(2000年8月2日3日全日本盲学校教育研究大会算数・数学分科会発表予定資料)
私の数学授業日誌より 盲学校数学教育の問題点と解決策への提案
東京都立八王子盲学校 三崎吉剛
1、一般教育における教材教具の活用
数列の導入授業から
数学の(検定)教科書は限られたことしか記述していないので、このなかから生徒の興味関心を引き出すのは一般に難しい。一般の学校では様々な教材が導入されている。特に高等学校段階では学力の差が学校によって広がっていることと、数学への興味関心が萎えてしまっているために、教科書をそのまま使用することは不可能である学級が多いため教材の研究が活発なことがある。
写真1
盲学校においては、生徒たちの視覚による
学習の障害を乗り越え、数学への興味を再び持ってもらうために、一般教育における教材教具の活用から多くを学べることがある。
例として数列の導入時への「ハノイの塔」(写真1)の教材教具としての活用を紹介してみたい。ネットワーク上ではhttp://www.nikonet.or.jp/spring/hanoi/hanoi.htmに岡部一良氏による
『高校での「わかる」授業の取り組み数列の導入教具としての「ハノイの塔(ディスクピラミッド)」を用いた試み』というものがある。
(「数学のいずみ」(北海道算数・数学教育会高等学校部会研究
http://www.nikonet.or.jp/spring/)
視覚障害をもつ生徒のための工夫として、木製の市販のハノイの塔を使ってみたり、音声読上げソフトを使用できるハノイの塔のソフトを使用したりしてみた。
以下にインターネット上の視覚障害リハビリテーションネットワークメーリングリスト(jarviML)に書いたものから授業の様子を紹介してみる。
数列の導入の授業日誌から
5月9日「64枚のハノイの塔」
金曜日は高等部普通科の遠足がありました。そのとき帰りのバスのなかで私のクラスのある生徒が「先生は64枚のハノイの塔の回数を計算したことありますか?」というようなことを聞いてきました。
ところで、このハノイの塔とは、
(ケイデッシュ著「手づくりの数学」河出書房新社p37より)
ベナレスの大神殿のなか・・・世界の中心を示すドームの下に、一枚の真鍮の板がある。その板には、高さ1キュービット、太さがミツバチの胴ほどのダイヤモンドの針が3本しっかりと立っている。天地創造のとき、神様は、それらの針の1本に64枚の純金の円盤を積み重ねてお刺しになった。円盤は、一番大きいのが真鍮の板のすぐ上にあって、上にいくにしたがって順順に小さくなる。これがバラモンの塔である。絶対不変のブラーマの掟にしたがって、坊さんたちは明けても暮れてもうまずたゆまず円盤を一本のダイヤモンドの針から別の針へと移し替える。その掟では、役目にあたった坊さんは1回に一枚しか動かしてはいけないということ、および、別の針に移したとき、その円盤の下にそれより小さい円盤があってはいけないということが決められている。こうして64枚の円盤が、天地創造のとき神様がお置きになった針から別の針にすっかり移し替えられたとき、塔も神殿も坊さんもことごとくこっぱみじんに砕け去り、雷鳴とともに世界は消え失せるであろう。
引用ここまで
というものです。
数学の授業で3,4,5枚のときの場合を実際に紙で作ったもので行い、4枚の時の回数をもとに5枚の時の回数を求める方法を勉強しました。さらにVDMに対応するパソコンのソフトでもやりました。(これは「お山の引越し」という名前のものです。)
よく聞いてみると彼は3日かかって64枚の回数を計算をしたのだそうです!一日3時間くらいといっていました。そろばんに数をおいて点字でメモをとりながら計算したそうです。
生徒は「移動が終わると世界が終わるというのはどういうことでしょうか」といっていました。そこで、「1秒で一枚移動できるとしてどのくらい時間がかかるか計算してみたら」と話しました。
ハノイの塔を実際に遊ぶには大きさの異なる本を3冊用意して、下から大中小と重ねこれを机の上に3つの場所があると想定して上記のルールに従い移動させるとできます。普通高校などではわら半紙を半分半分・・・と切っていって重ねて教具としています。
3枚の時の最小移動回数は7回です。4枚ではどうでしょう。5枚ではどうでしょう。そして64枚では?
5月9日「お山のひっこし」
>
三崎さんのお話しした、塔をを山として
>
「おやまのひっこし」というゲームがあります。
>
内容は三崎さんの説明されたものとほとんど同じ
> です。
これはまったく同じ「ハノイの塔」です。
>
三つのレベルがあって、ひとつは四つのブロック
> の移動。上から >
a.B.C.D.とあって他の場所に移動します。
>
ふたつ目のレベルは八つのブロックの移動です。
このソフトは授業でも使っています。8つの円盤の移動をある生徒が完遂しました。このソフトは一度移動したら「まった」がかけられませんので、手数を最小にするため一度もミスはゆるされません。
今朝紹介した生徒とは違う生徒ですが、ある生徒が授業のなかでやりとげました。その生徒いわく「三崎先生は8枚の移動をやったことあるの?」と聞かれました。私いわく「やってません・・・」
私はその生徒の学級担任に8枚を完遂したことを報告しました。担任は数学科ですので、「すごい!」と感動してくれました。
2、数列の和のための教材・教具
一般の数学の教材では視覚にうったえるモデルをよく使用します。
Roger B. Nelsen 「PROOF WITHOUT WORDS」MAAや
John H. Conway & Richard K. Guy 「THE BOOK OF Numbers 」
Springer-Verlag
をみると楽しい例がたくさん出ています。
しかしこうしたものを授業に使用したくても、図の理解は多くの場合全盲の生徒にとってはそれがひとつの壁となります。
そこで、数列の和のモデルとして盲人用オセロを使用してみました。これが一般の学校における「図」に代わる働きをすることがあることが分かりました。
数列の和の授業日誌より
6月20日「数列の和の学習にオセロを使う」
昨日(6月19日)の数学の授業の様子です。
1年生2名と1年生1名からなるグループで点字1名、墨字2名の構成です。朝、小学部の教材から小さな木製の立方体の教材がたくさん入った箱を三つ借りました。これは、たぶん、算数の数え棒のような教材ではないかと思います。
授業の始まる前にある英語の教員にそれでなにをするのか?と聞かれました。
今日は12 +22 +32 +42という「級数」(という言葉は教科書にないですが)を学習するので、はじめに実際にブロックを積み上げてイメージをつかんでもらおうと思うと話しました。教科書では「いろいろな数列の和」というところです。
これはキャノンボール問題とかいうもので大砲の弾の積み上げの問題のようですし、また別の本ではピラミッドの問題ともありました。正方形の底面をもつピラミッドの積み上げられた石の総数を求める問題でもあるようです。
授業では、3段の積み上げを実際にしました。上に積み上げると崩れるので横においていきました。
写真2

そのあとでピラミッド数という言葉を教えて p
1=12 p2=12+22 p
3=12+22+32
などというものを確認した後に晴盲両用オセロを2台用意して、オセロ盤に駒を並べて今のものを再現しました。上に積み上げるのではなくp3であれば、3×3の正方形に駒を並べその隣に2×2を並べさらに1×1を並べるといったようにしました。
3×3や2×2などという数はオセロの駒で実現すると正方形の形になりますので、正方形数、四角数などと呼ばれています。
同じくオセロを使って、12 ,22 ,32などという正方形数をグノモンに分解しました。グノモンもある図形数です。次回に紹介します。
6月20日「グノモン」
今学期の初めの方で、すでに生徒にはグノモンを紹介してあります。グノモンとは語源的には「曲尺」のことなんだそうで、オセロ盤でいうとL字の形に駒を置いたものです。ただし、L字の底辺と高さは等しくなるようにします。
たとえば、3×3の正方形に置いたときに一番左の縦一列と一番下の横一列で駒数5のグノモンができます。2×2の時には、左の一列と底辺の一列で駒数3のグノモンが出来ます。1×1のときは駒数1のグノモンです。
こうしてみると、グノモンは1、3、5、7、・・・となることがわかります。
またおもしろいことに、グノモンを小さいほうから足していくと正方形の形ができます。1のグノモンと3のグノモンで2×2の正方形ができます。3のグノモンのL字型の隙間に1のグノモンが収まり正方形になるわけです。1と3と5のグノモンでは3×3の正方形です。これは、5のグノモンの隙間に1と3のグノモンで出来た正方形数がおさまり、正方形ができるというわけです。
こうしたことは、教科書的にいえば奇数を連続して足すと平方数となる、ということなんですけど、図形数としてみると生徒はおもしろがってくれます。こうしたものもマグネットつきのオセロ盤を使って学習しました。
まず、p4=12+22+32+42 を並べたものをそれぞれの正方形をグノモンの形が分かるように並べました。(写真2)p4は1のグノモン4つと3のグノモン3つと5のグノモン2つと7のグノモン一つの和でもあったのです。
写真3
さらに、写真3のようにこれらを並べかえてべてみることをしました。
一番手前にグノモンの形をくずしてその駒7を横に並べます。
その次の列に5のグノモンをやはり形をくずし、2列そろえてセンターと「一階」の中央と一致するように並べます。これで3階だてです。
さらにその上に3のグノモンを3つ並べます。1の駒は3個並んだ下の駒の真中に縦に並べていきます。
すると塔のような形ができますね。全部で1+2+3+4で10階だてです。
授業では、次に、裏返ししたオセロの駒を一階の左右に一個づつ置きます。次に、2階と3階の脇に2*2の四角数を左右にひとつ置きます。さらに4,5,6階の左右の脇に3×3の正方形数をおくことができます。そして、7階から10階の両側に4×4の正方形を並べます。すると底辺が9で高さが10の長方形が出現します。(写真4)
弱視の生徒は先ほどの塔の両側に正方形数が並びそれがふたつのp4であることに気がつき、声をあげていました。全盲の生徒は手で触りやはり「ほーっ」と言っていました。
私はこの声を聞いて、「おお、この授業は成功だ!しめしめ」と思ったのです。
写真4
そして p4=12+22+32+42は先ほどの長方形9×10を3で割ればいいことが以上から明らかになったのです。
授業では、同じ事が他のピラミッド数でも可能かどうかオセロを並べ検証しました。
さらに、p100ではどうなるか、など推理し頭の中でオセロ盤をつくり並べることをしました。
以上で30分くらいだったと思います。
3、全盲の生徒への数式処理の道具としてのコンピュータの可能性
全盲の生徒は、筆算を晴眼の生徒と同様にこなすことが出来ないため、算盤や暗算の訓練を行ってきた。しかし、中学や高等学校の数学の教材では文字式、関数、微積分などが出現しそのような手段だけでは助けにならなくなり、多くの全盲の生徒にとっては大きな困難が生じます。そこで、以前からコンピュータの支援がありえないか検討してきました。
最近outSPOKENという読上げソフトの日本語版が市販されこれが、文字式や微積分などをこなす数式処理ソフトやプログラミング言語を読上げることがわかりました。早速授業でためしてみました。
再び授業日誌から抜粋します。
10月31日 「(仮称)十進BASIC+outSPOKENによる素因数分解」
明後日から八王子盲の文化祭です。で、土曜日は2時間目以外は文化祭の準備でした。
その2時間目の数学の授業では、outSPOKENで(仮称)十進BASICを操作し、素因数分解をしてもらいました。
弱視の生徒はスクリーンリーダーなしです。何回か紹介した数式処理言語RISAを使っている授業の生徒たちです。
(仮称)十進BASICはフリーソフトでhttp://hp.vector.co.jp/authors/VA008683/から最新版を入手できます。数学の計算などに威力を発揮するように桁数の大きな計算が正確にできます。JISFull
BASIC規格に準拠した問題解決指向のBASIC言語処理系です。
以前数学の授業でUBASICというDOS上の数学計算向きのフリーのBASICを使ってみたことがあるのですが、VDMではうまく読めなかったのです。
でもこのWIN上の(仮称)十進BASICはoutSPOKENでしっかりと読めていました。
授業ではまず、私が(仮称)十進BASICにサンプルとしてついてくる素因数分解のプログラムを呼び出しました。
以下、outSPOKENで行った操作を書いて見ます。結構面倒ですが、でも出来るということがうれしいです。
生徒は1、2回私とやってあとはほとんど自分でやっていました。
テンキーの8の上の/キーを押すと読上げのポインタがそのプログラムの書いてあるウィンドウの上部枠内のメニューバーのところへ移動します。メニューバーは上下に2段になっていてますので、上の段へテンキーの8のキーで移動します。
さらに、そのバーのなかを右横方向にテンキー6で移動し、実行ということろでクリックに相当するテンキー5を押してプルダウンメニューを開示します。
テンキー2のキーでその中を下におり、実行のところでテンキー5を押すのです。
すると、素因数分解プログラムが起動し、数値入力のウィンドウが手前に開きます。
入力のカーソルと「擬似」ポインタはそちらへ移動しています。必要な数値をキーボードから入力して、テンキー6でOKボタンへ移動しテンキー5を押します。
これで素因数分解が開始されます。
結果は、また別のウィンドウにでますので、これを読上げます。
次の数値入力のために、この結果ウィンドウを/キーとテンキーを使いとじ、プログラムウィンドウに移行し、最初の動作を繰り返します。
弱視の生徒も全盲の生徒も、やがてなれてくるとオーバーフローになるような大きな数値をいれてためしていました。
複数のウィンドウが開くソフトですので、使えるかなと一時は思いましたが、生徒の使用している状態をみていて大丈夫だと思いました。
さて、上のoutSPOKENの操作は最適なものかはわかりません。試行錯誤でやっている操作です。
/キーの意味もその時間に発見しました。もっとうまい操作方がありましたらおしえてください。
FEPのウィンドウが手前にあるときは、/キーを押すとそこへいってしまうようですが・・・
11月8日「outSPOKEN製品版到着」
先週末にoutSPOKEN製品版がとどきました。これで「これはデモバージョンです。」というアナウンスから解放されます。いやそれ以上に詳しい墨字マニュアルがついて来たのでうれしいです。
今日は、理療科の生徒の統計の授業で、(仮称)十進BASICを使って確率の問題をシミュレーションしました。
n人いたときの同じ誕生日を持つ人がいる確率という問題です。すでに、歴代総理大臣の生年月日を使用して「実験」をしたり計算で求めたりしていますので復習になります。(この確率はとても意外なものです!)
さて、(仮称)十進BASICにはこのシミュレーションのサンプルプログラムがあるのでこれで、人数をいれて確率を算出しました。
なれてきたら、確率を0.1刻みになるような人数を推測して求めノートにメモをしてもらいました。
おもしろがってくれました。全盲の生徒もoutSPOKENになれてきたようです。
今日の理療科の生徒にしろ普通科の生徒にしても、習熟がとても早いです。
4、素数の自習課題から
私の授業では、授業の内容と関係して数学の話題を取り上げます。特に初等整数論に関わる話題は、生徒自身が実験できることがあるのでおもしろいです。
以下のものはそうした話題に触発された生徒たちの数学をしている様子です。
授業日誌からごらんください。
5月26日 「関視研出張のための課題からの発展」
先週の金曜日は山梨県立盲学校にての関東地区視覚障害教育研究大会に参会していました。ですから、授業は自習課題をだしてありました。
数学のあるグループにはエラトステネスの篩により素数を選び出すことを課題としてだしました。
昨日授業で500番目までの素数の表(点字と墨字)をわたしながら素数の話をしました。
素数にはいろいろあり、4で割ると1余る素数はふたつの平方数の和に一意的に表すことができる・・・といった話です。
たとえば
5=22+12
13=32+22
などです。 それでこの4で割って1余る素数ともう一方の4で割って3余る素数の分布の話もしました。
両者の数を比較すると第2946番目の素数まで4で割って3あまるものがリードを続けるのです。
それで第2946番目の素数は26861であり、これが確かに4で割って1余ることを生徒に確かめさせました。
生徒にこれもふたつの平方数の和になるのだけど、こんな大きな数では確かめるのは大変かもしれない・・・ということをいいました。
生徒は、やってくる!といっていました。
たいへんかもしれないから、やらなくていい!といったんですが・・・
まさかとは思ったのですが今日の授業では電卓や(盲人用)そろばん、そして頭脳を使って深夜まで計算してもとめてきていました。
うまく計算すると20分くらいででることもあるようで、同僚の社会の教員が昼食の時に生徒のこの話題を聞いて職員室で計算して答えをだしていました。
でも、生徒たちはずいぶん時間をかけたようです。
今日は生徒の知的好奇心にとても感動して、数論の未解決問題の「ゴールドバッハの予想」や「双子素数」の話をしてしまいました。
それから昨日の昼休みに計算した社会の教員は、解の一意性に興味をもったようでした。
9月18日「生徒の発見の発見」2学期の授業
昨日の数学の授業のことです。普通科の私の数学のグループでは、1学期の数列に続き2学期は「場合の数」といわれる分野に入りました。数学では「離散数学」と呼ばれる分野として接続されています。
しばらく「導入」で教科書を離れていました。数学者がいう「鳩の巣原理」にもとづく問題をやっていました。今日はじめて教科書にはいりました。
「問題が3問あり、それぞれに、まるかばつをつけるとそのつけ方はどれくらいあるか?」といった例題をやりました。
1問だけならまるの場合とばつの場合で2通り、2問ならば、まるまる、まるばつ、ばつまる、ばつばつ、の4通りといった具合に枚挙してといていました。
1問のとき2、2問のとき4、3問のとき8、4問のとき16といった場合を枚挙して挙げていって、5問のときはいくつになるか予想してもらいました。それぞれ倍倍になっていくので32ということでした。
これを説明して、今度はそれでは20のときはいくつかな?と質問しました。
生徒たちは(といっても3人だけですが)これに挑戦していました。
ある全盲の生徒はそろばんを出して、ある弱視の生徒は電卓でやっていました。2倍の計算をしていったのです。
やがて、1048576通りという答えを二人の弱視生徒が出しました。そろばんの全盲生は、電卓でずるい!といっていましたが、電卓を使っていたのは実は一人だけでした。他の一人の弱視生徒が、私は使っていない!といって自分のやった方法を説明しました。
その生徒は、2問のとき4、4問のとき16をみて2問のときの場合の数をかけ合わせると4問のときの数になることに気がつき、8問のときの数256が4問のときの数16と16の積であることに気がつき樹形図というものでそれを証明したのでした。
4問+4問=8問ですが、4問のときの場合の数256を256×256とすると今度は8問のときの場合の数になることを見つけたのです。
それで10のときの10241をふたつかけ合わせ1048576を求めたのでした。
つまり10問+10問=20問のとき、10241と10241のかけた結果は20問のときの場合の数になるというわけです。
私は、生徒の素敵な発見を発見したのでうれしくなりました。授業はこうした予想外のことがあるからやめられないですね。そのあとこれに関連した対数の発見の話をしてしまいました。
帰る途中、志賀浩二著「数の大航海 対数の誕生と広がり」という本を買いました。これは最近出版された本で上記の生徒の「発見」したことなどを歴史的に書いているものです。本によれば、等差数列と等比数列の比較からかけ算を足し算に直すことができるということが16世紀のヨーロッパで広くしられていまいした。
0 1 2 3 4 5 6 7 8・・・という初項が0で公差が1の等差数列と1 2 4 8 16 32 64 128 256・・・という初項が1で公比が2の等比数列を比較するのです。するとたとえばはじめの等差数列で3項目の2と6項目の5を足すと8になりますが、対応する等比数列の3項目は4であり、6項目は32ですが、4と32をかけた答えは128であり、等比数列の8項目の値になっているのです。
乗法を加法を利用して計算できることが可能なのです。しかし、等比数列は2項目の2と3項目の4の間の3に対応する等差数列の値がないです。
そこで、ネピアという人が等比数列の3などの対応する等差数列に相当する数を新たに発見したのです。かれはそれをロゴスの数(すなわち目に見えない理想の数)となづけたのです。これによって数学ではlogという記法が使われるようになったそうです。なぜ対数のことをlogと書くのか知らなかったのですが、こうした背景があったのですね。今日の授業で上記の本を少し読んであげました。
5、「数式の音声読上げ」「HTMLと数式表現」についての検討資料
World Wide Web Consortium(W3C)「Mathematical Markup
Language(MathML)」
http//watch.impress.co.jp/internet/www/article/980225/mathml.htm
「Speeking of Mathematics」
http://www.cs.cornell.edu/home/raman/