司法制度改革の時代を司法書士として生きる!
〜全青司活動現場からのレポート〜




金利引き下げシンポジウム東北大集会とデモ行進 (平成18年1月30日)

1.金利引き下げシンポジウム東北大集会とデモ行進

(1)平成15年7月、ヤミ金融対策法(貸金業規制法及び出資法の一部改正法)制定の際、出資法の上限金利については同法施行後3年を目途に見直すこととされ、その時期は目前に迫っております。平成15年に24万件を突破した個人自己破産申立件数は、平成16年に減少こそしたものの、一方で、個人債務者再生手続の申立件数は増加し、任意整理も急増している現実があり、多重債務問題は依然として経済苦による自殺や犯罪、夜逃げ、児童虐待、DV等を引き起こす要因となっており、深刻な社会問題であります。
 そこで、市民が安全に生活できる消費者信用市場の構築と多重債務問題の抜本的解決のためには、少なくとも出資法の上限金利を利息制限法の制限金利まで早急に引き下げる必要があります。
 市民とともに歩む伴走者としての法律家を自負する我々にとって、苦しむ市民の声を行政府・立法府に届けるためにも一丸となって関係各機関への働きかけと国民的世論の形成を行わなければなりません。そこで、平成18年1月28日(土)、29日(日)、東北圏内の弁護士司法書士に総動員をかけ、高金利問題の中で特に法的安定性のない貸金業規制法第43条(みなし弁済)の違憲性を提言するとともに、同法同条の撤廃及び出資法5条1項・2項の改正(引下げ)並びに附則撤廃(日掛け特例・電話担保特例)を実現するため本シンポジウムを開催いたしました。
 主催は、高金利引下げを求める東北集会実行委員会、共催が、高金利引下げを求める宮城連絡会、みやぎ青葉の会、全国青年司法書士協議会で、後援が、仙台弁護士会、宮城県司法書士会となっております。

(2)今回の一つの目玉は、集会に先立って行われた「デモ行進」であります。11時30分に、仙台市役所前の市民広場に200名弱もの賛同者が参集、寒風吹きすさぶ中、「高金利を許すな!」などのシュプレヒコールをあげ、広く市民に呼びかけることができました。
 特筆すべきは、地元実行委員会のアイデアによる、チンドン屋さんとの連携でありましょう。チンドン屋さんの演奏による替え歌(「明日があるさ」の替え歌)も盛り上がりました。そして、何よりもチンドン屋さんに先導してもらうことにより、通行人の目をこちらに向けることが可能になります。この企画は大成功であったと思います。私も、新里弁護士の隣で、大声でシュプレヒコールをあげさせていただきました。このデモ行進は、新里弁護士の発案によるものですが、高金利引き下げ運動においては初の試みということであります。是非、皆さまの地域でもご検討いただきたいと思います。

(3)さて、この市民公開型集会は、現地実行委員会でもある車塚潤司法書士(全青司消費者問題対策委員会)の挨拶に始まり、第1部は、市民公開講座「ヨジ弁がきる!金利問題&ヤミ金」であります。
 宮城県のテレビ番組で有名なヨジ弁の皆さまによる、論点整理は、業界側の主張と消費者側の主張を対比させて、初めてこの議論に触れる方にとっても非常に分かりやすい内容になっていたと思います。もちろん、市民の皆さまのジャッジは、すべて消費者側となっています。

(4)第2部は、新里宏二弁護士(高金利引下げを求める東北集会実行委員長)による基調報告「今こそ多重債務社会を打破しよう〜多重債務社会の現状と課題」からスタートです。
 冒頭に指摘がされた「格差が拡大している社会」、そして、これに対し、「統計上は出ていないとの小泉首相の答弁があるが、OECD加盟国の中で貧困率の一番高いのがメキシコ、二番がアメリカ、日本は5位となっている。」との指摘が印象に残りました。
 ここで言う、貧困率は、OECDの報告「所得格差と貧困」で公表されている数字とのことで、OECDでは、国民の所得の「中央値」の半分を基準にして、それを下回る所得しかない人を「貧困」とみなしているとのことであります。
 詳細につきましては、http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-09/0609faq_0.html なども参考にしてください。

(5)引き続き、元サラ金従業員による経験談が発表されました。まずは、このような集会でお話をいただくという勇気に対して、敬意を表したいと思います。この方の話によりますと、「取立てにおける第三者請求はあたりまえ」であり、保証料については、「90%が貸金業者に還流している」とのことでありました。また、アイクとアイフルの不動産担保ローンの取り合いについても生々しい事実が語られています。

(6)各政党の議員によるあいさつでは、宮城県議会でも金利引き下げに関する請願が全会一致で採択されたことが報告されています。

(7)そして、金利引き下げ請願活動〜各地の取り組み報告では、まず、長野県において先駆的な取り組みをされている和田洋子司法書士による請願活動の意義が熱く語られました。
 これを受け、東北6県の代表者による現状報告と決意表明がなされることとなりました。
 私も総括の中で、全青司消費者問題対策委員会の協力による全国請願マップを買いたてのパワーポイントでお披露目をさせていただき、「この全国地図を塗りつぶそう!」とお話をさせていただいた次第であります。

(8)翌日、平成18年1月29日(日)は、午前9時30分から、「43条違憲論〜43条への反論と撤廃を考える」講師茆原正道弁護士、「利息制限法〜過払い訴訟の論点」講師茆原洋子弁護士という勉強会でありました。こちらも大勢の参加者による熱気で会場が埋め尽くされています。
 クレサラ運動に関わる弁護士の「頭脳」と誰しもが認めているお二人の講義は、何度聞きましても大きな示唆を与えてくれます。そして、近時相次いで出されている極めて重要な最高裁判例についても詳細に言及されており、また、膨大な量の資料、そのすべてに圧倒されます。進化し、深化し続けているお二人の講演、多重債務問題に取り組む司法書士には、絶対お聴きいただきたい講演の一つであります。

(9)さて、今回の集会は、@デモあり、A市民に対する分かりやすい問題点の指摘あり、Bサラ金従業員の経験談あり、C議員の挨拶あり、D効果的な運動論と決意表明があり、さらには、E最先端の法理論の講義がある・・・という、これまでの金利シンポの中でも最高の出来栄えだったと思っています。
 さあ、これに続く地域は次はどこでしょうか。全国各地で集会を!そして、請願活動と署名運動を!


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