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個人債務者再生手続き 早わかり
著者  小澤吉徳 増田真也
発行 こう書房 (03-3269-0581)
ISBN4-7696-0734-2
「定価1400円(税抜)」
自己破産、特定調停に続く第3の債務整理メニューとして登場した「個人債務者再生手続き」は、今後の多重債務者の法的整理手続きにおける中心となるだろう。自己破産では、すべての財産を処分して清算するのが原則であり、特定調停では、元本のカットまでは困難であり各債権者との個別の交渉が不可欠である。 一方、「個人債務者再生手続き」によれば、破産をせず再建が図れ、住宅資金貸付債権に関する特則の利用によって住宅を手放さずにすみ、住宅ローン以外の債権については元本もカットが可能であるからである。本書では、この新しい「個人債務者再生手続き」を書式例満載で分かりやすく解説している。(2001年5月初版発行)



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破産せずに借金を上手に整理できる
「個人債務者再生手続き早わかり」


はじめに

 個人破産件数が全国で12万件を突破したのが、1999年。
 2000年は、さらにこれを10%近く上回る数字で推移し13万件をわずかに下回る数字となっています。また、多重債務者は全国レベルで150万人から200万人存在するとさえ言われております。
 実際に私が多く関わってきた個人債務者の実状は、決して高収入とは言えない状況にありながら、追い打ちのように賃金カット・リストラが行われ、消費者金融などを利用しなければ生計を維持することができない状況に追い込まれています。
 また、バブル期に、将来の賃金上昇を見込んで住宅を購入した人は、その当てがまったくはずれ、住宅ローンの返済に四苦八苦しています。それでも、約束は守らなければならない、借金は返さなければならないと悪戦苦闘しているうち、多重債務者に陥っていくのです。
 そして、その一方では、高金利による貸し付け、返済能力に比べて過剰な貸し付け等が横行しており、大手消費者金融は、依然として右肩上がりの成長を続けています。
 このような客観的に判断すれば誰もがおかしいと感じる現状において、我々法律実務家は、現実に目の前に存在する多重債務者の法的整理に追われているわけです。

 さて、本書は、平成13年4月より施行されることとなった「個人債務者に関する民事再生手続」について、ケース・スタディに比重を置き、分かりやすく説明をするものです。
 この手続は、先に述べたような、多くの多重債務者のおかれている現状を重くみた国が、新しく作った法律であります。
 簡単に言えば、定期的収入のある者について、ある程度の可処分所得を吐き出させることにより、その余は実質的に免責しようとするものであり、また、住宅ローンを抱えている多重債務者が、何とか住宅を手放さないで再生する方法を定めたものであります。
 これまでの、個人の多重債務者の債務整理としては、自己破産手続、任意整理、調停手続が大きな3つの柱でありました(前著「クレジット・サラ金で困ったときに必ず役立つ本」において紹介させていただいております)が、この新しい制度は、いろいろな意味において、従来の手続のデメリットを克服しておりますから、従来であれば破産手続を利用したケースの一部はこの特則を利用することになるでありましょうし、任意整理・調停を利用したケースの多くはこの特則を利用することになることが容易に想像できると思われます。
 これで、個人債務者の債務整理手続のメニューは出揃ったとも言えます。夜逃げや自殺などをする必要はまったくありません。この新しい手続で、破産をすることなく、経済的な再生が可能になったのです。

 いまだ施行前の段階であり、実際の運用がはっきり分かっていない状況ですので、細かい点について、本書と異なる部分も出てくるとは思います。
 また、立法担当者をして、「難しい」と言わしめている法律でもありますから、到底この1冊だけでは説明しきれるものではありません。
 法律の専門家でない読者を対象としていますから、用語の厳密な定義を省略している部分も少なくなく、そのため、かえってわかりにくくなっているところもあるかもしれません。

 しかしながら、この手続は、今後の多重債務者の法的整理手続きにおける中心となるであろう手続と考えられますので、現実に多重債務の困窮している人や家族にそのような人を抱えている人、また、そのような相談を受けている人や法律実務家の人など、より多くの人々に、いち早くその内容を知ってもらうべく、緊急に出版をしたものであります。
 今後の実務の運用に伴う変更点につきましては、増刷時に適宜修正を加えていくことをお約束させていただき、ご容赦を願うものであります。

平成13年4月

            司法書士 小澤吉徳

『個人債務者再生手続き 早わかり』
ー もくじ


はじめに


第1章 個人債務者再生手続きで債務整理はどう変わるか

「個人債務者再生手続き」とはなんですか
「個人債務者再生手続き」の目的
これまでの債務整理手続きのメリット・デメリット
「特定調停」と「個人債務者再生手続き」をくらべると   
● 特定調停のメリット・デメリット   
●「個人債務者再生手続き」なら元本部分のカットができます
「自己破産」と「個人債務者再生手続き」をくらべると   
● 自己破産のメリット・デメリット   
● 自己破産手続きは誰でも利用できるけれど

第2章 個人債務者再生手続きとはどんなものか

「個人債務者再生手続き」には3つの手続きがあります
「個人債務者再生手続き」の手順は
「個人債務者再生手続き」はシンプルでスピーディ
「個人債務者再生手続き」を利用できるのは
「小規模個人再生手続き」とはなんですか
「給与所得者等再生手続き」とはなんですか
「小規模個人再生手続き」と「給与所得者等再生手続き」はどう違うのですか
「小規模個人再生手続き」と「給与所得者等再生手続き」のどちらを選択すればよいのですか
「住宅資金貸付債権に関する特則」とはなんですか
なぜ「住宅資金貸付債権に関する特則」ができたのですか
どのような場合に「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用できますか
「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用するにはどうすればいいですか
「住宅資金特別条項」とはなんですか
「個人債務者再生手続き」ではどのような再生計画を立てるのですか
債権者による再生計画案の決議はどのように行なわれますか
再生計画案が認可決定され確定するとどうなりますか
再生計画の期間中に計画どおりの支払いができなくなったときはどうすればいいのですか
再生計画の期間中に支払いができなくなったときはどうすればいいのですか

第3章 申立ての前に知っておきたいQ&A
Q どのような人が「個人債務者再生手続き」を申し立てることができますか
Q 要件にある「収入」とはアルバイトやパートによるものでもいいのですか
Q 要件にある「収入」には同居の家族や親族の収入も含まれますか
Q 司法書士や弁護士に頼まずに自分自身で申し立てることはできますか
Q 裁判所が選任する「個人再生委員」とはなんですか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てるのに費用はどのくらいかかりますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立ててから終了するまでの期間はどのくらいですか
Q 「個人債務者再生手続き」を利用した場合のデメリットはなんですか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てるとサラ金の取立はどうなりますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てると保証人に迷惑がかかりませんか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てると親族に影響が及びますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てると家財道具は取り上げられますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てると退職金や生命保険解約金などはどうなりますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てるとアパートの家賃の支払いはどうなりますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てると滞納してる税金などはどうなりますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てるとクレジット支払い中のクルマはどうなりますか
Q 借金のほとんどがギャンブルによるものでも「個人債務者再生手続き」を利用できますか
Q 「個人債務者再生手続き」を申し立てると債権者に給料を差し押さえられることはありますか
Q 自己破産者でも「個人債務者再生手続き」を申し立てることはできますか
Q サラ金業者の担保権がついた住宅に「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用できますか
Q 保証会社が代わりに住宅ローンを支払った場合は「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用できますか
Q 「住宅資金特別条項」を含む再生計画案に住宅ローン債権者の同意は必要ですか
Q 連帯保証人がいる場合にも「住宅資金特別条項」を定めることはできますか
Q 競売手続きに入っていても「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用できますか

第4章 事例でわかる個人債務者再生手続きのすすめ方

「ケース1」住宅を手放さないで債務整理 ── 「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用して「給与所得者等再生手続き」を申し立てる

どのような債務整理手続きが考えられるか
住宅を手放さずに再建をめざす  
 「住宅資金貸付債権に関する特則」が利用できるか   
月々の返済額はいくらになるか   
より負担が軽い返済方法もある   
【書式例:住宅ローン返済計画表】
「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用した再生計画を立てる  
 どのスケジュールで返済するか   
「住宅資金貸付債権に関する特則」を申し立てる債務者は専門家の助言をもらえる    
【書式例:事前協議の申入れ】
「小規模個人再生手続き」か「給与所得者等再生手続き」か  
 手続き選択の際のポイントは   
それぞれの弁済額を計算してみる     
【書式例:返済総額算出シート(給与所得者等再生)】  
 可処分所得2年分が最低弁済額よりも多いときは  
 破産の場合よりも多くの額を返済できるか   
クリアすべきことをまとめると     
【書式例:給与所得者等再生手続きの開始申立書】     
【書式例:陳述書】     
【書式例:家計全体の状況表】     
【書式例:財産目録】     
【書式例:添付書類一覧表】     
【書式例:債権者一覧表】     
【書式例:清算価値算出シート】     
【書式例:可処分所得額算出シート】
「個人債務者再生手続き」を申し立てるには
「給与所得者等再生手続き」の開始決定を受ける  
 利用できる要件に該当しない場合は    
【書式例:給与所得者等再生手続きの開始決定】
個人再生委員が選任されることもある  
 どのようなときに個人再生委員が必要となるか   
個人再生委員はなにをするのか     
【書式例:個人再生委員の選任】
債権の調査がされる  
 債権者の主張する債権額と自分の認識する債務額が違う場合は
再生計画案を作成し提出する
再生計画の認可を受ける   
【書式例:再生計画案】     
【書式例:住宅資金特別条項】     
【書式例:再生計画による返済計画表】
再生計画の履行は自分のちからで
再生計画の変更はできるか
計画の変更すら困難な状況になった場合は「ハードシップ免責」を  
【書式例:再生計画変更の申立て】    
【書式例:ハードシップ免責の申立て】

「ケース2」経営している店をたたまずに債務整理 ── 給与所得者でない個人事業者が「小規模個人再生手続き」を申し立てる

「個人債務者再生手続き」のなかのどの手続きが使えるか
毎月の返済額はいくらになるか
特定調停手続きは使えるか
清算価値保障の原則をクリアしているか
債権者の同意が得られるか
「個人債務者再生手続き」の申立てと個人再生委員の選任  
【書式例:小規模個人再生手続きの開始申立書】  
【書式例:陳述書】  
【書式例:家計全体の状況表】   
【書式例:財産目録】   
【書式例:添付書類一覧表】   
【書式例:債権者一覧表】   
【書式例:清算価値算出シート】
「小規模個人再生手続き」の開始決定を受ける  
【書式例:小規模個人再生手続きの開始決定】
債権の調査がされる
再生計画案を作成する
再生計画案の決議を受ける   
【書式例:再生計画案】
再生計画の認可を受ける

資料編
可処分所得算出の政令 別表一〜七
全国の司法書士会一覧
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