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O157食中毒事件から4年になる.なぜ食中毒は防げないのか.どのように
対処したらよいのか.日ごろの食生活の改善で防ぐことはできないのか.
今一度考えてみよう
| 魚介類 型 |
腸炎ビブリオ食中毒:なま物が危険,夏好み 腸炎ビブリオは菌種名である.典型的夏型の食中毒だ.コレラ菌と同じ仲間の細菌である.海水に生息している.夏になると海水の菌数が増加してくる.だからといって,海水浴に行って感染したという話は聞いたことがないのだ.感染力が低いので,大丈夫.しかし,魚に付着して水揚げされると,増殖するので時間の経過とともに,菌数が増える.感染が可能な菌数に達することある.増殖が早いので,なま物は酢で殺して食べることが予防方法てして最適だ.近海でとれる魚介類が危険である.もちろん新鮮なら大丈夫.鮮度の判定がちょっとむつかしい. 食塩を好物にしているので3%程度の塩がついているなま物で増殖が加速するから,用心を.酸には弱いので酢で殺して食べるのがよい.目の前の刺身が汚染していても,酢醤油で食べれば,救われるよ.お年寄りや胃の切除を受けている人のように胃酸の分泌が少ない人は特に注意が肝要.私は必ず酢醤油で刺身は食べる事にしている.原因食品を食べて10時間程度で症状が発生する.腹痛,下痢などの症状だ. アレルギー様食中毒 いわし,さんま,さばなど青さかなの干物が原因食品になることが多い.乾燥中に腐敗細菌が増殖して,そのときアミノ酸のヒスチジンからヒスタミンができることがある.このような干物を焼いて食べたときにヒスタミンをいっしょに摂取することになる.吸収されたヒスタミンが蕁麻疹(じんましん)を引き起こす.原因食品を食べて数十分以内に症状が現れることが多い.アレルギーそっくりなのだ. |
| 畜産物型 |
サルモネラ食中毒:肉や卵料理が原因になりやすい ネズミのいたずらによることが多い.ネズミが腸に保菌しているのだ.その排泄物に汚染することが,昔は多かったのだ.いまはむかしの話だが,昭和11年に大福もち食中毒が発生.浜松の中学校の運動会で大福もちを褒美に参加者に配られて,発生した大事件である.アンが汚染していたためにの事件である. 近年はネズミは少なくなったが,ねずみよりも大きな家畜が増えてきた.人為的な現象である.生活様式が西洋化して肉料理や卵料理が好まれ,増えてきたためである.ネズミがサルモネラを保菌するように家畜,鶏がこの病原菌を保菌していることが多い.そのためにこの食中毒が増えてきた. 不思議なのは加熱調理した料理が原因食品になるケースが多いことだ.北海道で金糸卵で一万人以上の患者が出たことがあるが,金糸卵は調理のときに熱が通りやすいと思うために,判断に誤差が生まれるのかもしれない.つまり,よく火が通ったとして献立素材として商品に出すのだ.金糸卵が必要なところでつくってレストランに出すのではなくて,まさに製造しているのだ.一般消費者の口に入るまでに,サルモネラが感染する菌数に増えてしまうことになる. 症状は激しいもになることが多い.熱,腹痛,下痢,嘔吐など,大変である. 病原大腸菌による食中毒 O(おー)-157事件が記憶に残っていると思うが, これは病原大腸菌の一種でおきた事件だ.このときの原因食品はカイワレをトッピングした料理が原因ということになった. O-157がどこでカイワレについたは不明.だが,一説にはカイワレの種がO-157で汚染していて,発芽するときにカイワレのなかにO-157が残ってしまったというのだ.とにかく,そのO-157はどこからきたのかというと牛だろうということだ.牛の腸内にいて排泄されて,ばら撒かれたのだ.その結果カイワレの種が汚染したのだと.さもありなん. 牛のレバーを食べて感染した例もあったぐらいだから,牛が危険なのは当然だ.ハンバーガーを食べて発生する例もアメリカ,カナダでは多い.これも牛の腸内にいたO-157が肉についてきたことになる.わが国でもその線が濃いといって,屠場の牛のと殺解体には十分衛生に気を使っている. 原因食の推定 カイワレが原因食品とされた,例の堺市で起きた大事件に話を戻すが,これには裏があるようだ. 食中毒事件では保存食品の検査で原因食品がはっきりしないときには,普通統計学的に推定を行う.どういう事をするのかというと,中毒が発生した集団の人々の聞き取り調査をする.患者,入院患者,健康な人もいる.患者,入院患者,健康者のについて,献立食品それぞれの食べた率と食べなかった率を明らかにする.その結果,たとえば献立のうちのA品を患者の90%が食べ,10%が食べなかった;入院患者の95%が食べ,5%が食べなかった;健康者の10%が食べ、90%が食べなかった.またB品は患者の50%が食べ,入院患者は60%が食べ,健康者は70%が食べた.などが明らかになる.このデータだと,A品が問題食品となるだろう. ところで,堺市の事件では,かくして入院患者では(牛乳と冷やしうどん),(牛乳と甘酢あえ),(牛乳),他の患者では(冷やしうどん,牛乳,ウインナ−ソテー),(カレーシチュウ),(牛乳,春雨スープ)などの品目があがった(カッコ内は食べ合わせたもの).小生は愚鈍だが,このデータはどうみても牛乳が原因食品にみえるが、そうでないにしても,O-157の感染の促進食品であるように見えるのだが.皆さんはどのように見る? ウエルシュ菌食中毒 加熱調理後の密閉食品 この食中毒菌は加熱調理後に密閉状態になったりしたときに(たとえばお膳や容器ぴったり重ねておくとそういった状態になる),食品で菌が増殖する.これはこの細菌が嫌気性細菌といって空気を嫌う性質と関係している.カレーライスのルーも加熱後,ルーの中が密閉状態と同じ状態になるので,増殖して中毒の原因になることがある.肉料理では肉の内部がどうようの条件になるために原因食品になることもある. 加熱に耐えるのはなぜか?それはこの細菌は芽胞という耐熱性の種子をつくっているためである.温度が下がると,この種子が芽を出して増殖しだすのだ.巧妙至極だ.さらに興味あることには,腸内に入って生活がしにくくなるために,種子の芽胞を形成する.このときに毒素を生産して中毒を引き起こすのだ.驚嘆!!,実に巧妙,ずる賢い!! この細菌は家畜,特にブタの腸内に多いので,豚肉が汚染することがある.また土壌内にもいるので,そこから食品が汚染することもありうる. |
| 皮膚型 |
黄色(おうしょく)ブドウ球菌食中毒 皮膚の化膿が問題 (きいろと読まないように) 小生もこれにやられたことがある.だいぶ前の話だが,休日に仕事をした後昼食として、早めに肉料理つきの食事を外食した.この早めが曲者だったと考えているが,とにかく食後4時間くらいして激しい嘔吐に襲われた.早めに飲食店に行ったために,多分だが,前日の残り物だったのではないかと推測している.この食中毒は,しばしばおにぎりで起きる.家庭料理によるものが多い.皮膚に傷があるとそこで黄色ブドウ球菌で化膿する.この細菌がおにぎりやその他の献立に移り,時間が経過すると食品中に毒素がたまってきて,それをきっ食して発生する.毒は200度以上でないと壊れないので,普通にボイルしたくらいでは毒はなくならない. 雪印乳業食中毒事件 低脂肪加工乳でおきたこの食中毒はミレニアムの記念になる事件だ.低脂肪が曲者ではないか.脂肪率を落とすために.牛乳や再利用乳を水で薄める,その他の成分を通常の率に保つために脱脂粉乳を入れる.水に各成分を加えて製造することもあるだろうが,それでは手間だから,前者のものが多いのかもしれない. ところが,新聞報道ではバルブが汚れていた,そこが問題だとにぎやかであった.有識者と称する学者がそのようなところを毎日掃除しないと毒素ができても当然だと,もっともらしく意見.小生には,これは脱脂粉乳が原因食品だピンときたね. バルブが不潔というが,不潔なのは先ず原料だ.原料は無菌ではないのだから,バルブだけでなく牛乳の流れるところは皆汚れることになるのだ.そもそも,雪印は数十年前の前科ものであることはインターネットで簡単に知ることができる.食品衛生でもっとも気を使いたい点は原材料の衛生確保である.この基本を怠ったために,食中毒は発生する事が多いのだ. |
| 土壌型 |
ボツリヌス食中毒 土壌に眠る細菌 致命率が高い ボツリヌス菌は通常は土壌の中にいる.陸上の土壌だけでなくて,海底の土壌にも仮眠している.そこから食品原料に移行する.移行しても通常の食品ではこの細菌は増殖できないので問題ないが,缶詰にしたり,パックつめにすると食品内の酸素がなくなる.そこにこのボツリヌス菌がいると眠りから覚めて,毒素を作りはじめる. この毒素は非常に危険で,致命率(患者のうちの死亡率)が最も高いので,症状に気をつけて早く手を打たなければならない.毒素は普通の加熱で簡単に壊れる.もうだいぶ前のことだが,熊本に旅行した千葉県人がみやげにした辛しレンコンを食べて,発症した31名のうち,9名が死亡する事件があった.辛しレンコンを加熱する人などはいるわけないから,どうしょうもなかったわけだ.これは辛子が土壌で汚染していたようなのだ. 乳児ボツリヌス症 これは少し変わっていて,ボツリヌス菌がくっ付いた食品(たとえば蜂蜜)を乳児が食べて(あるいは飲んで)腸内で増殖して,毒素を生産して中毒を起きる病気である.普通,便秘することが多い.その間に毒素がさらに体内に回って,神経を麻痺させて,知らぬ間に突然死んでします.蜂蜜が土壌で汚染してたために起きることが多い.生後半年までの乳児に多いが,この時期までの乳児には腸内細菌の種類が少なくて,ボツリヌス菌が入ってきても排除しないのだ.とくに人工乳栄養では嫌気性細菌が住み着きやすい.人工乳にボツリヌス菌がついた蜂蜜を溶かして与えると,願ってもない環境にあるのだ.ボツリヌス菌も嫌気性菌の仲間で,この細菌の側からすると好都合なのだね. |
| 穀類型 |
セルウス菌食中毒 チャーハン病 セレウス菌は空気のあるところで増殖できる細菌,好気性細菌の一種だ.土壌,牧草,穀類などに自然界に幅広く棲息している.そんななかの一部のものが米にとり付いて,毒素をつくことがあるのだ.だから、古い,残りごはんを使用してチャーハンを食べて発生することが多い. この細菌はこの食中毒は芽胞という耐熱性の種子をつくる.そのために米を炊いても生き残るわけだ.症状はおもに嘔吐である.下痢のこともある.いずれにして一過性で翌日にはよくなる.嘔吐すると脱水するので,のどが渇く.そういうときの取って置きの処方はヨーグルトか,発酵乳を取ることだ. 忠告をひとつ.食中毒は不良原料,古い,不潔な食材を使用して起きることがほとんどだ.人様に提供して利益をあげようという商売では,けっしてそのような不良食材を使用してはならない. |
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