三崎 吉剛 様
数学セミナー編集部から送られてきたメール
を読みました。早速授業でも
取り上げて下さったそうで、うれしく思います。メールの内容から大変
熱心に教育に当たられているようで、敬服いたしました。とても幸せ
な生徒たちですね。
さて、質問の件ですが、古バビロニア時代の2の平方根の計算法を直接
示す資料はありません(cf.p.83;室井)。従って推測ですが、昔から
私の書いた方法が最有力とされていました。室井さんもこの方法を
とっています(同所)。この夏室井さんに会って、私の論文の話をした
ところ、17の逆数の計算もしているし間違いないだろうとのことで
した。私のオリジナルは、一人目か二人目の「顕著な数学者」がその公式を
作ったのではないかという部分です。室井さんも面白がってくれま
した。恐らくアルキメデスにも匹敵するような大天才がその頃出現したの
ではないかというのが私の確信です。そして「結果的に」
ニュートン 法と
一致する公式を見つけたのではないでしょうか。
ところでバビロニアでは、掛け算表や逆数表の他に平方数表、
平方根表、立方根表などを使って計算したそうです。九九
ではすまず、59*59を覚えるのは大変だから、掛け算表は
必須。割り算は逆数を掛けて行ったので、必須でした(p.20-)。
そのほかに平方数表などは、1から60までの表だったそうです。
(p.23-)。ですから、いわゆる「ペル」方程式の解として求めるの
は少し無理だったと思われます。「連分数」については極めて
魅力的な推測ですね。もう少し考えて見たいと思います。
ただし、sqr(2)=[1;2,2,2,2,・・・]を知ってあの分数が出るので、
順序が逆のような気がします。
以上が私の根拠と推測です。いかがでしょうか?納得していた
だけたでしょうか。
なお、室井さんの「バビロニアの数学」は本当に立派な面白い本です。
三崎さんのような方には是非読んでいただきたいです。
直接3000年-4000年前の人達と対話しながら解読していくのは
実にスリリングです。断片に残された数字をたよりに、何の計算を
どのように実行し、どこで間違えたか、なんて解明して行きます。
そして、逆に述語の意味を確定していくのです。日常用語が数学
用語に転用されていますから、これは貴重な貢献です。
ノイゲバウエルを超える人が遂に、それも同時代の日本に現れたのです!!
素晴らしいことです。これからの活躍を大いに期待しています。
これからの三崎さんの活躍を祈っています。
9月21日夜
中村 滋