仲良きことは――?
byよるの かいが
中禅寺はとうとう走り出した。
「関くん?」
「先輩……」
関口の華奢な身体を壁際の机の上に座らせて、両腕の間に閉じこめて覗きこむ。
「君は拒めるような子じゃないだろうに、なにを見てるんだろうな、中禅寺は」
「えっ……」
「ほら、顔を上げなさい、関……僕のご命令だぞ……ん?」
「ア……え、エノさん」
おそるおそる榎木津の顔を見上げて、関口はもっと赤くなった。自分を見つめる美貌、この紅い唇が中禅寺にも触れていたのだ……。
榎木津のキスは、今度は押しつけるだけのものでは無かった。柔らかい舌が関口の唇を舐め、ひらいてくる。
自分の舌に触れられて関口は身体を強張らせた。縮こまった関口のそれを優しくなぞり、舌が絡んだ。
ゆっくりとした長いキスだった。舌が出ていって、ほっとすると、榎木津のそれは予想に反して離れず、関口の唇をついばんでは、また中に入ってくる。それが繰り返される間に、学生服の厚い生地のすそから、ズボンの中に仕舞い込まれたシャツを引き出して、榎木津の手がその下に這いこんでいた。
直接、素肌を、わき腹から背中まで撫でまわされて、関口は震えた。
関口のその反応に、榎木津が嬉しそうに喉で笑う。
ボタンもはずさず、きっちりとつめたままの学生服のなかに、二本も腕をさしこまれるときつくて息が苦しくなる。狭くてぎちぎちの服の中、どうしてそんなにスムーズに這い回れるのだろうと疑問になるくらい榎木津の手は器用に蠢いている。
関口は榎木津の顔をぼんやりと眺めた。目が潤んでいる。榎木津が口付けたまま、うすく笑ってそんな彼を満足そうに見る。視線が合うと、関口は目を伏せた。
榎木津の指が関口の敏感そうな部分を容赦なく触れて行く。小さな乳首を摘み上げられたとき、彼の身体はびくんと震えた。
関口は、榎木津に舌をくわえこまれ吸いなぶられたまま、竦めた首をかすかに振った。関口の引っ込もうとする舌を、榎木津が、甘噛みして引き止めた。
「フゥ……ン」
噛まれたまま、自由にならない首を振って、関口が鼻でうめいた。
ぷつんと置きあがった突起に、指を立てられ、押しつぶすようにひねり回される。
「はぁ…ん、……や、やぁ」
開放された口からは、跳ねあがった甘い鳴き声が漏れる。
「止めちゃイヤ、なんだろう、関君。君は素直でかわいいね」
関口はよけい強く摘みこまれて、小さく悲鳴を漏らしながらも、必死に首を振った。
「いや…です、やめ、て……」
「ふうん?」
榎木津の手指が関口の身体をすべり落ち、抜け出て行く。
「もう我慢できないのか。しょうがないなあ、早く慣れなきゃつまらないぞ関君」
「あっ!」
ベルトが外され、ズボンの前が開けられる。
とっくに反応していたよがっている証拠を引き出されて関口は何も言えない。
榎木津の指が、その形を確かめるようにそろりと這い、関口は声にならない悲鳴を上げた。必死に腰をよじって彼の手からのがれようとするが、榎木津は指先一つで抵抗を封じこんで、悲鳴をたやすく嬌声にかえてのけた。
「あ、ああ…、エノさぁん…っ」
榎木津の頭を抱え込むようにして縋りつき、関口が泣きだす。片手で彼をそっと握りこんだまま、榎木津はその泣き顔を上げさせて震えて吐息をこぼす唇をついばんでやった。
「ふ、うっ、んん……」
榎木津は関口の反応が楽しくてならぬようだ。耳たぶをはんでは鳴かせ、詰襟のすきまから舌をそろっと首筋にそわせては、びくっと身体を跳ねさせる。榎木津は横目で時計を窺いつつ、解放させないよう指で彼を操りながら、さらにあちこちつつきまわした。
服の上から彼の胸をきつく撫ぜ、引っかく。厚い生地ごしでも刺激は十分らしく、関口は身体を仰け反らせて高く鳴いた。
「慣れてないのも楽しいな♪」
「ひぃっ、あ、ああ……ひっ、あっ!」
耳たぶに噛み付かれながら言われ、また、強く握られて阻止されて、関口は涙した。
関口の頭を抱えていた榎木津の片手が、関口の背中を撫で下ろし、腰に降りてきた。前だけをはだけられて緩んだ布地の上から、尻の肉を揉みしだかれる。
「細い腰だなあ。狭そうだね?ここは慣らさないと苦労するだろうな、うん。……ここに、入れるんだよ。しってたかい……ね?」
布地ごと入って来そうなほど、ぐりぐりと指で突かれながら、顔をのぞきこまれて尋ねられる。
関口は涙でべたべたになってしまっている顔を必死でふりたくった。
「ああ、もう、つらいか。しようがないなあ。もうちょっと遊んでいたいな、僕は!」
「う、あ、ああ……も、う、ゆる……っ」
「本当にかわいげがあるね、君は!誰かさんとは大違いだ。――ああ、そろそろ時間だった。その誰かさんが来るから、もうちょっと、ね」
足音はすぐそこまで来ていた。なごり惜しげに尻を撫でまわし、耳朶を噛んでくる榎木津に、関口がもういちど甘い悲鳴で許しを請うたとき、がらりとドアが開いた。
「エノさん!!貴方って人はっ!」
「んん?下僕を主人がどう扱おうと勝手というものだ!まあ、これが君のだというから、手加減してまだ何もしてないぞ。安心しなさいアキちゃん」
ドアを引き開けて叫んだ瞬間、関口の惨状はすべて中禅寺の目に飛び込んできた。そうなるよう、机の位置と関口の身体の方向を榎木津は調節していたのだろう。
絶句して、硬直する中禅寺に榎木津は用意していたらしい小さな平たい円缶を投げて寄越した。
「関くんにあげようと約束していたご褒美だ」
「いいかげんにその手を放したらどうなんです!」
意を決したようにつかつかと二人に近づくと、中禅寺は関口のモノを掴んだままだった榎木津の腕を取り上げた。
「はぁっ!あ、ふ…う」
「関口君……」
「や、やだ……ちゅう、っ……もう、嫌あ……」
榎木津の手から開放された関口は、中禅寺の手の甲を汚しつつ、達してしまった。なんといって良いかわからず中禅寺は黙って震える関口を抱きしめた。
榎木津は抱き合う二人を満足そうに眺めやると、中禅寺の額に関口の背後からキスを落として、なにか怒鳴ろうとした中禅寺が言葉を発する前に、教室を出ていってしまった。
関口は、中禅寺の腕の中からずりずりと這い落ち、床に蹲って震えている。
「関口君……」
「あっ、はっ……だめ、ちゅうぜんじぃ…っ」
だきあげようと、肩を触るとそれだけで関口が切なくあえいだ。
仕方なく、少し離れた場所で関口から目をそらし、彼の息がおちつくのを待つ。
関口は、身体を動かすのが辛そうだったが、一人でなんとか衣服を整えた。
ただ着替え終わっても、顔を上げない。うなだれたまま、じっと座りこんでいる。
「関口君、関口君……!」
「あ……」
触れるのにはためらいがあったが、関口の様子に不安を掻き立てられ、中禅寺は関口を抱き寄せた。まだ潤んだままの目が中禅寺に向けられる。
「巽!」
正気を残す関口にそう呼びかけたのは初めてだった。関口は頷いて、ひどくほっとしたように中禅寺の肩に頭を持たせかけた。
「ちゅう、ぜんじ……、――」
あの蕩けるような目で見上げられて、中禅寺は関口の顔に自分のそれを重ねた。
押し付けられただけの唇だったが、熱く激しい口付けだった。
「せ、関口くん」
離れる瞬間、関口がかすかに口を開いて舌を覗かせ、ちらっと中禅寺の乾いた唇を舐めた。
あああ……。
……ばかばかなかんじ(笑)やっぱりあほな展開に……。ま、この題名でしりあすになるわきゃないのです。
4で終わるかと思ってたんですけど……。続きます。ごめんなさい。今回、謝り倒したくなってます。