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腸内細菌の世界と私たち


私たちの腸内にはたくさんの細菌が住み着いている.たとえば,大便をとって顕微鏡でのぞいてみると,さまざまな形の細菌が重なり合っている様子が見られる.

100種類あるいはそれ以上いるかもしれない.しかもこれらの細菌は生きている.当然のことだが,昔はこれらの細菌のほとんどは死んでいるといわれていたのだ.

なぜって,培養することができなかったから,死んでいると判断したのだな.今でまだ培養することができない種類の細菌が腸内にいる.

生きているということは当然何らかの食べものを食べるということだ.私たち人間もそうだが,細菌も種類によって食べものに好き嫌いがある.人間と細菌が違う点は細菌は勝手に好きなものを食べたいと思っても腸内にいるという条件にしばられるね.

人間が食べたものを,おすそ分けのようにしてもらってえさにしている.従属的だが,じっとしていても食べものに預かることができる点では怠け者とも見られかねない.

だが,あなどるなかれ.わたしたちはこの人間社会においてさまざまな組織,ネットワークを構成して生きている.一人一人がばらばらで,関連がなく生きていくことはできない.細菌の社会もまさに同じことで,さまざまなネットワークを構成して生活していると見なければならない.

その細菌ネットワークには人間の生命に有益なネットワークもあれば,有害なものもある.病原菌の感染を防御するネットワーク,反対に発ガンネットワークもあるのだ.

どのようなネットワークが活発になるかはわたしたちの一人一人の食生活と密接に関係する.私たちが偏食をすれば,それ相応の細菌ネットワークが活発になる.そのために,健康を損なうことだってありうるのだ.

細菌と人間の関係はわたしたちの年齢によっても違ってくる.乳児の細菌ネットワークは大人のものとは異なる.

腸内細菌はあるい腸内細菌ネットワークは私たちが眠っているときでも,活発に働いているということをくれぐれも忘れるでない.


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