認定司法書士に何が代理できるのか?



 平成14年の司法書士法の改正により、所定の研修を修了した司法書士のうち簡裁訴訟代理関係業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した者は,簡易裁判所において一定の訴訟代理行為等を行うことができることとされました。

 具体的にどのような行為が代理できるのかを、簡単に説明しておきます。

 なお、くれぐれもご注意いただきたいのは、代理できない裁判所の手続においても、すべての司法書士は書類作成を主とする本人訴訟支援は、従来通り可能であるということです。

   つまり、これまでどおり、訴状や答弁書、準備書面はもちろんのこと、調停申立書の作成、破産申立書の作成、民事再生申立書の作成などは、すべての司法書士が行うことは可能です。

   以下、今般の改正司法書士法によって代理することが可能になったものと、そうでないものを分かりやすく説明します。

   「代理できるもの」
 1.簡易裁判所における通常訴訟
 2.簡易裁判所における訴え提起前の和解手続
 3.簡易裁判所における支払督促手続
 4.簡易裁判所における訴え提起前の証拠保全手続
 5.簡易裁判所における民事保全手続
 6.少額訴訟
 7.民事調停
 8.相談、裁判外の和解手続(但し、簡易裁判所の民事訴訟の対象となる民事紛争に限る)
   

 「代理できないもの」(但し、従来通り書類作成はいずれも可能ですのでご注意ください)
 1.簡易裁判所における公示催告
 2.簡易裁判所における仲裁手続
 3.簡易裁判所における借地非訟手続
 4.上訴の提起(控訴、抗告など)
 5.再審
 6.強制執行
 7.地方裁判所における訴訟手続
 8.破産申立
 9.民事再生申立
 10.離婚などの家庭裁判所における家事事件
   

   なお、簡易裁判所の民事訴訟の対象は、現在90万円以下となっていますが、来年には140万円に変更がされる予定です。

   また、上限である90万円についても、例えばサラ金業者が100万円を請求しているからといって、即座に代理が出来ないというわけではなく、利息制限法所定の金利に引き直した場合の金額との差額及び分割払いにより債務者が受ける利益が90万円を超えなければ代理は可能となります。  

 この点については、少々分かりにくいので、受任する数が最も多いと考えられるクレサラ事件を例に、典型的な事例で代理が可能かどうか、示しておきます。  

 「代理できるもの」
 1.サラ金業者が90万円の請求をしている場合の債務不存在確認訴訟(訴えで主張する利益が90万円を超えていない。)
 2.利息制限法所定の金利に引き直した結果、90万円の過払い金が判明した場合の不当利得返還請求訴訟(訴えで主張する利益が90万円を超えていない。)
 3.サラ金業者が150万円を請求している場合において、利息制限法所定の金利に引き直し計算をした結果、残債務が100万円となった場合の分割払いを定める特定調停手続又は任意整理手続(債務者が受ける経済的利益が90万円を超えていない。150万円−100万円の50万円と残った100万円に対する分割返済による経済的利益の合計が90万円を超えていない。)

「注意!」分割返済による経済的利益の考え方については少々複雑ですので、事前に司法書士にご確認ください。

   「代理できないもの」
 1.サラ金業者が200万円の請求をしている場合の債務不存在確認訴訟(訴えで主張する利益が90万円を超えている。)
 2.利息制限法所定の金利に引き直した結果、150万円の過払い金が判明した場合の不当利得返還請求訴訟(訴えで主張する利益が90万円を超えている。)
 3.サラ金業者が300万円を請求している場合において、利息制限法所定の金利に引き直し計算をした結果、残債務が100万円となった場合の分割払いを定める特定調停手続又は任意整理手続(債務者が受ける経済的利益が90万円を超えている。300万円−100万円の差額200万円が経済的利益の一部になるが、これだけでも90万円を超えている。)
   (平成15年7月29日)                          

   






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