「全国一斉過払い金返還請求訴訟」の実施にあたっての会長談話
平成15年9月29日
全国青年司法書士協議会
会 長 盛 岡 登 志 夫
全国青年司法書士協議会とは、全国各地の青年司法書士約2400名で構成され、「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与する」ことを目的として日々活動している任意団体です。
本年4月1日、市民生活の利便性の一層の向上に資するべく、「改正司法書士法」が施行され、法務大臣が指定した研修を終了し、認可を受けた司法書士は、簡易裁判所において訴訟等代理業務を行うことが可能となり、また本年7月28日には全国で計2989名の司法書士が、改正司法書士法3条2項2号の第一次認定を受けました。
司法制度改革の流れを受けた今回の法改正は、「国民の権利擁護に不十分な現状を直ちに解消する必要性にかんがみ、利用者の視点から、当面の法的需要を充足させるため」になされたものであり、私たちは「市民の期待に応える司法制度の構築」につき、一翼を担うべく行動する責務を負い、また市民の法的需要を充足させるために、「簡裁代理権」を市民から負託されたと考えます。
すなわち、私たち青年司法書士は、市民生活の現状を凝視することにより、市民生活の利便性の向上のために為すべき課題を自ら見つけ出し、解決に向けあらゆる手段を講じる責務を負っていると考えます。
また、経済的、法的、情報的弱者である市民が、司法改革が理想に掲げる、「市民一人ひとりが、統治の客体意識から脱却し、自律的でかつ社会的責任を負った統治主体として、互いに協力しながら自由で公平な社会を構築に参画」することが可能となるためには、『市民にとって、より利用しやすく、分かりやすく、頼りがいのある司法』が必要であり、また『市民の司法へのアクセスを拡充する制度』も必要になります。
現在、市民生活に目を向けると、様々な社会的問題・法的紛争が山積しておるところ、市民の法的需要が充足しているとは言い難い現状であります。特に「多重債務問題・ヤミ金問題」については、需要の爆発的増加に対して、法的サービスの担い手が圧倒的に不足しており、そこでは司法書士の積極的な取組が期待されております。
私たち青年司法書士は、「多重債務・ヤミ金問題」は、単なる経済的問題ではなく、社会構造上の問題でもあり、数多くの市民の生命や尊厳にかかわる重大な「基本的人権上の問題」としての性質があると考えます。
「多重債務・ヤミ金問題」を解決するための活動は、憲法で保障される「基本的人権の擁護」の活動であるとの観点からまた、以前より私たち青年司法書士が継続的に取組んできた「多重債務者救済支援活動」の一方策として、本日「全国一斉過払い金返還請求訴訟」を実施しました。
今般の「一斉過払い」の実施にあたり、全国に遍く存在する私たち青年司法書士は、正に「市民のための、街の法律家」として、簡易裁判所事物管轄に属する紛争解決が、基本的人権の救済に繋がることを強く自覚し、あらゆる市民生活の利便性の向上のため、特に経済的・情報的弱者の基本的人権の擁護が自らの使命であることを確認し、その擁護に全力を尽くすものであり、今後も更に権利擁護の実践を継続することを、ここに決意するものであります。
(平成15年10月1日)
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