ネムイ、ってのは、実はナカナカいいんだ。 激しい運動のあとに、ってのもイイけど。(2ラウンドめのことじゃねーよ?)ザコども、バコバコに蹴り倒しまくったあと、クソ剣士の刀の手入れを取り上げて(武器使うやつはめんどーだよな、おい?)乱闘の続きみたいに貪るのも、そりゃすっげ、イイ。相手が手強かったときほどキモチイイ。 くらった拳のあとのずきずき疼くとこなんか、なでられるだけでいっちゃいそう。 ああ!レディにはいえねェ。素敵なバラティエのコックさんが、海賊船に乗ったはいいがこんな危ない趣味をいろいろイロイロ開発されちゃったりなんかしちゃってるなんて、ナー。 ほんとにグランドラインってのは不思議なことがおこっちゃう道だぜ。 ま、ここんとこ平和だ。はっきりいってタイクツ。夜なんかやることしかやることねーって感じだ(ってそれもどうよ?) いや実際はおれ樣には1日五食、三回のおやつを食わせなきゃ喚き出す欠食児童と、美食を饗せねばならない美女たちがお待ちだもんで、休む暇なし、ってか暇だとメシを食いたがるおこちゃまに追われてかえって忙しかったりするのだが。 だから体力有り余っちゃってるのは、昼寝と素振りくらいっきゃすることのない、万年寝太郎だけどな。 明日の仕込みを終えて、片付けと、シャワーと。 ああ、もうすっげ、ネムイ。 からだがとけちまうんじゃねぇかってくらいネムイ。そんなわけで、おれの寝場所、一足先に毛布を広げて腹ばいで酒を飲んでる男のとなり。 お休み前の一服。ああ、シャーワセ。同じく腹ばいになってタバコに火をつけ、くせのある甘い煙を味わう。 ゾロはごろりと姿勢をかえてこっちを見る。ねむそうな、怠惰なライオンのようなカオしてやがる。アア、ネムイ。 も一口、深く煙を吸いこんで、ながなが吐き出しながら、毛布をかき寄せてヤツの脇んとこへカオをうめる。ああ、汗くせえ。風呂はいってねぇの。でもネムイ。あったかくて、あとのことはどーでもいいカンジ。 カンバンの板に火口を押し付けて火を消す。もったいね。でもネムイ。 あたまの上でゾロの喉がゴクリとうごく。大きな一口で瓶の中身を飲み干した。 ごろりと寝返りをうってゾロの腕が落ちてくる。オモイ。ネムイ。のどのとこに食いついてくるみたいなゾロのくち。 アア、ネムイ。 暑苦しくまとわりついて来る体からカオをそらしてだらーんと身体からは力が抜ける。ヤツはそんなことおかまいなしにどうやらおれのシャツを引き剥がしてるもよう。 腕や足は好き勝手に折り曲げられて伸ばされてあっというまに全裸だ。ってさ、わりとおれ寒いんだけどな。このへん春島の海域だし。夜はけっこう冷えるんだ。 ぜんぶ脱がす必要は、ないんじゃねぇ、だいたい、よ。 てめえのやり方って極端なんだよ。パンツずらすだけでイレてくっときもあるしよ。 ・べつにいいんだケド。 重いふとんみたいにかぶさって覆われて、ますますおれの身体からは力がぬけちまう。 「ア、アア、ねみィ、よォ・・」 「ああ?」 ゾロはむくっと起きだして不機嫌におれの顔を睨みつける。 「俺は眠くねェ」 「そりゃそうだろな」 ゾロが元気なのは、コレだけ重なってんだ、よくわかる、いやってほどな。 「・・ねみぃのか?」 ゾロは今度は困ったみたいに覗きこんで訊いてくる。 「あぁ・・」 おれはまた目を閉じて答えた。 おれにアツイのを押しつけたまんま、ゾロは動きを止めてる。・・めずらしーな。たいてい構わずヤりだすくせして。 「・・おい」 止めて欲しいわけじゃない。 キモチイイ。 ただあんま動きたくねぇだけだ。ゾロの、身体に顔を押し付けてやる。感触でわかる、スゲー傷跡。皮膚がそこだけ盛り上がってて腹から胸まで一直線だ。 「なんだよ」 ふてくされたような声。だからヤなわけでも、投げてるわけでもねぇって。ただ、ねむくて身体がとろとろしてて、動けねーほど気持ちイイんだって。 まだ目を開ける気にはなれなかった。つむったままでおれは微笑う。 いいから・・、やれよ、ゾロ。 ゾロの大きな手がおれの脇を抱えて甲板から引き離す。背中をすくわれて、力の抜けた首はだらんと仰のいて垂れる。ゆらゆら頭がゆれて、おれはクツクツ笑う。 「ご機嫌だな」 ゾロはおれのネムイのなんか気にしないことに決めたらしい。身体を持ち上げられたまま、胸を齧られて、おれはびくりと跳ねる。 水揚げされてぴちぴち暴れる魚になった気分だ。 刺激を逃がそうとのけぞっても掴み上げられたこの姿勢だと逃げようがない。 ただコエとイキだけが夜空に上がる。 いつのまにか両足の間に咥え込まされていて、肩は冷たい甲板についていた。 今度は下半身だけ持ち上げられてゆらゆら揺れている。 アア、キモチイイ・・。 痺れるような感覚がこじ開けられたソコから這いあがって、どっかに飛んでいっちまいそう。 飛ぶ、ってか、落ちてく、みたいなカンジ。 「・・っ!」 口は閉じていられないのに、コエが上がらない。パクパクと音にならない声だけが逃げてく。 ああ、ああ、も、おかしくなりそうだし。 ずぶずぶ、蜂蜜のなかにでも沈んでる、ような。 ゾロが、軽く腰を引いた。 なんてことはないそのうごきに、おれは上り詰め、もう我慢できずに甘いトロトロのねむりのなかに沈んだ。 |