「腎臓売れ!」「肝臓売れ!」という脅し文句で強硬な債権回収を行ってきた日栄。マスコミが挙ってこの問題を大きく取り上げたことから、一気に商工ローン業者の業務実態が暴露されることとなり、根保証の問題や違法な高金利の問題がクローズアップされたことを記憶に新しいところです。
その後、日栄や商工ファンドの元社員の逮捕などをきっかけに、マスコミの追及の手は商工ローン業者から九州地域を中心に違法行為を行っている日掛業者に
シフトしているようです。 商工ローン業者も同様であったと思われますが、そもそも日掛金融業者とはどのような種類の金融業者なのか、マスコミが取り上げるまで、多くの方はその存在すら知らなかったのではないでしょうか?
商工ローン業者は中小企業者を対象に貸付を行い、消費者金融業者は一般消費者を対象に貸付をおこなっています。 これに対し、日掛金融業者は飲食店などの小規模な事業主に対して貸付を行う業者であります。
出資法という法律には、以下のようにその要件が定められております。
@従業員5人以下の小規模零細事業者を貸付の対象とすること。
A返済期間が100日以上であること。
B100分の70以上の日数にわたり、債務者の営業所又は住所におもむいて貸金業者自らが集金すること。
しかしながら、主婦やサラリーマンに貸付けたり(@の要件に反します。)、銀行払込の方法によって回収をしたりする(Bの要件に反します。つまりそもそも日掛金融業者は、自ら集金しなければならない手間との引き換えに異常とも言える超高金利が容認されているとされています。)違法営業をする業者が多数存在することや、商工ローン業者同様、多数の連帯保証人をとり(Aの連帯保証人にB、Bの連帯保証人にAという相保証の形態もよく利用されています。)、過酷な取立てを行っているという事実が問題となっているわけです。
取り分け、九州地域においては、あの日栄でさえ問題とならない過酷な取立てが現在でも行われているようであり、早速「日掛金融対策全国弁護団」が結成され熱心な救済活動を展開しており、我々司法書士も積極的に協力させてもらっている状況です。 そして、もう一つの大きな問題点が、出資法の特例によって容認されている、日掛金融業者の109.5%もの高金利であります。
商工ローン問題の社会問題化によって、金利にはグレーゾーンと呼ばれるものがあるということが顕実化しました。 つまり、利息制限法では15%から20%までの金利しか許されていないにも関わらず、一方にある出資法の上限金利が40.004%となっていたこと、貸金業を規制する法律の「みなし弁済」の規定の存在により、「白」ではないがまったくの「黒」というわけではない「灰色」の利率が容認されていたのです。そして、現在に至るまで大手の業者でさえ、このグレーゾーンで営業を続けているのです。
「日栄・商工ファンド対策弁護団」や我々司法書士も参画している「クレジット・サラ金・商工ローンの高金利引下げを求める全国連絡会」などの熱心な活動が国をも動かし、平成12年6月1日から、上記の出資法の上限金利が40.004%から29.2%に引き直されることになりました。 これは、確かに前進と言えるものですが、現実問題としては、大手サラ金業者はすでに29.2%を下回る利息で営業をしており、日栄、商工ファンドについてもほぼ同様であり、逆にそれら大手業者の高金利を追認してしまうという側面も否めません。 また、日掛金融業者の109.5%、さらには電話担保金融業者の54.75%という超高金利が認められている特例措置に関してはまったく触れられていないという点においては、極めて不十分なものであったと言わざるをえないでしょう。 現実に、上限金利の引き下げに関する出資法の施行を直前にして、多くの中小サラ金業者や商工ローン業者が109.5%の高金利を取れる、この日掛金融業者への登録変更を行っているようです。 早急にこの特例が撤廃されることが望まれます。
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