研修生奮闘記!




高齢者の被害に直面し (平成15年度合格 山崎敏弘)
   

 私は、幸運にも2年間という日々を小澤事務所で研修することができました。小澤事務所での2年間、私にとっては、まさしく「修行」の2年間であり、研修生同士切磋琢磨し、毎晩遅くまで勉強、勉強の毎日でした。
 小澤事務所では、日々、多種多様の事件が舞い込んできます。1日に何件も事件を受任し、処理しなければならないということも度々です。裁判関係のイメージが極めて強いかとは思いますが、登記の量も非常に多く、また難解なものばかりです。
 そんな慌ただしく過ぎた2年間でしたが、いろんな方と出会い、いろんな事件を扱うことができ、今後の自分にとって財産となる非常に有益な時間を過ごすことができました。特にどの事件が印象に残ったとかいうことはありませんが、全体的にみて、高齢者に関する事件が多かったように思います。

「高齢者の被害に関する事件の受任」

 小澤事務所に来る高齢な相談者たちは、何故かはわかりませんが、何の前触れなしに突然事務所にやってくることが多いです。もちろん、こちらは日々仕事を山のように抱え、冷や汗をたらしながら仕事をしているのですが、そんな最中に突然やってきます。
 こんな忙しいときに・・・という気持ちもあるのですが、でも、ここで断ってしまったら、この人はどうするのであろうか、他に頼るところはあるのだろうか、と思うと帰らせるわけにもいきません。相談者は、何度も盥回しにされることは当然好みません。それに小澤事務所にやってくるだけでも、かなりの勇気がいたことでしょう。ましてや高齢者。それを考えると、何としてもという気持ちになり、使命感のようなものが芽生えます。最初のうちは、その使命感がばかりが先走り、空回りの日々でした・・・。

「悪質商法・保証金詐欺・ヤミ金・過剰貸付・・・」

 これらの被害にあう高齢者の方々は、普通に生活してさえいれば、何ら不自由なく生活できるレベルの方が多かったように思います。年金もしっかりもらっている方が多く、また、ほとんどが、真面目な方ばかりです。被害に遭い、しばらくたってから、こんな筈ではなかったと、親族に相談することもできず、何とか自分で処理をしなければと追い詰められ相談に訪れます。
 私たちが高齢者の事件を受任するにあたり苦労するのは、依頼者の記憶が曖昧であったり、ときには、被害にあったということに気づいていなかったりすることです。被害当時のことを鮮明に記憶している人は稀で、ましてや何の疑いももたず信じきっていたのですから、詳細を覚えていないことは当然なのかもしれません。
 そんな依頼者と、じっくり腰を据えて話しながら、信頼関係を築き、何とか解決に持っていくわけなのですが、そもそも、これら被害をどうすれば未然に防ぐことができるでしょうか。法律的には、成年という枠で片付けられてしまいますが、弱者であることは間違いありません。子供たちと同居しているような家庭であれば、こういった被害は防げるかもしれませんが、最近は、老夫婦のみ若しくは1人で生活している方もよく見受けられます。このような高齢者たちを被害から守るには、同居してくれる子供たちに代わる存在が必要です。自分は司法書士として、何ができるのか。その子供たちに代わる身近な相談相手となり、自分のところに来た依頼者が、二度とそのような被害に会わないようにしなければ、と思いながら日々の事件を処理してきました。
 このような高齢者の被害に関する問題は、地域によっては、町ぐるみで取り組んでいるところもあり、今後も、このような地域が増え、高齢者の被害が減少することを願ってやみません。そして、微力ながら、被害減少に向けたいろいろな活動に積極的に参加し、地域社会に貢献していきたいと考えます。

 これらの多種多様な事件を日々扱う私たち司法書士は、精神的に「タフ」でなければなりません。私も、上記のような事件を扱う中で、多くのことを学び、少しはタフになれたのではないかと思います。
 小澤事務所で研修された先輩方は、そのタフさを武器に、みなさん全国各地で第一線で活躍されています。私も、負けるわけにはいきません。先輩方を目標に、少しでも追いつけるようにがんばっていこうと思います。そしていつの日かは、研修生を育てるような司法書士になりたいですね。            



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