Mikaduki Dayari title



破産法改悪?!


 すでに、このHPにおいても報告していますように、平成9年度の破産申立件数は、全国で71299件と、過去最高の数字を更新しつづけており、平成10年度は、これをさらに30%以上上回る数で推移しています。このままのペースで進めば、10万件を超えることになるでしょう。

 この異常事態を受け、国は、破産法の改正に着手しており、その作業はかなり早いペースで進んでいるようです。

 確かに、現行の破産法は、そもそもが現在のような消費者破産を念頭においていないため、手続上、さまざまな不都合があり、改正自体は異論を唱えるつもりはありません。

 さて、法制審議会が提示した検討事項の中には、新たに「個人債務者更生手続」というものを導入しており、破産とは違った生活再建の手段を講じております。

 これは、一定期間に一定の債務を返済する事によって、残った負債を免責するというもので、将来にわたって一定の収入が見込める場合には有効な立ち直りの手段となるものと考えられます。
 そして、一部では、この「個人債務者更生手続」を破産手続の前提として、導入するべきだという意見が出ているようです。

 しかしながら、これを安易に認めてしまう事は、手続を利用する多重債務者にとっては大いに危険が含まれていると考えられます。

 といいますのも、そもそも生活に余裕のない人が、一定の期間生活を切り詰めて返済に充てるお金を蓄える必要があるわけですから、病気や失業などといったアクシデントに見舞われれば、たちどころに返済不能になってしまうわけです。

 「個人債務者更生手続」を利用して立ち直りを図ることができると判断するには、まず月々の収入がどの程度あるのか、家族構成はどうなっており今後どのような出費が推定されるのかなど、きめ細かい聴取が必要でしょう。
 そして、現実には、この手続によって再建ができる多重債務者はけして多くはないと思われます。

 そうだとすれば、この「個人債務者更生手続」を破産手続の前に置くような破産法改正は容認できるものではありません。その選択は、まず申立人である多重債務者にさせるべきであり、破産手続と並列に置くべきだと考えられます。

 安易な破産を防ぐ、というのがこの「個人債務者更生手続」を前置させるべきだという考え方の根底にあるものと考えられますが、そもそもまったく経済的に余裕のない人たちから一定の返済をさせることにそれほど重要な意味があるのでしょうか?

 だらしのない債務者にとっての教育的効果などが主張されているようですが、その一方では、破綻した銀行などに対して考えられないほど優遇された法律が制定されるわけであります。
 とても説得力を感じることができないと考えるのは、おかしなことなのでしょうか?



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