不可睡眠?                          ――眠っちゃダメ?


ああ・・やば・・。すっげぇキモチイイ、ネムイ・・。からだ、溶けそう・・。疲れた・・。

これってヤバイ・・。

いま、触れられたらなんでもオッケーか、も・・。

「・・イ、ブキ。おまえは寝るな・・」

オマエのせいなんだから当たり前だろ。

 

「あの、カルノ・・どういう意味かな」

たしかにここまで興奮しきっちゃってると俺しばらくは眠れそうにないよ。

『・・イ、ブキ。おまえは寝るな・・』

でも寝るなって??ずっと?・・一緒に寝るなってことだったら少し悲しい。いつもした後は一緒に寝てるんだけど。

「そうじゃないよな・・あ、なるほど」

チカラを込めて見る。目が熱く、潤む。

花に引き寄せられる蟲のように、小さな異形が飛び込んでくる。いつものカルノにこんな小さなものが近寄れるはずないんだけど。今は、弾かれない。

ご馳走を前にくるくる踊るようにカルノの廻りを光る蟲が舞う。

カルノが引き寄せているわけでもないだろうけど。

食虫花に食べられるムシが自分から嬉々として落ちていくみたいに。

・・このまま食べてもカルノにはそう影響ないだろうけど、なんだか不快だ。

明らかに蟲はさまざまに意思を持って喜んでいて。

「おまえたちが触れていいような相手じゃないよ」

酷く冷たい声音が呟きになる。

眼が熱く、熱く、彼に溶け込むなんてそんなことはさせない、俺が溶かす。

エーテルを引き離されると、よほど脆い存在だったのだろう他の要素はすべて霧散して、そこに光る粘土のカケラだけをのこして消えていく。

次々に溶かしてエーテルの小さな光の塊にかえて言った。限がないな・・結界を何もなしに張るなんて器用なマネできるわけないし。

部屋がエーテルで一杯でかなり明るくなってしまったら、蟲は来なくなった。これだけたくさんエーテルの集まってる場所にあんな小物来れないだろうし、ひとまず安心。

カルノは穏やかに寝入っている。目を閉じていると本当に少女めいた美少年だよな。キレイでカワイイ。不思議と起きて話してるとそんなこと忘れさせられちゃうのはどうしてでしょうか。・・目付きと口のせいかな、やっぱり。

「で、これ、どうしようか」

これだけのエーテル散らすのはもったいないし。というかちらしちゃったらまた蟲がくるよね。

どうしよう。

光でカルノを包む。柔らかく溶けこませる。カラダの部分を変化させるわけにはいかないから、彼の翼になるように。彼を包み込んで暖かく守るように。

羽も実体化したら寝苦しいから、あくまで力の翼として。

カルノは怒るかもだけど、ナギさんの白い羽根みたいな感じ。まあいいでしょ、どうせカルノが起きたらカルノのイメージに引っ張られていつものの中に加わるだろうし。

「カルノ・・入れてよ」

ベッドを包み込むような大きな白い翼の内側でカルノはすやすや眠り続けたまま・・、最初手足を作ったときも途中で寝ちゃったものだけど、よくこれだけあれこれされて寝ていられるなぁ・・。

言葉をかけると翼が道を開けてくれる。

羽毛の天蓋の中みたいだ。

はみ出さないようにぴったりとカルノに引っ付いた。うっとうしそうに寝返りを打って顔をそむけられるのはいつものこととはいえ寂しいけど。ぱさりとカルノの翼は俺を抱き寄せるみたいに暖かく閉じて守ってくれるみたいだ。

「じゃ・・俺ももう寝ていいよね・・」

さすがに眠い。目が熱くて開いていられない。

それにしても、今日のカルノはすごく・・なんていうか。

どうしちゃったんだろう。明日起きたら訊いてみてもいいかな? 

 

 


 イヤ、イブリン・・無神経・・変態さんvうーんカルノくんもとに戻してあげるはずが翼生やしちゃったよ・・。まあ害はないから??  今後、勇吹君がますます壊れ予定(笑)