「バリアフリーと郵便貯金、郵便貯金ICカード実験、バランスリーダー」
− 大宮地区実験で店舗の新型端末とバランスリーダーを使ってみて −
(2000年9月28日)
長谷川貞夫
E-mail:
PBB00564@nifty.ne.jp
■1.はじめに
郵政省が埼玉県大宮地区で行なっている、「郵便貯金ICカードサービス実験」
(以下「大宮地区実験」)において、障害者を交えてバリアフリー実験を含めた形で
進めていることは誠に望ましいことです。
現在、郵政省が、視覚障害者に呼びかけて行なっている主な実験の目的は、キャッ
シュカードに付属しているIC内の「電子マネー」についての「買物履歴」、「残高
照会」などを表示する「バランスリーダーの音声化」と、「店舗に置かれる新型の
カード端末の音声化」が、その主なものです。
このように、視覚障害者を交えて、バリアフリーのバランスリーダーや新型の店舗
用端末の開発を続けることにより、バリアフリーの製品が完成するのに違いありませ
ん。
2000年から、大宮地区実験のICカードが、クレジット会社のカードとのジョ
イントになり、クレジット機能も含まれるようになりました。このことにより、バラ
ンスリーダーは、現在のICカードの残高照会、買物履歴などの確認だけでなく、今
後は、「郵便貯金口座の電子通帳化とその内容確認」、「クレジットの買物履歴」な
ども確認できるものに機能が拡張されるものと予想されます。ですから、現段階にお
いても各種の利用目的に応用できるよう、是非、このバランスリーダーなどの開発
を、最後まで続けていただきたいと思います。
優れたバランスリーダーの開発は、これからのIT(情報技術)時代において、他
の音声化を必要とする自治体などの公衆情報端末などにもよい影響を与えます。
本年8月7日に、郵政省で開かれた視覚障害関係者との会合で、実際に大宮地区の
買物で利用実験ができるバランスリーダーを紹介され、それを実験的に利用できる人
に渡されました。また店舗の新型端末も見せていただき、その端末で使う音声案内を
聞くための「耳掛け式イヤホン」も渡されました。
大宮地区で主に行なっている「バランスリーダーの音声化実験」と「店舗に置かれ
る新型端末の音声化」の開発は、前述の通り重要なことです。
しかし、郵便貯金を実際に利用して見て、「大宮地区実験全体」、「郵便貯金シス
テム全体」についても、バリアフリーの観点から、新ためて検討する必要があると考
えます。
以下は、「大宮地区実験全体」、「バランスリーダー」、「店舗の新型端末」、
「郵便貯金システム全体」について、実際の利用体験に基づき、気付いた範囲の一部
を述べるものです。この指摘が妥当と認めるなら、是非とも改善する必要がありま
す。
■2.大宮地区実験利用の実際
私は、大宮地区実験に、1998年より視覚障害者の立場で参加しました。その経
過とJ-Debit(日本デビットカード推進協議会)への影響などについては、文
末の「[参考]」にあります。
当初は、大宮地区実験において、視覚障害者がその実験対象ではないことがわかり
ました。
そこで、私は自主的に実験に参加したわけです。
そして、大宮地区で開始されている実験の問題点を指摘し、また他の視覚障害者に
も呼びかけ、大宮地区実験の参加者が増加しました。(*1)
それらの結果、1998年11月に、郵政省が視覚障害者を招き、「店舗に置かれ
る暗証番号入力用キー端末」についての意見を聴く会を持ちました。その時、郵政省
は視覚障害者側からの提案通り「店舗の端末を、視覚障害者が使いにくい、いわゆる
『電卓式キー配列』から、『便利な電話式キー配列』にします」と発表しました。
そして、既に大宮地区の各店舗に置かれている電卓式キー配列の端末について、と
りあえずの処置を決めました。
それは、次の予算が決まるまで、店舗における端末の電卓式キーにシールで「5」
キーに凸点を付け、また、「0」と「1」に、その数字がわかりやすい凸線を付ける
ことでした。この臨時的処置は2カ月後の1999年1月までに、全店舗の端末で実
施されました。この速やかな対応に感心いたしました。
次に、1999年4月からの予算が決まり、その7月に、店舗の端末におけるキー
が本格的改良で電話式キー配列のものに置き替わりました。このことが、2000年
3月6日から本格運用に入ったJ-Debitのバリアフリーに大きな影響を与えま
した。(*2)
また、2000年から大宮地区実験においては、郵便貯金ICカードとクレジット
会社との「ジョイントカード」も発行されるようになりました。
このようなカードの機能の変化に伴い当然実験内容も変化するわけです。
前にも触れましたが、大宮地区実験は、郵便貯金を含む金融業務とその買物システ
ムだけの問題でなく、IT革命による「電子政府」、「電子自治体」などの端末のあ
り方にも大きな影響を及ぼします。国民には、高齢者、障害者が多くいるのですか
ら、それらの端末が、国民のだれもが使えるバリアフリーのものでなければなりませ
ん。
総合的に言えば、金融、買物、鉄道の乗車券購入、行政の手続きなど、およそ数字
を入力するキーと、その入力結果の「訂正」、「確認」など共通に使用するキーの位
置を、各システムにおいてできるだけ同じにする必要があります。もちろん、各シス
テムにおいて、表示の音声化、拡大文字化を行ない、また必要な部分に、点字、拡大
文字、浮き出し文字を付けることも重要です。
当然、各システムの利用目的は異なるわけですから、その異なる部分については、
それぞれに固有なバリアフリーを配慮した機能キーを付ける必要があります。
以上を考えますと、大宮地区実験や、これまでの郵便局の1984年からのATM
などのバリアフリーにおける先進性は非常に大きな意味があります。そこで、視覚障
害者の一人として、実際に大宮地区実験の度々の体験から、細目についての具体的意
見を述べます。
■3.必要とする具体的改良点
(1)混乱を避けるため、電話式キーにおける「*」、「#」の位置の機能を、既に
普及している各種の他のシステムと共通にする
・ここで問題なのは、大宮地区実験の店舗に置かれた最新型端末についてです。
この電話式キーの数字「0〜9」までの10個についてはよいのですが、JR東日
本や都営地下鉄大江戸線のタッチパネル式自動券売機付属のテンキー、J-Debi
tの店舗用端末と同じように、「*」を「訂正」、「#」を「確認」にしていただき
たいのです。
大宮地区実験における最新の端末には、「0」キーの段の下にもう1段3個のキー
があります。
そして、「0」キーの左右の「*」、「#」キーは未使用のようです。
また、「0」の下段における3個のキーについては、左が「取消」、中央が「訂
正」、右が「実行」となっています。
また、「取消」、「実行」のキーの手前にだけ、それぞれに点字で、「いいえ」、
「はい」と表示があります。もちろん、点字があるのはよいことです。
視覚障害者の立場から言えば、この「取消」、「実行」キーを、J-Debitな
どの端末と同じに電話の「*」、「#」の位置にしていただきたいのです。
この場合、「取消」、「実行」などの言葉には、必ずしもこだわりません。
参考までに述べますと、J-Debitの第1フェーズにおける店舗の端末のキー
があまりにも不統一でした。また、視覚障害者が全く使えないタッチパネル画面で暗
証番号を入力するものさえありました。このように、J-Debitの第1フェーズ
では、バリアフリーの配慮が全然ありませんでした。
そこで、視覚障害者側から、大宮地区実験の電話式キー配列端末を参考にするよう
に求めました。
その結果、J-Debitは本年3月6日の第2フェーズから電話式キー配列に統
一し、既に12万端末が全国に普及しています。また、キー操作の際に、キーを押す
ごとに、「ピッ・ピッ」というアクセス音が聞こえ、キー操作が視覚障害者に確認で
きるバリアフリーの機能などを追加しました。
以上のことから、J-Dbitにおける店舗のバリアフリーのキー端末は、大宮地
区実験に由来しているのです。
従って、他のシステムとも共通にするために、今度は大宮地区実験側が、電話式
キーの数字以外のキーである電話の「*」を「訂正」、「#」を「確定」にして、他
のシステムと共通にする必要があります。
そうしないと、店舗の端末のバリアフリーがせっかく大宮地区実験から始まったの
に、視覚障害の利用者が、端末のキーパッドを前にして、大宮地区では、かえって混
乱することになります。
特に、大宮地区実験で、利用者がJ-Debitも使うようになった場合、同じ
「ジョイント端末」でありながら、電子マネー、クレジット、デビットでキー操作が
異なることになります。これは、システムとして大きな矛盾になります。大宮地区実
験として、この矛盾を事前に避ける必要があります。
(2)暗証番号を入力する前に支払い金額を音声表示させる
大宮地区実験において、店舗でこれからICカードで支払おうとする金額を、音声
で表示していただきたいと提案してきました。そして本年8月7日の郵政省での会合
で、店舗の新型端末では、耳掛け式イヤホンにより音声による支払い金額確認が可能
と聞きました。また、その新型端末を見せていただきました。
早速8月10日に大宮へ行き、クレジット払いとICカード払いで同機を耳掛け式
イヤホンで使用してみました。
結果は良好でした。初めはクレジット払いを試しました。イヤホンを耳にして端末
に向いカードを自分で操入しました。すると暗証番号入力を求める音声案内がありま
した。暗証番号を入力すると、支払い金額の確認の音声がありました。「はい」の
キーでクレジットによる買物の手続きが終了しました。
電子マネーによる買物の支払いも、クレジットとほぼ同じですが、買物の金額確認
の前にICの金額残高を音声表示してくれました。
大宮地区実験とは異なりますが、J-Debitに対し、端末で支払い金額の表示
を求めてきましたが、それは、同システムの第2フェーズにおいて実現されていませ
ん。
この点については大宮地区実験が優れていると思います。
(3)音声化されたバランスリーダーについて
バランスリーダーについては、1999年より、その開発中の見本が提示され、視
覚障害者の意見が求められてきました。
その結果改良されたものが、前記の会合で店舗の新型端末とともに紹介されまし
た。
その改良結果を見ると、音声表示のわかりやすさなどはかなり良くなりました。し
かし、改良点はまだあります。
・バランスリーダーには、イヤホンが使えるようにするのが必須です。
これは、 家で使用することを前提として作られているとのことです。そのため、
スピーカーの音量が小さいです。
確かに家の中でなら使えます。しかし、買物の途中で財布の残金を確認することが
あるように、ICカードによる買物で、残金をバランスリーダ
ーで確認する必要もあります。健常者なら液晶ディスプレイを見て、どこででもバラ
ンスリーダーが使えます。視覚障害者もそのような使い方をしたいのです。そうする
ことがバリアフリーなのです。それには小型のイヤホンを付ければよいわけです。
今のバランスリーダーの音量では、店内などの騒音中では、ほとんど聞き取れませ
ん。そのため、人中でバランスリーダーにカードを入れ、スピーカーに直接耳を着け
ながらキーを操作することになります。これは、想像するのに異様な姿です。また、
人中でカードを見せながら、バランスリーダーの操作を行なうのは防犯上好ましくあ
りません。イヤホンを耳に入れれば、カードを他人に見られずに服のポケットやハン
ドバックの中で操作できます。
・バランスリーダーにおける数字だけのキー配列は電話式ですが、電話式と異なり、
「0」の左右にはキーがありません。その代り、「確認」(入力)、「戻る」(取
消)のキーが、数字キーの右側に、縦に付いています。この2個のキーをそれぞれ、
「0」キーの右と左に移せば完全に電話式キー配列になります。こうすれば、電話の
キー配列と完全に同じになり、新たにバランスリーダーのキーの位置とその意味を覚
える必要がありません。
(4)ジョイントカードになっても郵便貯金カードの点字による名前を残す
郵便貯金のキャッシュカードがクレジットカードと共用になりました。私もその
ジョイントカードに切り替えました。その時点で新しい問題に気が付きました。
・郵便貯金のキャッシュカードには、以前からカードに点字で所有者の名前が書かれ
ていました。
それが郵便貯金ICカードへも引き継がれました。個人が多数のカードを持つ今
日、カードを点字で区別できるのは非常に便利なことです。
ところが、郵便貯金のICカードがクレジットカードとジョイントになり、この点
字の名前が消えてしまいました。
バリアフリーを進めなければならない時代に、これは明らかに後退です。恐らく郵
便貯金のキャッシュカードを、クレジットカードの形式に合わせると、こうせざるを
得ないのかとも思います。しかし、せっかくのバリアフリーの後退では困ります。
これは時代の逆行です。何らかの方法で、カードに点字による個人名を入れて下さ
い。最低限、郵便貯金とクレジットのジョイントカードであることがわかる触覚的
マークを入れて下さい。
もし、健常者が、何の文字やマークも書かれていない同形のカードを何枚も持って
いたとしたら、それら何枚ものカードをどのように区別するのでしょうか。きっと
ボールペンなどで印を付けることになるでしょう。視覚障害者の場合、現在のカード
の文字やマークが見えず、そして、カードに点字でメモを貼ることは、固く禁止され
ています。
(5)電子マネー、デビット、クレジットの支払い方法の選択
1998年の大宮実験以後、2000年からは、郵便貯金ICカードが、クレジッ
トとのジョイントカードも可能になりました。
また、J-Debitも2000年3月6日より、第2フェーズによる本格的な運
用を開始しました。近い将来、大宮地区の店舗もJ-Debitに参加することが予
想されます。
・この場合、端末の上で、利用者が「電子マネー」、「デビット」、「クレジット」
のいずれかで支払うかを選ばなければなりません。そこで、視覚障害者もその選択が
できる方法を確立しておく必要があります。
・第1の方法は、電話式キーの他にキーを増加せず、この12個の範囲で、支払い方
法の選択を可能にすることです。
例えば、「0」キーと左隣の「*」キーを同時に押します。隣合っているキーです
から2本の指で押しやすいです。
これで「支払い方法選択モード」に入ります。
このモードで「1」「電子マネー」、「2」「デビット」、「3」「クレジット」
などのように選択します。
電話式12個のキー範囲で操作する方法は、ほかにもいろいろと考えられます。
12個のほかに端末のキーを増やさないで済むというメリットがあります。この方
法は、端末の小型化と製造費の低減になります。また、ソフトウェアにより、いろい
ろな拡張方法が可能です。
・第2の方法は、電話式キーの他にキーを増加する方法です。この場合、高齢者や視
覚障害者にわかりやすいキーの区別が必要です。
例えば、各キーの形状、大きさ、色彩、触覚的区別、わかりやすい大きな文字表示
などです。
そのキー形式は、大宮地区実験と関係のない、他のシステムとも共通にする必要が
あります。
わかりやすく言えば、交通信号の「赤」、「青」の意味が各都市で異なったら大変
なことになるのと同じです。交通事故ほど生命や身体的危険は、直接にはありません
が、日常生活で、不便なく買物などの支払いができることは極めて重要なことです。
(6)郵便貯金口座とICカードの「保留」、「戻し入れ」案内が必要
大宮地区実験には、自分の口座からICカードに5万円まで移す、「保留」、逆に
口座に戻す「戻し入れ」の機能があります。
この「保留」、「戻し入れ」については音声案内があります。
しかし、ATMを前にして、その肝心な「保留」、「戻し入れ」の操作に到達する
ための何の音声案内などもないのです。
最初タッチパネルの左縦にある4個のボタンの一番下を押します。ボタンの左に手
書きで「IC」と書いているようですが、見えないので分かりません。次に下から3番
目のボタンを押してはじめて、「保留」、「戻し入れ」の画面になり、音声でここか
ら案内します。
・この「保留」、「戻し入れ」の手続きまでの音声案内と、キーの点字表示が是非と
も必要です。
そうでないと、視覚障害者は最初でつまずいてICカードが一人では使えません。
(7)提携銀行の相互利用機能を視覚障害者が使いやすくする
これは大宮地区実験だけでなく、全国の郵便局と銀行で共通な問題です。
郵政省が他の民間金融機関と提携し、郵便局のATMで民間銀行などと相互に預金
の引き下しなどができるようになりました。これが利用できれば便利になります。
しかし、視覚障害者には、この提携銀行利用が非常に不便なのです。それには二つ
の問題があります。
・第1の問題は、郵便局のATMを、視覚障害者が郵便貯金口座については、振替機
能などを除き、ほぼ便利に利用できます。しかし、提携銀行利用については、提携先
の銀行のATMに比べ、使用法が不便であり、また機能が足りません。
・第2は、一般に銀行には、視覚障害者の利用できるバリアフリーのATMの数が2
パーセント程度と極端に少ないのです。この少なさでは、偶然にその銀行の近くに住
まない限り、残る98パーセントの視覚障害者は、事実上自分で銀行のATMが使え
ません。
そのようなことですので、私の家からは10数キロと遠いのですが、提携銀行の一
つであるあさひ銀行の大塚支店(東京都豊島区)までわざわざ行き、そのバリアフ
リーのATMの機能を確かめてみました。
あさひ銀行は、埼玉県と東京都内を含めて数カ所にバリアフリーのATMがありま
す。これは、あさひ銀行全体のATM数から言えば少ないですが、他の銀行も、ほぼ
同様です。
あさひ銀行に行ったのは、同銀行が郵便貯金との提携銀行であり、また私がその
カードを持っていたからです。あさひ銀行の行員の応待は、ATMまでの案内など非
常に親切でした。
民間金融機関における その数少いATMで確めたところ、そのATM機能は郵便
局のATMより優れていることがわかりました。他の銀行を確かめたわけではありま
せんから、これは、あさひ銀行に限るのかもしれません。
・前述の通り、郵便局のATMで郵便貯金の利用は視覚障害者にも制限付きで可能で
す。しかし、郵便局からの提携銀行の利用については非常に不便です。
・具体的に述べますと、ATMの「提携銀行利用」の音声案内と「キーの点字表示」
がありません。
健常者に助けられ、ディスプレイ左側に縦に並ぶキーを下から順に2個押します。
その後は、郵便貯金と同じに「引き下ろし」ができます。
ただし、「引き下ろし」の後の残高を伝える音声がありません。郵便貯金の「引き
下ろし」なら、「引き下ろし」後、残高を伝える音声があります。
また、単に「残高照会」の操作を行なっても、提携銀行口座については、音声によ
る「残高照会」の応答がありません。
この場合、「引き下ろし」、「残高照会」にしても、印刷による伝票は出てくるの
です。視覚障害者には、これは読めません。「残高」の数字が印刷できるのですか
ら、その元のデータを音声化できるものと考えます。
・バリアフリーについて、郵便局のATMに比べ、銀行からの郵便貯金に対する提携
機能の方が優れています。
これは、私が試したあさひ銀行だけかも知れませんが。
例えば、「あさひ銀行」大塚支店で郵便貯金のカードを使った場合、ATMの受話
機を用い音声を聞きながら、その受話機付属の電話式数字キー(ハンドセット)です
べての操作ができます。
キーの「1」が「引き下ろし」、「2」が「預け入れ」、「3」が「残高照会」に
なっています。「引き下ろし」の後は、残高を音声案内します。
・郵政省が民間金融機関と提携するなら、郵便局のATM機能のバリアフリー機能
を、民間金融機関のものと同じレベルにして下さい。
また、民間金融機関と提携する場合、そのATMを必ずバリアフリーにすることを
条件にして下さい。
このままでは、これまでのバリアフリーが後退する事になります。
■4.おわりに
郵政省の郵便貯金の情報端末については、まだCDやATMが珍しい、1984年
の導入時から視覚障害者の使えるバリアフリーの機種が設置されてきました。これ
は、他のシステムの模範となるものでした。また、大宮地区の実験とその改良結果
は、本年3月6日からの大規模なJ-Debitの第2フェーズにおける約12万の
店舗の端末に反映されました(*3)。
このように障害者のバリアフリーについて大きな実績のある郵政省ですから、今後
も一層バリアフリーの行政を行なってほしいと思います。
特にICカードについては、今年中にも統一規準が決まり、2002年からは、郵
便貯金と民間金融機関のICカードが共通になり提携しやすくなるとも聞きます。
このような改革期こそ、郵政省が中心となり、どこでも、だれでも利用できるバリ
アフリーの端末を有するシステムを構築していただきたいと願います。
[参考]
(*1)
長谷川貞夫:電子マネー社会における視覚障害者対策の重要性とその緊急性」
−買物ごとにレジで毎回店員にカードの暗証番号を教えなければならない危険! −
(1998年9月30日版)
(http://member.nifty.ne.jp/ymisaki/)
(*2) 長谷川貞夫:『「J-デビット」は、このままでは視覚障害者の大きなバリアに
なる』
−郵政省の「郵便貯金ICカードサービス」実験に学んで下さい−
(1999年2月4日版)
(http://member.nifty.ne.jp/ymisaki/)
(*3)長谷川貞夫:「視覚障害者のために改善されたデビットカード」
−
だが、なお端末の金額表示と暗証番号一致応答が必要
−
(2000年3月13日版)
(http://member.nifty.ne.jp/ymisaki/)