研修生奮闘記!




小澤事務所での研修を振り返って (平成17年度合格 大西彰)
   
 私は、1年間、小澤事務所で研修を積ませていただきました。
 平成17年に本試験を合格し、翌年に簡易裁判所訴訟代理の認定を戴きました。
 当時、すでに弁護士の大増員が予定されており、法律家である司法書士にとって、いままでのような登記一辺倒な執務姿勢では、これからは生きてゆけないと考え、思い切って静岡で修業を積ませてもらおうと単身赴任しました。

 小澤事務所では、登記はもとより、債務整理、建物明渡し、悪徳商法、遺言、後見事務等さまざまな事件が舞い込んできます。試験に合格したとはいえ、今まで大学を卒業して普通のサラリーマンをしていましたから、全く実務経験がない状態で入門しました。登記簿謄本を請求したことすらありませんでした。不安と期待が入り混じっての研修でしたが、数々の事件を受任し、相談に応じ、事件解決の道筋を示しながら依頼者にとって最善の方法を探求しました。

 入門直後で右も左もわからない時に初めて受任した人の事件は、忘れません。それは、消費者金融やクレジット会社、知人から多額の借金を抱えているご夫婦でした。お二人ともかなり憔悴されている様子でした。お聞きするとお子さんがまだ小さいのに、ご主人が職を失い、奥さんが1人でパートに出て一家を支えていました。当然、業者に対する支払は遅れがちで生活そのものが非常に苦しいものでした。支払いをストップさせて、生活の安定を図り、とりあえず精神的に安心してもらうことを第一に考えました。取引履歴から引き直し計算を行い、過払い金が発生しているものはすぐに請求、提訴に及びました。取引が比較的長く、過払い金が結構見込めました。結局、その後夫婦はご主人の復職と過払い金の戻りから、生活を立て直すことができました。事件が終了し、受任した当時から比べると比較にならないほど、お二人とも生き生きとされ、「ありがとうございました」とお礼を言われた時のことが忘れられません。

 また、ある女性から「兄が行方不明で連絡が取れない。変な業者から借金をしているらしい」という電話相談を受けました。警察に届け、何とかお兄さんを探し出し、2人で事務所まで来てもらいましたが、複数のやみ金から借りていることがわかりました。すぐその場で電話をかけ、取り立てをやめるように警告し、他の借金整理に取り掛かりました。

 その他、商工ローンから公正証書や自宅を担保に取られているご一家、事業が失敗して生活も会社もどうにもならない方、亡くなった兄さんが借金をしてその請求を受けている方、何百万も家賃を支払ってもらえていない家主の方、自宅に古い担保権がついたまま消すことができないで悩まれている方等、実に様々です。
 そして、事件を処理する傍ら、小澤先生の執務に対する姿勢や考え方を見聞きし、法律家の職責というものを次第に大きく感じるようになってきました。  

 事件は、あらゆるところで発生しています。しかし、それを解決するための専門家が不足している、居ても十分な法的サービスを受けられない方が非常に多いことに気が付きました。これは、法律専門職の数の問題もありますが、費用の回収も儘ならないような事件は受けたがらない等事件を処理する側の法律家の執務姿勢にも問題があると思います。

 小澤事務所での研修から、相談を受けた事件は全身全霊で受け止め、最善の解決策を探求すべく情報収集・調査・研究を惜しまないという法律家としての執務に対する基本的な考え方や姿勢、忍耐力の重要さを身にしみて感じ、これから司法書士として生きていくための基本というべきものを学びました。

 簡易裁判所の訴訟代理権が付与されて、司法書士に対する社会的な使命がますます大きくなってきました。それに応えるためには日々の研鑽しかありません。素早く処理する実務能力も要求されます。

 大阪に帰り、これからは、小澤事務所で学んだことを礎に日々の研鑽を重ね、法律家として成長を止めることなく、法律家たる司法書士として生きていきます。    



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