アエル(旧 日立信販)とナイス会社更生申立!



 消費者金融準大手のアエル(株)(旧 日立信販(株)東京都港区赤坂1−1−1、設立昭和44年6月、資本金61億7553万円、二重作弘正社長、従業員850名)とグループ会社の(株)ナイス(荒川区西日暮里2−26−10、設立昭和51年11月、資本金10億円、大澤和夫社長、従業員300名)は9月30日、東京地裁に会社更生手続開始を申し立てしました。
 申立代理人は清水直弁護士(中央区八重洲2−2−12)。保全管理人は大橋正春弁護士(千代田区神田小川町1−7)となっており、負債はアエルが約820億円、ナイスが約274億円とのことです。

 以下、報道を引用させていただいて、概要をあげておきますと・・・・

 アエルの15年3月末での融資残高は1064億円、口座数は27万5000件で、消費者金融業界の中では第14位の数字となっております。
 同社は、昭和44年、山一物産(株)として消費者向け無担保ローン事業を開始。その後、昭和58年日立信販(株)に商号に変更後は、関東中心から全国的な店舗展開を開始、関連会社の合併なども行い平成7年には全国店舗網を構築しており、平成9年からは無人店舗を本格的に導入するなど、ピーク時の平成10年3月期には営業収益611億2000万円をあげていたようです。
 また10年3月、当時のメイン銀行の東京相和銀行の第三者割当増資を引き受けるほか、同年9月店頭上場の酒類ディスカウントストア大手のサリ(株)(足立区)が転換社債約24億円の償還資金調達難に陥ったことから、償還資金を融資するとともに二重作社長ほか日立信販グループ会社や関係者が出資するなどで経営を支援。平成13年6月には二重作社長の長男で元常務の二重作弘幸氏がサリ社長に就任しています。

 ところが、東京相和銀行が平成11年6月に経営破たんしたうえ、主要借入先の東邦生命も経営破たん。特に、東京相和銀行の増資の際に、同社を経由した還流増資に協力していたことなどから信用性が低下し、平成13年7月には現商号に社名を変更しているとのことです。

 その後業務内容見直しを行い、東京相和銀行、東邦生命からの借入金は返済条件の変更を行うほか、資産担保証券(ABS)・クレジットリンク債の発行による資金調達を実施。さらに、不採算店の閉鎖など店舗統合を進めていたとのことですが、平成12年6月の改正出資法による法定上限金利の引き下げの影響が大きく営業貸付金は伸び悩んでいたようです。

 同社の15年3月期は、営業貸付金が前年度比4%減となったことから営業収益は281億8,600万円に減少。デリバティブ取引に伴う損失、ABSのリファイナンスに伴う一部早期償却を特別損失に計上したため、当期損失34億9000万円の赤字となったことから経営立て直しを進めていたようです。8月には営業貸付金を大手金融機関に対し売却する交渉に入っていたが、交渉は進展せず今回の申立となったとのことです。

 また、グループ会社のナイスは15年3月末で融資残高377億円、口座数は12万1,000件で業界第28位です。
 平成12年12月にはオランダの大手金融機関INGグループから出資を受け業容拡大を目指していたが、増収には至らず14年4月、INGグループとの資本関係は解消。ピーク時の平成11年3月期には営業収益178億円をあげていたが、貸出金利引き下げの影響から14年3月期の営業収益は106億円に減少。有人店舗の閉鎖など経費削減を進めていたようです。
 ナイスもアエル同様、営業貸付金を大手金融機関に対し売却する交渉に入っていたようですが、交渉は進展せず今回の申立となったとのことです。


 さて、今回の会社更生の申立によって、どのような問題が考えられるでしょうか?

 一つの大きな問題は、上記の2社からお金を借りている債務者の債権債務関係がどうなってしまうのかということでしょう。
 ただ、ややこしいのは、上記2社は、利息制限法所定の金利以上の金利で金員を貸し付けておりますが、貸金業の規制等に関する法律43条の要件を充足していないと考えられる点です。
 仮にそうであれば、上記2社と長期間にわたって取引をしていた債務者は、実は債務者ではなく、過払い金請求権を持つ債権者かもしれないのです。
 だとすれば、債権届けをしていく必要がありますが、そのような潜在的な債権者は、期間内に債権届け出をすることは事実上無理でしょう。そのようなことを夢にも考えていないでしょうから。
 さらに、そのような債務者が、全国に多数存在しているとすれば、そもそも会社の資産評価(貸付金の評価)を、すべて利息制限法所定の金利に引き直して評価し直す必要性が大きいと考えられるわけです。
 専門家集団による早期の対策が望まれるところだと思います。
(平成15年10月11日)                          

   






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