| クレジット サラ金 問題の現場から |
事例8.手形・小切手を担保に取るシステム金融業者の手口!
(システム金融業者に対する過払金返還訴訟事件)
「システム金融」という言葉をお聞きになった方も少なくないと思います。手形や小切手を担保に違法な超高金利のお金を貸し付ける業者ですが、独自のネットワークシステムにより顧客をたらい回しにするということから、俗に「システム金融」と呼ばれています。
典型的な手口は次のとおりです。
1.運転資金に困窮している中小零細事業主の情報を、商工ローン業者などから得て、ファックスによって融資を勧誘する。
2.融資の申し込みを電話で受けると、手形又は小切手を担保として要求する。
3.金利に関しては、法律の範囲内の年率を提示する業者もあるようであるが、手数料などの名目で、実際には違法な超高金利を取り続ける。借り主は、手形・小切手を担保に取られていることから、違法な金利の支払を余儀なくされる。
4.契約の際に、白紙の債権譲渡通知書を取得する業者もあり、この場合には、予め聴取している借り主の取引先に対する売掛金を自ら(若しくは関連業者)に譲渡するという内容を書き込んだ通知書を借り主の取引先に送付する。
5.「システム金融」業者はネットワークで繋がっているため、借り主が返済資金に困っているであろう手形支払期日直前などを狙い、新たな複数の業者が融資の勧誘を仕掛ける。
6.支払いに困窮した借り主は、返済をしようともがけばもがくほど、自転車操業に陥ってしまう。
今回の依頼人は、土木建築関係の下請け・孫請け業務を営む自営業者でした。以前に、商工ファンドから運転資金を借りたという経緯があるということでしたので、おそらく、そうしたところから情報が漏れ、「システム金融」業者からのファックスが届いたものと考えられます。
ファックスを受け取った依頼人は、当初こそ借り入れの必要性を感じていなかったものの、その後売上げが思うように伸びない中、まとまった運転資金が入り用となり、「システム金融」業者への融資の申し込みをしたわけです。
電話で申し込みをした依頼人は、「300万円までなら融資が可能」という返事を受けたため、東京にある業者の事務所に、指示された「手形・小切手帳」「会社の商業登記簿謄本」「会社の実印」「会社の印鑑証明書」などの重要書類を持参して訪れています。
しかしながら、当日、依頼人に対して業者が提示した融資条件は、@融資金額及びA小切手を担保に取るなどといった点において、明らかに事前に電話で確認したものと異なっていたため、依頼人は、一旦申し込みを撤回しています。
ただ、業者の強硬かつ執拗な勧誘に負け、金210万円の金銭消費貸借契約を締結していました。 なお、この際に交わした金銭消費貸借契約の内容は次のとおりであります。
1.融資額 金210万円(ただし、5万円を事務手数料として天引)
2.利息 年利10%
3.返済方法 合計36回の分割
ただし、業者は依頼人が署名した金銭消費貸借契約証書などの債権書類の控えを一切依頼人に交付していませんでした。
その一方において、業者は、上記の契約の担保として、手形の振り出しを要求しており、依頼人はこれに従い、日付及び支払人を空欄にした額面金120万円と金160万円の手形を2通振り出しています。
ところが、1週間後、業者は、依頼人に対し、手数料として金70万円の支払を請求しています。その理由は、依頼人所有の不動産に対し、商工ファンドの根抵当権設定仮登記が残ったままになっているからという理由であったのですが、これを払えば、前述した額面額金120万円の手形は返却するということであったため、依頼人は業者の指示通り、金70万円を支払ったのです。
しかしながら、業者は、約束を守らず手形の返却をしませんでした。
しかも、それに加え、さらに1週間後には、債務者は再び手数料と称して金70万円の請求をしてきたのです。これでは当初の契約内容とまったく違うことから、依頼人は業者に対して残元金を確認したところ、「残元金は金280万円であり、ジャンプするのであれば、今後も1週間に70万円の手数料を払ってもらうこととなる。債権証書の写しの交付については忙しいので応じられない。」という回答を得ています。
その後、依頼人は、弁護士にも相談し、上記記載の手数料の支払を拒絶したのですが、その結果として、業者に振り出した手形が交換所に回されることとなり、合計金280万円が決済されることとなってしまいました。
こうした経緯にも関わらず、業者は依頼人に対し、上記の手数料金70万円を執拗に請求し、依頼人がその支払を拒絶しましたところ、予め依頼人から取得していた債権譲渡通知書を依頼人の取引先3社に対して送付し、今度は依頼人の取引先からの回収を図ろうとしていました。
本件においては、手形は既に決済されていましたことから、手形の不渡り処分を心配することはありませんでしたが、手形が業者側に渡っている段階での事件の受託の方が多いものと予想されるところです。
言うまでもなく、この場合には、手形の処分禁止仮処分を得ておく必要がありましょうが、日栄などの大手業者とは異なり、この仮処分命令を得たからといって100%安全とは言い切れない部分は否定できないと思います。
特に、日付が空欄で取得された手形について、仮処分命令が送達される前の日付で第三者に裏書き譲渡されてしまえば、それを覆すのは困難を極めることになるものと考えられます。
さて、手形の不渡り処分については心配する必要がなかった本件ですが、一方で、予め取得されていた白紙の債権譲渡通知書が依頼人の取引先に送付されており、取引先からの問い合わせが殺到している状態でした。取引先はどちらが真の債権者であるか、混乱してしまっていたのです。
依頼人は、取引先に事情を詳述し、業者への支払を拒否するようお願いをしたのですが、形式的には体裁の整っている債権譲渡通知書が内容証明郵便で送付されてきたものですから、簡単に応じるわけにも行かなかったのでしょう。それはもっともなことです。
そこで、債権譲渡通知自体が無効なものであることを裁判で決着をつけるということを前提に、取引先が依頼人に対する買掛金を供託した場合に(実際に取引先の1社は供託を行いました)、これを業者に取得されないよう、また、供託がされないとしても、依頼人が取引先に有する売掛金を譲り受けたとする業者が、第三者へさらなる債権譲渡をしないよう、債権の処分禁止の仮処分の決定を受けておくことを検討しました。
平成13年 月 日 静岡地方裁判所 民事部 御中 債権者 ****株式会社 上記代表者代表取締役 **** 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり 債権目録 別紙債権目録記載のとおり 申立の趣旨 1、債務者は、第三債務者から別紙債権目録記載の債権を取り立て、又はこれについて譲渡、質権の設定その他の一切の処分をしてはならない。 2、第三債務者は、債務者に上記債務を支払ってはならない。 との裁判を求める。 申立の理由 第1、被保全権利 1、当事者 (1)債権者は、***を営む会社であり、債務者は、近時社会現象ともなった手形・小切手を担保に違法な超高金利(本件においては週3割の高利)を取る東京の「システム金融」業者である。 第三債務者は、債権者が債務者より詐取された債権譲渡通知書により、債権譲渡通知を受けた被通知人であり、債権者の取引先である。 2、債務者の詐欺的暴利行為 (1)以前、申立外商工ファンド株式会社より融資を受けていた債権者に対し、平成13年*月ころ、突然債務者からのファックスが届く。融資の勧誘である。 (2)平成13年5月中旬頃、資金繰りに窮した債権者は、藁をもすがるような思いで、電話で債務者に融資の申し込みをしたところ、「300万円までなら出せる。東京の事務所に来てくれ」とのことだったため、債務者に指示された「手形帳」「小切手帳」「印鑑証明書(会社及び個人)」「実印(会社及び個人)」などといった重要書類を持参し、平成13年*月25日に債務者の事務所を訪れている。(甲第1号証・甲第2号証) (3)当日債権者に対して債務者が提示した融資条件は、@融資金額及びA小切手を担保に取るなどといった点において明らかに事前に電話で確認したものと異なっていたため、一旦は申し込みを撤回した債権者であったが、債務者の執拗な勧誘に負け、金210万円の金銭消費貸借契約を締結している。(甲第3号証) なお、当該金銭消費貸借契約の内容は次のとおりである。 @融資額 金210万円(ただし、5万円を事務手数料として天引) A利息 年利10% B返済方法 合計36回の分割 ただし、債務者は債権者の署名した金銭消費貸借契約証書などの債権書類の控えを一切債権者に交付していない。 (4)一方、債務者は、上記契約の担保として、手形の振り出しを要求しており(当初は小切手の振り出しを要求したが、債権者がこれを拒絶した)、平成13年*月28日、債権者はこれに従い、日付及び支払人を空欄にした額面金120万円と金160万円の手形を2通振り出している。(甲第5号証) (5)ところが、1週間後、債務者は、債権者に対し、手数料として金70万円の支払を請求している。その理由は、債権者所有の不動産に対し、訴外商工ファンド株式会社の根抵当権設定仮登記が残ったままになっているからという理由であったが、これを払えば、上記額面額金120万円の手形は返却するということであったため、債権者は債務者の指示通り、平成13年*月4日金70万円を支払った。(甲第4号証) (残りの140万円につき、担保として額面金160万円の手形を預かる、140万円に関しての36回払いの償還表を送付する、との約束だった。) しかしながら、債務者は、約束を守らず、上記手形の返却及び残金の償還表の送付もしなかった。 (6)それに加え、さらに1週間後には、債務者は再び手数料と称して金70万円の請求をしてきたのである。これでは当初の契約内容とまったく違うことから、債権者は債務者に対して残元金を確認したところ、「残元金は金280万円であり、ジャンプするのであれば、今後も1週間ごとに70万円の手数料を払ってもらうこととなる。債権証書の写しの交付については忙しいので応じられない。」という回答を得ている。 (7)債権者は、弁護士にも相談し、(6)記載の手数料の支払を拒絶したが、その結果として、債務者に振り出した手形が交換所に回されることとなり、平成13年*月18日、合計金280万円が決済されることとなったものである。(甲第3号証・甲第5号証) (8)こうした経緯にも関わらず、債務者は債権者に対し、(6)記載の手数料金70万円を執拗に請求し、債権者がその支払を拒絶したところ、予め債権者から取得していた債権譲渡通知書を債権者の取引先3社に対して送付し、今度は債権者の取引先からの回収を図ろうとしている。 (9)ところで、上記の金銭消費貸借については、債務者が手数料名目で受領している金員については、利息制限法3条の「みなし利息」に当たることは明らかであるため、元金210万円に対して、週3割の超高金利を要求するものであり、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の上限金利を遙かに超える暴利行為であるので、明らかに公序良俗に反する行為であり、無効である。資金繰りに窮迫した債権者の無経験に乗じて、不当な利益を得る極めて悪質な暴利行為と言える。(甲第6号証) (10)仮に無効でないとしても、債務者の一連の行為は、明らかに債権者を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤によって意思表示をさせる行為であり、民法96条の詐欺による意思表示にあたるから、取り消しうべき行為である。 (11)仮に上記金銭消費貸借契約の無効又は取消が認められないとしても、利息制限法所定の金利による引き直し計算をしてみれば、債権者は債務者に対して全額を返済しているばかりか、金1,437,101円の不当利得返還請求権を持つ。(甲第6号証) 3、債権譲渡契約の不存在 (1)債権者は、平成13年*月25日、債務者の事務所において上記金銭消費貸借契約を締結しているが、この際、金銭消費貸借契約証書の他、いくつかの書面に署名押印をしている。 その中の一つが、債権譲渡通知書であり、既に、債務者の手によって、本件第三債務者である債権者の取引先3社へ送付されている。(甲第9号証) (2)しかしながら、次にあげる理由から、債権者債務者間には債権譲渡契約なるものは存在しない。 (3)そもそも、債権者に債務者に対する債権譲渡の意思表示が存在しない。 「この書類は何ですか。なぜこのような書類が必要なのですか。」と債務者にその意味を問うた債権者に対し、債務者は「返済が終われば関係ない」と繰り返すだけで、まったく債権譲渡契約の内容について説明をしておらず、半ば強引に署名押印をさせたにすぎないからである。日付も被通知人の記載も空欄で債務者に渡しており、従って、本件債権譲渡通知書における被通知人の記載は債務者が勝手に書き入れたものであり(筆跡からも明らかである)、債権者に被通知人への債権譲渡の意思はない。 (4)さらに、当該債権譲渡契約は、上記金銭消費貸借契約によって生ずべき債権を担保するためになされるべきものであることは明らかであることから、当該金銭消費貸借契約自体が公序良俗に反する法律行為である以上、当該金銭消費貸借契約と同様、無効なものと言える。 (5)仮に無効でないとしても、債務者の一連の行為は、明らかに債権者を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤によって意思表示をさせる行為であり、民法96条の詐欺による意思表示にあたるから、取り消しうべき行為である。 (6)仮に取り消しうる行為でないとしても、上記金銭消費貸借契約によって生ずべき債権を担保するためになされたものであることは明らかであることから、既に上記金銭消費貸借契約に係る債務の全額の元利金の返済が終了しているのが明らかである以上、当該債権譲渡はその時点において担保としての目的を達して失効していると言える。 ところが、本件債権譲渡は、債権譲渡通知書記載の局印のとおり、失効後である平成13年*月20日に差し出されたものであるから、明らかに権利の濫用と言え、かつ、信義則の原則からも許される行為ではない。(甲第9号証) 4、被保全権利のまとめ よって、債権者は債務者に対し、不当利得返還請求権及び借入金債務不存在の確認を求める請求権を持つと同時に、本件債権譲渡通知書によって特定された債権者債務者間の債権譲渡契約の存在しないことの確認及び債権証書一式についての返還を求める請求権がある。 第2、保全の必要性 1、債権者は、上記第1の4記載の各権利を実現するため、不当利得返還請求等訴訟を御庁に提起すべく準備中である。 2、しかしながら、既に債務者は、本件第三債務者である債権者の取引先3社に無効な債権譲渡通知書を送付しており、第三債務者に対しても債務者からの請求は既に及んでいる。 このままでは、第三債務者が債務者に、本来債権者に支払うべき金員を支払ってしまう可能性が高いばかりか、さらに他へ譲渡し、権利関係を複雑化される恐れもある。 そうなると、債権者自身の資金繰りにも多大な影響を与えることとなり、場合によっては倒産という可能性も否定できず、そもそも上記訴訟において勝訴判決を得ても実効を収めがたい。 3、なお、本件は、上記のとおり債務者の違法性が極めて高く、債権者の過払いも著しい事例である。しかも提出した疎明資料を逐一検討頂ければ、債権者・債務者間の取引明細は明白である。 よって債務者が多額の不当利得を得ていることは至極明らかな事実であり、本仮処分決定が出されたとしても、何ら債務者にとって損害が発生しないこともまた明らかである。 御庁におかれては、保証金の額を低廉に押さえていただきたく、申し添える。 4、よって、申立の趣旨記載の裁判ありたく本申立をする。 疎明書類 1、甲第1号証 債務者が送信した必要書類内容の案内 2、甲第2号証 債務者担当者の名刺 3、甲第3号証 入出金のご案内 4、甲第4号証 利用明細書 5、甲第5号証 手形写し 6、甲第6号証 利息制限法による計算書 7、甲第7号証 内容証明郵便 8、甲第8号証 配達証明書 9、甲第9号証 債権譲渡通知書 10、甲第10号証拠 報告書 添付書類 1、甲号証写し 各1通 2、資格証明書 4通 金2,130,198円(平成13年*月29日現在) 債権者が現在第三債務者株式会社****に対して有する売掛代金の全額並びに今後請求する売掛請求代金の全額 以下省略 |
平成13年 月 日 静岡地方裁判所 民事部 御中 債権者 ****株式会社 上記代表者代表取締役 **** 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり 債権目録 別紙債権目録記載のとおり 申立の趣旨 1、債務者は、第三債務者から別紙債権目録記載の債権を取り立て、又はこれについて譲渡、質権の設定その他の一切の処分をしてはならない。 2、第三債務者は、債務者に上記債務を支払ってはならない。 との裁判を求める。 申立の理由 第1、被保全権利 1、当事者 (1)債権者は、***を営む会社であり、債務者は、近時社会現象ともなった手形・小切手を担保に違法な超高金利(本件においては週3割の高利)を取る東京の「システム金融」業者である。 第三債務者は、債権者が債務者より詐取された債権譲渡通知書により債権譲渡通知を受けた被通知人(債権者の取引先)から、債権者不確知を原因として弁済供託を受けた国である。 2、債務者の詐欺的暴利行為 (1)以前、申立外商工ファンド株式会社より融資を受けていた債権者に対し、平成13年4月ころ、突然債務者からのファックスが届く。融資の勧誘である。 (2)平成13年5月中旬頃、資金繰りに窮した債権者は、藁をもすがるような思いで、電話で債務者に融資の申し込みをしたところ、「300万円までなら出せる。東京の事務所に来てくれ」とのことだったため、債務者に指示された「手形帳」「小切手帳」「印鑑証明書(会社及び個人)」「実印(会社及び個人)」などといった重要書類を持参し、平成13年*月25日に債務者の事務所を訪れている。(甲第1号証・甲第2号証) (3)当日債権者に対して債務者が提示した融資条件は、@融資金額及びA小切手を担保に取るなどといった点において明らかに事前に電話で確認したものと異なっていたため、一旦は申し込みを撤回した債権者であったが、債務者の執拗な勧誘に負け、金210万円の金銭消費貸借契約を締結している。(甲第3号証) なお、当該金銭消費貸借契約の内容は次のとおりである。 @融資額 金210万円(ただし、5万円を事務手数料として天引) A利息 年利10% B返済方法 合計36回の分割 ただし、債務者は債権者の署名した金銭消費貸借契約証書などの債権書類の控えを一切債権者に交付していない。 (4)一方、債務者は、上記契約の担保として、手形の振り出しを要求しており(当初は小切手の振り出しを要求したが、債権者がこれを拒絶した)、平成13年*月28日、債権者はこれに従い、日付及び支払人を空欄にした額面金120万円と金160万円の手形を2通振り出している。(甲第5号証) (5)ところが、1週間後、債務者は、債権者に対し、手数料として金70万円の支払を請求している。その理由は、債権者所有の不動産に対し、訴外商工ファンド株式会社の根抵当権設定仮登記が残ったままになっているからという理由であったが、これを払えば、上記額面額金120万円の手形は返却するということであったため、債権者は債務者の指示通り、平成13年*月4日金70万円を支払った。(甲第4号証) (残りの140万円につき、担保として額面金160万円の手形を預かる、140万円に関しての36回払いの償還表を送付する、との約束だった。) しかしながら、債務者は、約束を守らず、上記手形の返却及び残金の償還表の送付もしなかった。 (6)それに加え、さらに1週間後には、債務者は再び手数料と称して金70万円の請求をしてきたのである。これでは当初の契約内容とまったく違うことから、債権者は債務者に対して残元金を確認したところ、「残元金は金280万円であり、ジャンプするのであれば、今後も1週間ごとに70万円の手数料を払ってもらうこととなる。債権証書の写しの交付については忙しいので応じられない。」という回答を得ている。 (7)債権者は、弁護士にも相談し、(6)記載の手数料の支払を拒絶したが、その結果として、債務者に振り出した手形が交換所に回されることとなり、平成13年6月18日、合計金280万円が決済されることとなったものである。(甲第3号証・甲第5号証) (8)こうした経緯にも関わらず、債務者は債権者に対し、(6)記載の手数料金70万円を執拗に請求し、債権者がその支払を拒絶したところ、予め債権者から取得していた債権譲渡通知書を債権者の取引先3社に対して送付し、今度は債権者の取引先からの回収を図ろうとしているものである。 (9)ところで、上記の金銭消費貸借については、債務者が手数料名目で受領している金員については、利息制限法3条の「みなし利息」に当たることは明らかであるため、元金210万円に対して、週3割の超高金利を要求するものであり、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の上限金利を遙かに超える暴利行為であるので、明らかに公序良俗に反する行為であり、無効である。資金繰りに窮迫した債権者の無経験に乗じて、不当な利益を得る極めて悪質な暴利行為と言える。(甲第6号証) (10)仮に無効でないとしても、債務者の一連の行為は、明らかに債権者を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤によって意思表示をさせる行為であり、民法96条の詐欺による意思表示にあたるから、取り消しうべき行為である。 (11)仮に上記金銭消費貸借契約の無効又は取消が認められないとしても、利息制限法所定の金利による引き直し計算をしてみれば、債権者は債務者に対して全額を返済しているばかりか、金1,437,101円の不当利得返還請求権を持つ。(甲第6号証) 3、債権譲渡契約の不存在 (1)債権者は、平成13年*月25日、債務者の事務所において上記金銭消費貸借契約を締結しているが、この際、金銭消費貸借契約証書の他、いくつかの書面に署名押印をしている。 その中の一つが、債権譲渡通知書であり、既に、債務者の手によって、債権者の取引先3社へ送付されている。(甲第9号証) (2)しかしながら、次にあげる理由から、債権者債務者間には債権譲渡契約なるものは存在しない。 (3)そもそも、債権者に債務者に対する債権譲渡の意思表示が存在しない。 「この書類は何ですか。なぜこのような書類が必要なのですか。」と債務者にその意味を問うた債権者に対し、債務者は「返済が終われば関係ない」と繰り返すだけで、まったく債権譲渡契約の内容について説明をしておらず、半ば強引に署名押印をさせたにすぎないからである。日付も被通知人の記載も空欄で債務者に渡しており、従って、本件債権譲渡通知書における被通知人の記載は債務者が勝手に書き入れたものであり(筆跡からも明らかである)、債権者に被通知人への債権譲渡の意思はない。 (4)さらに、当該債権譲渡契約は、上記金銭消費貸借契約によって生ずべき債権を担保するためになされるべきものであることは明らかであることから、当該金銭消費貸借契約自体が公序良俗に反する法律行為である以上、当該金銭消費貸借契約と同様、無効なものと言える。 (5)仮に無効でないとしても、債務者の一連の行為は、明らかに債権者を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤によって意思表示をさせる行為であり、民法96条の詐欺による意思表示にあたるから、取り消しうべき行為である。 (6)仮に取り消しうる行為でないとしても、上記金銭消費貸借契約によって生ずべき債権を担保するためになされたものであることは明らかであることから、既に上記金銭消費貸借契約に係る債務の全額の元利金の返済が終了しているのが明らかである以上、当該債権譲渡はその時点において担保としての目的を達して失効していると言える。 ところが、本件債権譲渡は、債権譲渡通知書記載の局印のとおり、失効後である平成13年*月20日に差し出されたものであるから、明らかに権利の濫用と言え、かつ、信義則の原則からも許される行為ではない。(甲第9号証) 4、被保全権利のまとめ よって、債権者は債務者に対し、不当利得返還請求権及び借入金債務不存在の確認を求める請求権を持つと同時に、本件債権譲渡通知書によって特定された債権者債務者間の債権譲渡契約の存在しないことの確認及び債権証書一式についての返還を求める請求権がある。 第2、保全の必要性 1、債権者は、上記第1の4記載の各権利を実現するため、平成13年*月29日、不当利得返還請求等訴訟を御庁に提起した。 2、一方において、既に債務者は、債権者の取引先3社に無効な債権譲渡通知書を送付しており、債権者は、上記取引先3社を第三債務者とする「債権の処分禁止支払禁止仮処分命令」(平成13年(ヨ)第***号債権の処分禁止支払禁止仮処分命令申立事件)を得ている。(甲第11号証) しかしながら、上記の「債権の処分禁止支払禁止仮処分命令」に伴い、債権者の取引先極東塗装工業は、静岡地方法務局に対し、債権者不確知を原因とする弁済供託をしている。(甲第12号証) ところで、前述したとおり、債権者は債務者との契約締結にあたり、いくつもの書面に実印を押印させられており、印鑑証明書も債務者に渡している。債権譲渡通知書同様、これらの書面についてもまったく説明を受けておらず、債権者の記憶も定かではないが、供託物の払い渡しに関する承諾書が含まれていることも否定できない。実際、債務者は債権者の取引先に対し、盛んに「供託をしてくれ」と要求しているところから察するに、上記承諾書(印鑑証明書付き)を既に入手している可能性は高い。 そうであれば、このままでは、第三債務者が債務者に、本来債権者に支払うべき金員を支払ってしまう可能性が高いと言わざるをえない。 そうなると、債権者自身の資金繰りにも多大な影響を与えることとなり、場合によっては倒産という可能性も否定できず、そもそも上記訴訟において勝訴判決を得ても実効を収めがたい。 3、なお、本件は、上記のとおり債務者の違法性が極めて高く、債権者の過払いも著しい事例である。しかも提出した疎明資料を逐一検討頂ければ、債権者・債務者間の取引明細は明白である。 よって債務者が多額の不当利得を得ていることは至極明らかな事実であり、本仮処分決定が出されたとしても、何ら債務者にとって損害が発生しないこともまた明らかである。 御庁におかれては、保証金の額を低廉に押さえていただきたく、申し添える。 4、よって、申立の趣旨記載の裁判ありたく本申立をする。 疎明書類 1、甲第1号証 債務者が送信した必要書類内容の案内 2、甲第2号証 債務者担当者の名刺 3、甲第3号証 入出金のご案内 4、甲第4号証 利用明細書 5、甲第5号証 手形写し 6、甲第6号証 利息制限法による計算書 7、甲第7号証 内容証明郵便 8、甲第8号証 配達証明書 9、甲第9号証 債権譲渡通知書 10、甲第10号証 報告書 11、甲第11号証 仮処分決定正本 12、甲第12号証 供託書 添付書類 1、甲号証写し 各1通 2、資格証明書 1通 〒***−**** ********** 債権者 ****株式会社 上記代表者代表取締役 **** 電 話 ***** FAX ***** 〒***−**** 東京都***** 債務者 ******* 第三債務者 国 上記代表者 静岡地方法務局 供託官 ***** (送達場所) 〒420ー8650 静岡市追手町9番50号 静岡地方合同庁舎 静岡地方法務局供託課 金2,832,788円 ただし、債務者が第三債務者に対して有する申立外****株式会社が債務者又は債権者を被供託者として平成13年*月11日静岡地方法務局平成13年度(金)第***号をもって第三債務者に供託した供託金還付請求権 |
上記にあげた仮処分は、あくまで暫定的なものであり、最終的には、債権譲渡自体が無効であること、そして、依頼人が既に支払った超過利息部分の返還(支払義務のないことも含みます)及び債権書類の返還を求めることにあります。
さて、依頼人の側で提出した訴状、そして裁判所が下した仮処分命令は業者側に送達されたわけですが、その後、依頼人のところに業者から数回電話が入ったようですが、依頼人の毅然とした対応に諦めたのか、以後はまったく連絡が途絶えました。
訴 状
平成13年*月**日
静岡地方裁判所民事部 御中
原 告 *****株式会社
上記代表者代表取締役 ****
〒***−****
*******
原 告 ****株式会社
上記代表者代表取締役 ****
電 話 *****
FAX *****
〒***−****
東京都*****
被 告 *******
不当利得返還請求等事件
訴訟物の価額 145万円
貼用印紙額 29,600円
第1、請求の趣旨
(主位的請求)
1、被告は原告に対し、金145万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払い済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2、原告の被告に対する債務が存在しないことを確認する。
3、被告は原告に対し、債権証書を返還せよ。
4、別紙、譲渡債権目録1記載の、平成13年*月20日***郵便局****号をもって配達された債権譲渡通知書によって特定された原被告間の債権譲渡契約の存在しないことを確認する。
5、別紙、譲渡債権目録2記載の、平成13年*月20日**郵便局****号をもって配達された債権譲渡通知書によって特定された原被告間の債権譲渡契約の存在しないことを確認する。
6、別紙、譲渡債権目録3記載の、平成13年*月20日***郵便局*****号をもって配達された債権譲渡通知書によって特定された原被告間の債権譲渡契約の存在しないことを確認する。
7、訴訟費用は被告の負担とする。
との判決及び1項及び3項について仮執行宣言を求める。
(予備的請求)
1、被告は原告に対し、金1,437,101円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払い済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2、原告の被告に対する債務が存在しないことを確認する。
3、被告は原告に対し、債権証書を返還せよ。
4、別紙、譲渡債権目録1記載の、平成13年*月20日**郵便局****号をもって配達された債権譲渡通知書によって特定された原被告間の債権譲渡契約の存在しないことを確認する。
5、別紙、譲渡債権目録2記載の、平成13年*月20日**郵便局****号をもって配達された債権譲渡通知書によって特定された原被告間の債権譲渡契約の存在しないことを確認する。
6、別紙、譲渡債権目録3記載の、平成13年*月20日**郵便局*****号をもって配達された債権譲渡通知書によって特定された原被告間の債権譲渡契約の存在しないことを確認する。
7、訴訟費用は被告の負担とする。
との判決及び1項及び3項について仮執行宣言を求める。
第2、請求の原因
1、金銭消費貸借契約契約の無効又は取消
(1)原告は、***を営む会社であり、被告は、近時社会現象ともなった手形・小切手を担保に違法な超高金利を取る東京の「システム金融」業者である。
(2)以前、訴外商工ファンド株式会社より融資を受けていた原告に対し、平成13年*月ころ、突然被告からのファックスが届く。融資の勧誘である。
(3)平成13年*月中旬頃、資金繰りに窮した原告は、藁をもすがるような思いで、電話で被告に融資の申し込みをしたところ、「300万円までなら出せる。東京の事務所に来てくれ」とのことだったため、被告に指示された「手形帳」「小切手帳」「印鑑証明書(会社及び個人)」「実印(会社及び個人)」などといった重要書類を持参し、平成13年5月25日に被告の事務所を訪れている。(甲第1号証・甲第2号証) (4)当日原告に対して被告が提示した融資条件は、@融資金額及びA小切手を担保に取るなどといった点において明らかに事前に電話で確認したものと異なっていたため、一旦は申し込みを撤回した原告であったが、被告の執拗な勧誘に負け、金210万円の金銭消費貸借契約を締結している。(甲第3号証)
なお、当該金銭消費貸借契約の内容は次のとおりである。
@融資額 金210万円(ただし、5万円を事務手数料として天引)
A利息 年利10%
B返済方法 合計36回の分割
ただし、被告は原告の署名した金銭消費貸借契約証書などの債権書類の控えを一切原告に交付していない。
(5)一方、被告は、上記契約の担保として、手形の振り出しを要求しており(当初は小切手の振り出しを要求したが、原告がこれを拒絶した)、原告はこれに従い、平成13年*月28日、日付及び支払人を空欄にした額面金120万円と金160万円の手形を2通振り出している。(甲第5号証)
(6)ところが、1週間後、被告は、原告に対し、手数料として金70万円の支払を請求している。その理由は、原告所有の不動産に対し、訴外商工ファンド株式会社の根抵当権設定仮登記が残ったままになっているからという理由であったが、これを払えば、上記額面額金120万円の手形は返却するということであったため、原告は被告の指示通り、平成13年*月4日金70万円を支払った。(甲第4号証)
(残りの140万円につき、担保として額面金160万円の手形を預かる、140万円に関しての36回払いの償還表を送付する、との約束だった。)
しかしながら、被告は、約束を守らず、上記手形の返却及び残金の償還表の送付もしなかった。
(7)それに加え、さらに1週間後には、被告は再び手数料と称して金70万円の請求をしてきたのである。これでは当初の契約内容とまったく違うことから、原告は被告に対して残元金の確認及び債権証書の写しの交付を請求したところ、「残元金は金280万円であり、ジャンプするのであれば、今後も1週間ごとに70万円の手数料を払ってもらうこととなる。債権証書の写しの交付は忙しいので応じられない。」という回答を得ている。
(8)原告は、弁護士にも相談し、(7)記載の手数料の支払を拒絶したが、その結果として、被告に振り出した手形が交換所に回されることとなり、平成13年*月18日、合計金280万円が決済されることとなったものである。(甲第3号証・甲第5号証)
(9)こうした経緯にも関わらず、被告は原告に対し、(7)記載の手数料金70万円を執拗に請求し、原告がその支払を拒絶したところ、予め原告から取得していた債権譲渡通知書を原告の取引先3社に対して送付し、今度は原告の取引先からの回収を図ろうとしているのである。(甲第9号証)
(10)ところで、上記の金銭消費貸借については、被告が手数料名目で受領している金員については、利息制限法3条の「みなし利息」に当たることは明らかであるため、元金210万円に対して、週3割の超高金利を要求するものであり、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の上限金利を遙かに超える暴利行為であるので、明らかに公序良俗に反する行為であり、無効である。資金繰りに窮迫した原告の無経験に乗じて、不当な利益を得る極めて悪質な暴利行為と言える。(甲第6号証)
(11)仮に無効でないとしても、被告の一連の行為は、明らかに原告を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤によって意思表示をさせる行為であり、民法96条の詐欺による意思表示にあたるから、これを取り消す。
2、不当利得返還請求(予備的主張)
(1)仮に上記金銭消費貸借契約の無効又は取消が認められないとしても、利息制限法所定の金利による引き直し計算をしてみれば、原告は被告に対して全額を返済しているばかりか、金1,437,101円の不当利得返還請求権を持つ。(甲第6号証)
(2)したがって、原告は既に債務の全部を弁済しているのであるから、原告が被告に対して差し入れた債権証書についても、返還請求権を持っている。
3、債権譲渡契約の不存在
(1)原告は、平成13年*月25日、上記のとおり、被告の事務所において上記金銭消費貸借契約を締結しているが、この際、金銭消費貸借契約証書の他、いくつかの書面に署名押印をさせられている。
その中の一つが、債権譲渡通知書であり、既に、被告の手によって、原告の取引先3社へ送付されている。(甲第9号証)
(2)しかしながら、次にあげる理由から、原被告間には債権譲渡契約なるものは存在しない。
(3)そもそも、原告に被告に対する債権譲渡の意思表示が存在しない。 「この書類は何ですか。なぜこのような書類が必要なのですか。」と被告にその意味を問うた原告に対し、被告は「返済が終われば関係ない」と繰り返すだけで、まったく債権譲渡契約の内容について説明をしておらず、半ば強引に署名押印をさせたにすぎないからである。日付も被通知人の記載も空欄で被告に渡しており、従って、本件債権譲渡通知書における被通知人の記載は被告が勝手に書き入れたものであり(筆跡からも明らかである)、原告に被通知人への債権譲渡の意思はない。
したがって、本件債権譲渡は不成立と言わざるを得ない。
(4)さらに、当該債権譲渡契約は、上記金銭消費貸借契約によって生ずべき債権を担保するためになされるべきものであることは明らかであることから、当該金銭消費貸借契約自体が公序良俗に反する法律行為である以上、当該金銭消費貸借契約と同様、無効なものと言える。
(5)仮に無効でないとしても、被告の一連の行為は、明らかに原告を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤によって意思表示をさせる行為であり、民法96条の詐欺による意思表示にあたるから、これを取り消す。
(6)仮に取り消しうる行為でないとしても、上記金銭消費貸借契約によって生ずべき債権を担保するためになされたものであることは明らかであることから、既に上記金銭消費貸借契約に係る債務の全額の元利金の返済が終了しているのが明らかである以上、当該債権譲渡はその時点において担保としての目的を達して失効していると言える。
ところが、本件債権譲渡は、債権譲渡通知書記載の局印のとおり、失効後である平成13年*月20日に差し出されたものであるから、明らかに権利の濫用と言え、かつ、信義則の原則からも許される行為ではない。(甲第9号証)
4、よって、申立の趣旨記載の裁判ありたく本申立をする。
証 拠 方 法
1、甲第1号証 被告が送信した必要書類内容の案内
2、甲第2号証 被告担当者の名刺
3、甲第3号証 入出金のご案内
4、甲第4号証 利用明細書
5、甲第5号証 手形写し
6、甲第6号証 利息制限法による計算書
7、甲第7号証 内容証明郵便
8、甲第8号証 配達証明書
9、甲第9号証 債権譲渡通知書
添 付 書 類
1、訴状副本 1通
2、甲第1ないし第9号証(写し) 各1通
3、商業登記簿謄本 1通
譲渡債権目録1
1、譲受人 東京都*****
******
03−******
2、譲渡人 ********
*****株式会社
上記代表者代表取締役 ****
3、被通知人 *********
****株式会社
(債権譲渡通知書上の商号)
株式会社*****
上記代表者代表取締役 ****
4、譲渡債権
****株式会社が現在****株式会社に対して有する売掛代金の全額並びに今後請求する売掛請求代金の全額
5、内容証明郵便の受付番号
平成13年*月20日***郵便局****号
以下省略
続く・・・