その15. 「突然の解雇を言い渡されたのですが・・・・」

「勤務先の会社から、突然、解雇を言い渡されたんですが、これって従わなければならないのでしょうか?」
民法の原則によれば、期間の定めのない労働契約においては、使用者の「解雇の自由」が広く認められてはいる。
業務に適格性のない労働者の排除を可能にすることによって、企業及び社会全体における労働力の効率的配置が期待できる・・・などの理由による。
しかし、一方で、雇用を奪われた労働者は貧困に見舞われるだけでなく、心理的な打撃も余儀なくされ、社会に災厄をもたらすことにも繋がることから、労働基準法によって様々な規制がされているのが現状である。
「もうそんな会社に残りたくはないのですが、突然のことなので、何の保障もされないのかと思いまして・・・」
労働基準法20条によれば、解雇予告について、原則として、解雇の30日前に予告をするか、予告をしない場合は30日分の平均賃金を支払うことを使用者に義務づけている。
例外として、@天災事変その他のやむを得ない事由により事業の継続が不可能になった場合、A労働者の責めに帰すべき事由により解雇する場合がありますが、いずれの場合においても、所轄労基署長の解雇予告除外認定を受けなければならないとされている。
また、一定の労働者についての例外として、@日々雇用者(一ヶ月を超えて継続雇用された場合を除く)、A二ヶ月以内の期間雇用者(所定期間を超えて継続雇用された者を除く)、B季節的業務に従事する四ヶ月以内の期間雇用者(所定期間を超えて継続雇用された者を除く)、C試用期間中の者(14日を超えて継続雇用された者を除く)があるので注意が必要である。
「一昨日、もう明日から来なくて良いと言われたのですが・・・」
労働基準法20条の趣旨によれば、労働者を解雇する場合には、次のいずれかの方法によらなければならないこととなる。
@少なくとも30日前に解雇の予告をする。
A予告せず即時に解雇するのであれば、30日分以上の平均賃金を支払う。
B予告と平均賃金の支払いの併用によって、30日分以上を確保する。
従って、本件ではAの方法によるしかないものと考えられる。
「じゃあ、一ヶ月分の給与が保障されているわけですね?」
大まかに言えばそういうことであるが、厳密に言えば、30日分以上の平均賃金となっているので違う。
労働基準法12条によれば、「平均賃金」とは、これを算定すべき事由の発生した日以前の三ヶ月分にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額とされている。
従って、使用者に解雇予告手当を請求する際には、これを計算する必要がある。
「実際には、どうやって請求すれば良いのでしょう?」
まず、配達証明付きの内容証明郵便によって、使用者に請求書を送付するのが一般的であろう。使用者がよほど経済的に困窮していなければ、この段階で支払いに応じるものと考えられる。
しかしながら、それにも応じない場合には、労基署への申告、裁判所を利用した請求を考えざるを得ない。詳しくは、最寄りの司法書士などの専門家にお聞きいただきたい。


