毎年6月に入りますと、新聞やテレビなどで「株主総会シーズンの到来」のニュースが大きく取り上げられます。誰もがその名前を知っている大企業の多くが、この時期に株主総会を開くからです。
株式会社というものは、商法の規定により、毎年1回必ず定時総会を開催しなければなりません。そして、そこでは、計算書類の承認や利益配当の決議などが行われます。計算書類とは、要するに、会社の財産の構成状態を示すものや、会社の経営成績を数字で表すものです。つまり、会社の過去の経営活動の成果などを審議し、将来の展望について検討する重要な場、それが総会であるわけです。
当然、総会に出席できるのは、その会社の株を持つ株主だけです。通常、その決議は出席株主の議決権の過半数で決することになり、議決権は1株につき1個ですので、多くの株を所有する株主の発言が、総会を大きく左右することになります。
本来、会社の所有者である株主によって構成されるこの株主総会は、会社の最高意思決定機関であり、国家における国会に相当するものを想定されています。
しかし、現実にはその本来の機能を果たさず、単なるセレモニーになってしまっている、と長い間指摘され続けてきました。一体なぜなのでしょうか?
会社の経営陣は株主が積極的に発言し、総会が長引くことを嫌います。そこで多くの上場会社では、いくつかの会社の株式を少しずつ持つプロの株主、いわゆる「総会屋」を、逆に利用してきました。
「総会屋」とは、株主総会への出席を目的に株式を所有し、いやがらせ的な質問などを恐れる会社側から金品を得ることを目的に活動する個人や団体の総称です。つまり、会社がその経営者側を支持する「総会屋」を雇い、一般株主を威嚇し、質問させないようにして短時間で総会を終わらせるようにしてきたわけです。「異議なし!」「議事進行!」といった「総会屋」の怒声や、威圧的な拍手が、総会のスムーズな進行を現実に助けていたわけです。
これでは、株主総会の本来の機能を果たすことができません。そこで、今から14年前の昭和56年、商法を改正し、会社が総会屋にお金を与えると罰せられるという、利益供与禁止の規定などが設けられました。この改正によって、総会屋の数は圧倒的に減ったと言われています。
ところが、今、新聞紙上を賑わしている「高島屋」の例を挙げるまでもなく、多くの一流企業が、なお「総会屋」と結びついていることが明らかになっています。
一般には、30分以内で「シャンシャン」と手を打って、丸くおさまる総会がほとんどであるそうです。しかし、それが「総会屋」を雇い入れたおかげであるならば、問題の残るところではないでしょうか?
とはいえ、国会で法案を審議する際でさえ、実質的な審議はほとんど行われず、与野党間の事前の根回しによって既にシナリオは完成しているそうなので、いくら商法を改正しても株主総会の実体が変わるはずがないのかも知れません。
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