孤独なカイザー1

   ケースbyオーベルシュタイン

  

玉座に沈鬱な表情でうつむくカイザー・ラインハルト。

「……帰らないでほしい。今夜はひとりになりたくないのだ」

「はっ」

無表情にオーベルシュタインはうなづき、しばし考えこんだ。

「……しかし、私は帝国元帥であり、軍務尚書。カイザーの寵を被る人物と、軍務尚書が兼ねられるのは好ましくありません。御命令には逆らいませんが、どうしてもとおっしゃるなら私の職務を引き継げる人物を探し、まず私をこの任から解くべきかと……そうしましても例の……あの事後処理が終わらなくては」

「ああ、あれは早急な処置が必要だったな。オーベルシュタイン、書類はあるか」

「はい、これは……」

そうして一夜は、仕事に埋もれすぎていくのであった……。


ラインハルトさまが過労死なされたのは卿のせいだ、オーベルシュタイン!言いがかりかな……(よるの)


孤独なカイザー2

   ケースbyミッターマイヤー

「ミッターマイヤー、帰らないでほしい。今夜はひとりになりたくない」

ラインハルトの言葉にミッターマイヤーは驚いて顔を上げた。すぐにこぼれるような笑顔を向けて、勢い込んで言う。

「我が皇帝、よろしかったら、私の家にいらっしゃいませんか。妻のエヴァは料理上手ですし……、今夜は、ちょうどロイエンタールも私の家で食事を共にするのですが」

 


つくづく哀れかなラインハルトさま……でもロイエンタールのがより哀れ   (よるの)


孤独なカイザー3

   ケースbyロイエンタール

「ロイエンタール――……」

左右の色の違う瞳が、ラインハルトをうつしだした。金髪の華麗なる獅子は、今宵、なぜかとても頼りなく寂しげに見えた。

「マイン・カイザー・ラインハルト陛下……」

ひどく甘い、危険な声色でロイエンタールは囁いた。

皇帝の脱いであったマントを手に持つと、そっと玉座に近づき、彼の肩へそれをかけて、ロイエンタールはラインハルトに触れた。

「ロイエンタール……!」

近すぎる接近と接触にラインハルトは、驚きと警戒の声を上げてしまう。

それを望んでいたとしても、ロイエンタールの口付けは危険過ぎた。

押し退けようとした手を丁寧に掴まれて、熱っぽく手の甲にキスを浴びせかけられる。

ラインハルトは身体を強張らせていた。乾いて、声の出ない喉から、なんとかロイエンタールを制止する言葉を叫ぼうとする。

欲しいのは優しいなぐさめであって、こういうことではきっと無かったはずなのだ。

(キルヒアイス……!)

 


宇宙一テクニシャンなロイエンタール……どこまでしたのかはなぞ。こんなはなしは笑って許してね!   (よるの)