不動産の登記簿には、大きく分けて土地の登記簿と建物の登記簿の2種類が
あります。登記簿の「簿」というのは文字どおり帳簿を意味し、登記簿謄本は
この帳簿をコピーして法務局が証明したものを言います。従来、登記簿は所在
地番の順番に、土地であれば緑のバインダー式のファイルに、建物であれば赤
のバインダー式のファイルに綴じられていました。
しかしながら、コンピュータ化の波は登記簿の世界にも押し寄せており、全国で登
記簿のコンピュータ入力作業が進められています。 現在のところ、登記簿がコ
ンピュータ化された法務局は全国の法務局の既に3分の1を超えており、平成
16年頃までには全ての土地・建物の登記簿がコンピュータ化されて、従来のよ
うなバインダー式の登記簿はなくなると言われています。
ここで注意しなければならないことは、登記簿の内容をコンピュータに移行するに際し、これまで登記簿に掲載されていた全ての登記の情報が移記されるわけではなく、原則として移行時
に効力のある登記事項だけが転写されるにすぎないことです。
例えば、現在効力のある所有権よりも前の所有権の変遷は移行されませんし、
既に抹消されている抵当権も移行されません。この他、所有権の名義人につい
て移行以前に住所や氏名の変更登記がされていた場合には、最新の住所や氏名
だけが移行されます。
なお、例外的に、土地の表題部の地番、地目及び地積に関する登記や「原因及
びその日付欄」の記載、建物の表題部の「原因及びその日付欄」は移行されま
す。
登記の情報は、その利用の目的によって必要な部分が異なります。現在の所有
者、担保状況などを把握するのが目的である場合もありますが、相手先の信用
状態を把握するために登記の情報を利用しようとする場合には、既に抹消され
ている過去の担保の状況や所有権に関する動きなどは重要な意味を持つ場合も
あります。
ですから、コンピュータ化された登記簿に記載された事項より以前の状況を知
りたい場合には、コンピュータ化したことによって閉鎖されたバインダー式登
記簿の謄本を取得して調査する必要があります。
詳しくは、本ホームページでもご紹介させていただいている拙著「プロが教える 登記簿を見れば危ない取引先は見分けられる 」をご参照ください。
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