Q.消費者問題の市民団体を作っています。ある訪問販売業者の契約書に著しく不当な条項があり、大勢の消費者が被害を受けています。私たちの団体で、この商法の差し止めを請求することができないのでしょうか。
A.
残念ながら現在の段階では、消費者団体にご質問のような権限は認められていません。
しかし、消費者契約法施行後5年を目処に、被害の未然防止のために、消費者団体にご質問のような差止請求権を認めるかどうか検討されることになっています。
消費者契約の被害は、あくまでも契約の当事者である事業者と消費者との間の個々の問題です。消費者契約法が施行されても、被害を受けた消費者が個別に被害回復を図っているだけでは、それが個別の事件として現れるだけで、契約条項そのものを是正することにはつながりません。
しかも、事件として現れるのは被害全体のほんの一部でしかありませんから、悪意のある事業者は全く是正の努力をしないことが容易に想像でき、不当条項を含んだ契約が実質的にまかりとおることになりかねません。
諸外国では、消費者団体が事業者の作る約款等のオンブズマン的役割を果たし、不当な条項がある場合には消費者団体が主体となって不当条項の差止請求ができる制度が用意されている国も少なくありません。
そこで、消費者契約法の立法段階では消費者団体の差止請求権も検討されましたが、最終的には規定されるに至りませんでした。
しかし、平成12年4月14日の衆議院商工委員会及び平成12年4月27日の参議院経済・産業委員会では、消費者契約法の施行状況をみながら、今後、消費者団体の差止請求権を検討するよう附帯決議がなされています。