習

などです。

いままでの養護・訓練のなかの指導内容の延長のような感じですが、指導している教員ががらっとかわりましたので、かなり雰囲気は異なるようです。生徒も教員もインターネットへのアクセスをなんらかの形で意識していることもあるでしょう。

生徒や保護者からずいぶん期待されているようです。

新学期早々に担当の教員に集まっていただき、指導内容の検討などを行いました。
スクリーンリーダーや、それに対応するメーラー、WINDOWSがもつユーザ補助機能、画面拡大ソフトなどを紹介しました。
また、障害の重い生徒のために、音声でできる高原蘭堂氏のゲームなども紹介しました。


2.ビデオの内容

その1 週に3時間ある私のクラスの生徒の授業です。私が教科担任をしています。

高原蘭堂氏の「もじらたたき」カナ文字モードとそれに愛媛盲の和田氏のブレイルシスをつかい、6点入力にて練習しています。

久しぶりのブレイルシスで組み込み方法を忘れてしまって理療科に進学したかつての私のクラスの全盲の生徒にコンフィグをかいてもらいました。

さらにVDMの速度調整のコマンドも忘れてしまっていてこれも彼に聞き助けてもらい
ました。

授業の方は、はじめはwaitlevel0でずっとまっているモードでやり、つぎに1にあげました。

授業をしていて気がついたのですが、6点入力は指を離したときに有効となる?ので、パーキンスよりちょっと難しいようです。でも、かなりできるようになりました。

まだまだVDM+DOS+高原ソフトも健在です!!

その2 この生徒も私のクラスの生徒です。教科担任も私です。

弱視の生徒が特打ちでローマ字フルキー入力の練習をしています。
彼は、2,3回ほどで8〜9割できるようになったので、ずいぶん自信になったようです。

その3 「重複」の生徒の教室には9801UVがおいてあり、朝のホームルームの前に生徒たちが集まり、毎日のようにkeybeeというソフトなどで遊んでいます。

「重複」クラスではないクラスの生徒もきて、楽しそうにやっていましたので、ビデオをとりました。廃棄処分されそうだったパソコンもきっとうれしがっているはずです。

その4 1年前に私が担任をした現専保2の生徒たちの授業です。教科担任は私ともう一人です。
男子生徒はごらんのようにパソコンが得意な生徒です。上記のBrailleSysのconfigを書いてくれたのは彼です。

女子の生徒も自宅でWIN98を使っています。最近インターネットを自宅でも使えるようになりました。

このときは、ネットワークにアクセスし電子図書館から本をダウンロードして読むということを試みました。

全盲生はダウンロードしたデータをディスクに保存し持ち帰り来週までに感想を書いてくることになっています。

指導に当たっているもう一人の教員が巧みなキー操作に思わず声をあげています。

その5 3年生の3人の弱視生徒が修学旅行のしおりづくりをしているところです。
1人欠席しているため2人が写っています。

その6 2年生の全盲の生徒が、昨年卒業した私のクラスの生徒のHTML形式で作った卒業文集をホームページリーダーで読んでいます。今回で2回目です。

WAVEで声がたくさん取り込んであるので、それを聞いています。

当の卒業生たちも今も時々聞いているそうです。

オンラインでWEBを閲覧するよい練習になっています。また、先輩たちの考えにふれることもできていいなと思います。

その7 数学の時間に重複の生徒が算数のソフトで勉強している様子です。

その8 重複の生徒がWINBESと音声読み上げ+点字ディスプレイを使用して練習をしています。打った文字が正しいかどうかを点字ディスプレイであとで確認しています。

その9 重複の全盲の生徒ふたりがDOS上の音声双六を楽しんでいます。
教科担当は私です。

はじめは教室においてある廃棄品のPC9801UVを使って「モジラタタキ」のテンキーをしてもらいました。

次回からは情報機器室へいって高原蘭堂さんがつくってくれた音声のゲームKEYBEE(キービー)などをしてみました。

生徒にとって情報機器室へはいるのは初めてだったと思います。
もしかするとキーボードに触れるのも初めてだったかもしれません。

同じ学級の他の生徒が別のところで情報の授業としてWINBESを練習していました。

私の授業の生徒たちはキービーの出すおもしろい音が気に入ってくれてとても楽しんでくれました。
まずは楽しんでもらえたので、授業は成功でした。

この時間が授業参観だったこともあります。全盲の生徒が2名のところ、保護者がご夫婦で4名いらしてくださって、とても盛況
でした。

コンピュータに親しもう
キーボードに親しもう

といったテーマで、高原蘭堂さんのつくられた「キービー」や「モジラたたき」をやりました。
「もじら」はテンキーを使うモードで行いました。

保護者の方たちから、こうしたことをやってもらってうれしい、という感想をいただきました。

家でもやるにはどうしたらいいかというようなことを聞かれたのですが、これらのソフトは9821上のものであって、AT互換機では動かないんですね。

WIN上でこうしたものを実現することが必要かもしれないですね・・・・
どなたか高原ソフトをWIN上再現することをしてくださる人はいないかな・・・

それともキービーのようなキーに音を貼り付けるソフトがWIN上にすでにあるかな・・・

さて、授業が終わったあとで、コンピュータは障害の重い生徒にも教具として有効なことがあることを保護者と廊下ではなしました。
肢体不自由養護での実践やなどを簡単に紹介しました。

先日大阪府立盲で紹介されていたテレビ会議を用いた遠隔読み聞かせ教室のことも話してさしあげました。

その10 私のクラスの全盲生徒の授業です。担当は私です。
生徒の希望でプログラミングを始める予定です。
本人はわたしからちょっと聞いたWSHをしたがっていましたが、プログラムがはじめてなので、Cの初歩をまず勉強してみようと言うことにしました。

しかし、98リーダーオンリーに近い生徒ですので、そのような環境でCをするにはいろいろ工夫が必要でした。大阪府立盲が中心になって行っているActiveというMLでいろいろたずね和田氏に教えていただきました。

98リーダーでどのようにすればC言語のソースを作り、コンパイルし、実行できるかを試みてきました。
フリーソフトの既存のWIN上の統合開発環境はどうも音声では使えないようでした。

1、LSIC試食版をLSI C-86(試食版)用 簡単設定 EZ_LCC Ver.1.0というのを利用して設定
2、ワードパッドなどでソースをつくる
3、「ファイル名を指定して実行」でコンパイル
4、同じく「ファイル名を指定して実行」で実行ファイルの実行。その際必要があればここでリダイレクションを書いておく。

以上のようにすると一応うまくいきました。

コンパイル時に開いたDOS窓の閉じ方がわからなかったので教えていただきました。

キー操作によるDOS窓の終了は、次の二つがあります。
1 コマンドプロンプトで exitと入力する。
2 Alt+space でメニューを出して閉じるを選択する。

さらに、コンパイル時の警告メッセージが標準出力されますが、読む方法もうかがいました。

98Readerのみのシステムでは、DOS窓の表示内容を確認するには画面の内容をクリップボードに送るといいとのことです。print screenキーを押して送れば、98Readerのクリップ読みをチェックしておけば読みますし、クリップボードの内容をメモ帳などに貼り付けて確認することもできると教えていただきました。

「ファイル名を指定して実行」でコンパイルするときに出力を適当なファイルにリダイレクションすることもできるということです。

これで授業の準備が整いました。和田さんありがとうございます!


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