平成13年4月1日より、「そごう」に適用になって話題となった民事再生法の個人版が施行となります。
負債総額が3000万円以下(ただし、住宅ローンなど担保権が設定されているものを除く)の個人債務者について利用することができる手続となっていますが、大きな目玉として、住宅ローンに関する特則があります。
これまで、住宅ローンをかかえて多重債務となってしまった個人債務者の債務整理方法としては、任意整理の他、特定調停手続、自己破産手続がとられてきましたが、自己破産手続の場合は住宅の処分は前提となってしま
いますし、特定調停手続・任意整理手続をとった場合でも住宅ローン債権者としては、抵当権の実行をすることが可能であり、住宅を手放さなければならない事態に陥ることは防ぎようがありませんでした。
一方、今般の特則を利用することによって、住宅ローンについては、他の債権と別枠
として扱われることとして、住宅を手放すことなく債務整理が可能になっています。
具体的な住宅ローンに関するリスケジュールとしまして、民事再生法では、以下の4つの方法を定めています。
これまでの延滞分を再生計画期間内(3年から5年の間)に支払うのと同時に、今後返済期が到来するものについては当初の契約どおり支払っていく「期限の利益回復型」のリスケジュールが原則とされています。
これが困難と考えられる場合、「期間の延長型」のリスケジュールにより、返済期間の延長をすることができます。つまり、変更時の債務者の年齢が70歳を超えない範囲で、契約時当初の約定最終返済期限を10年まで
延長することが認められます。
さらに、「期間の延長型」リスケジュールでも、支払いの継続が難しいと考えられる場合には、「元本の一部据置型」のリスケジュールとして、約定利息の支払いを前提として、再生計画期間内に限り、元本の一部を据え
置くことも可能になっています。
これ以外に、「同意型」のリスケジュールとして、住宅ローン債権者の合意がある場合には、右に述べたようなリスケジュール以外にも任意に弁済条件を定めることが許容されています。住宅ローン債権者が、容易に応じ
ることは考えにくいところですが、合意さえあれば、元本のカットを含めたリスケジュールも可能となっているところに注意してください。
そして、右のリスケジュールを含めた再生計画が裁判所によって認可されれば、その結果として、住宅を手放さずに債務整理が可能となるわけです。
ただし、住宅ローン債権に関する特則を利用するにあたっては、留意しておかなければならない点が他にもいくつかありますので、詳しくは、司法書士などの専門家にお尋ねすることをおすすめします。
なお、現在、日本司法書士連合会の消費者問題対策推進委員会個人再生部会の一員として、この手続のマニュアル作成にあたっていると同時に、個人的にも一般向けの解説本の執筆をしています。 本ホームページでも何らかの形でもっと詳しく紹介させてもらうつもりですが、上記の書籍についても双方3月か4月には出版が予定されています。詳しくは、そちらも参考にしてみてください。
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