mogurundesu
1990年代の中ごろまでは、まともな水中カメラと言えるのは「ニコノス」だけ。しかしセットで20万もする高価な機材だから気楽に買えるものじゃなかった。
水中カメラにはほかに「モーターマリン」というのがあった。これはほとんどオモチャカメラのようなものだが、それでもストロボやファインダーなどのセットで5万円近くはしたと思う。
こんな時代の救世主が、UN商会の「潜ルンです」だった。
要するにこれ、富士フイルムの「写ルンです」を入れる水中ハウジングなのだが、なんとニコノスと同じく、水深50mくらいまで耐えられる。ストロボ付の写ルンですを入れるので、ニコノスやモーターマリンのように、大きな外付け水中ストロボセットを持つ必要もない。価格も安いし重さはわずか数十グラム!。
初めてこれを見たとき、私は「世紀の大発明!」と思ったね。
写ルンですの事実上の登場は1987年だ。そして半年もせずに、これにストロボ付が追加された。こいつがヒットして「写ルンです」は社会現象にすらなった。
UN商会の最初の潜ルンです、は、この時のストロボ付写ルンです用の水中ハウジングなのだ。
写真はその「最初のストロボ付き写ルンです(1987年発売)」と、それ用の「初代潜ルンです」。当時ニコノスはもちろん、スーパーマリンも買えなかった私は、こいつといつも一緒に海に潜っていた。
ただしこいつにも短所がある。第一には、なにしろ空気のかたまりなので、海中ではぷかぷか浮かんでしまってジャマなこと。第二には、中身の写ルンですがモデルチェンジすると、その時点でこれも「使い捨て」になっちゃうこと(事実、毎年買い替えが必要になった)。
ニコノスですら製造中止に追い込まれた現代、ほとんどのダイバーがデジカメを水中ハウジングに入れて水中写真を撮ってるだろう。でもそのルーツはこの「潜ルンです」なのだ。その意味で、こいつは歴史に残る名機(カメラじゃないけど)だと思うのだ。
なお余談になるけど、写真の「初代ストロボ付写ルンです」は、もう世の中に何台も現存してないのではなかろうか。なにしろ写したらそのまま現像所に出してしまうカメラの宿命。皆さんも使ったことはあるけど、持ってないでしょ?
それを考えれば、こいつは「珍品ライカ」より、もっと珍品カメラかもしれないぞ。
戻る↑