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オリゴ糖

   オリゴ糖の話をしよう.今話題の食品で,特定保健用食品
に指定されている商品が多い.わが国でもっとも先行した食品である.いまや世界で注目されている.
オリゴ糖とはどんなものか たとえば砂糖やブドウ糖が糖では有名でだれでも知っているのでは.ブドウ糖(グルコースとも呼ぶ)は単糖(糖が一つという意味)の仲間である.砂糖は二糖類で,ブドウ糖と果糖という単糖がくっ付いたもの.この仲間には牛乳中の糖である乳糖(ブドウ糖とガラクト−スが結合したもの)がある.もちろん二糖類にはほかにもあるが省略.
  オリゴ糖は数個の単糖が結合したものをさす.少糖とか寡糖(少糖類のように類をつけて呼ぶ事が多い).3ないし10個の単糖が結合したものがオリゴ糖だ.二糖類も加えてもよいが概して二糖類はポピュラーなものが多いので別にしてもよい.
消化されないのがよい 二糖類は,たとえば砂糖はシュクラーゼによって,乳糖はラクターゼによって,麦芽糖はマルタ−ゼによって小腸粘膜表面で消化されて吸収される.
  オリゴ糖でも消化酵素で消化されると吸収されるが,今,各社が生産しているオリゴ糖は消化酵素の消化力の圏外で,消化吸収をまぬかれて,大腸にいたる.これがよいのだ.
  栄養学では消化されるものを目標にするが,新しい栄養学(ネオ栄養学と呼んでもよい)ではこのような消化されない物質をも逆手にとって,保健栄養に役立てるのである.
  消化されないかあるいは消化力が追いつかないものが大腸に到達する.そこには腸内細菌が口をあけて待ち構えている.細菌は口をあけていても,選り好みがある.選り好みは細菌自身が所有する消化酵素のレパートリに基づくのだ.消化できないものは口にしない.
  オリゴ糖の消化酵素を所有している細菌がオリゴ糖を利用できる.その代表的な菌種がビフィズス菌だ.これでオリゴ糖が業界の花形騎手にのし上がり,連勝街道を走っている.ビフィズス菌が善玉として注目されている.この細菌の善玉たる所以は乳児期にあると,当方は考えている.乳児期に善玉であるものが成人しても悪玉であるはずはないのだ.しかしながら,成人の腸内にはまだまだたくさんの善玉がいる.それがネットワークを形成して善すなわち健康増進を施している.
  オリゴ糖はビフィズス菌の増殖促進因子として注目されているが,腸内にはオリゴ糖を消化利用する菌種がいることがわかっている.健全な細菌ネットワークの維持にオリゴ糖は役立っている考えている.
なぜオリゴ糖は保健用食品か オリゴ糖がどうして保健に役立つのか?一つはビフィズス菌を増殖させるからだ.ビフィズス菌の増殖が活発になるとなぜ保健効果あるのか?
  病原菌感染を防いでくれる.これはほかの細菌との共同作戦による.大腸癌予防に貢献する.これもほかの細菌との共同作戦と考えられる.乳がん予防の効果かも期待できる.カルシウムの吸収を促進することが考えられる.まだまだある.ビタミンを作る.小児のウィルス性下痢の治療ないし予防に役立つ.便秘を防ぐ.過酸化脂質を分解してくれる.だから老化の予防や活性酸素による障害をやわらげてくれることが考えられる.
  オリゴ糖はビフィズス菌だけでなく,酪酸産生菌をも活性化する.そうすると大腸が丈夫になる.酪酸は大腸癌の予防因子であることが世界中で認められているところだ.酪酸は潰瘍性大腸炎の予防にも働くことが注目されているのだ.悪性の炎症を防ぐことも考えられている.
  さらに,プロピオン酸の腸内生産も高まることがわかっている.プロピオン酸はコレステロールやトリグリセリドの肝臓における合成も抑制するというのだ.
  このようにオリゴ糖は一石二鳥どころか,一石八鳥(これは造語),千変万化の働きが期待できるのだ.一攫千金の効果が期待できるといってもよい.
オリゴ糖の難点はないか オリゴ糖は消化吸収されないので摂取しすぎると腸内の浸透圧が高まり,下痢あるいは軟便の原因になることがある.
  有機酸が一度に多量にできてそれが腸粘膜とくに病変を持つ粘膜の刺激因子になることが考えられる.おなかを整える(整腸)のに役立つと思いきやかえって腹痛が高じるなんてこともありうる.
特定保健用食品とは 食品は従来の栄養学上の機能(栄養素としての機能)以外の機能を示すことがわかってきて,その機能を重視して機能性食品と呼ばれることがある.また,健康食品と呼ぶものもある.
  しかし,健康食品ブームのなかで,虚偽行為がないようにするため,科学的にその食品が健康維持増進のために機能することが証明して,はじめて健康食品だということにしたのだ.なにをもって健康によいのか.
  たとえば,血圧を下げる機能があるとか,ビフィズス菌の増殖を促進する.カルシウムの吸収を促進するとか,便秘を防ぐとか,医薬品とは一味違った機能がある.そうした機能が人に投与する実験で証明されたものを特別に保健用食品と認定して,特定保健用食品とされるのだ.
  
種類 フラクトオリゴ糖:複数のフラクト−ス結合している.
ガラクトオリゴ糖:複数のガラクト−スが結合している.
キシロオリゴ糖:複数のキシロースが結合している.
ラクトシュクロース:乳糖とシュクロースが結合している.
大豆オリゴ糖:大豆に含まれているオリゴ糖.
ヘミセルロース消化物:ヘミセルロースを分解してつくられる.
などが主なものである
プレバイオティクス オリゴ糖や食物繊維など人や動物が直接消化して利用できないが,腸内細菌が利用することでからだの保健効果を示す食品を総称する用語である.イギリスのギブソンらが1995年にこの名称を提唱した.


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