1.静岡県平成17年度第3回消費者問題連絡会議
(1)平成18年2月14日(火)午後1時半から、標記連絡会議に参加いたしました。既に何度も報告させていただいている、静岡県主導の「ヤミ金融対策連絡会議」から発展した会議体でありますが、私は、ヤミ金融対策連絡会議のときから静岡県司法書士会を代表して参加させていただいているものであります。
司法書士が消費者問題に取り組むことについての重要性につきましては、いまさら私が述べるまでもありませんが、規制緩和の時代を「法律家」として生きることの大きな意味が、この「消費者問題」に存在する・・・・この点についてはいくら強調しても強調しすぎることは無い点についてのみ言及しておくことにいたします。
(2)さて、今回の会議ですが、まず冒頭の報告事項においては、近時の県の消費生活相談と事業者指導の状況が報告されました。
『商品別』でみると「オンライン等関連サービス」がトップにきていますが、オンライン等関連サービスとは、主に携帯電話やパソコンなどを利用し、オンラインで情報を得るサービスであります。次に、「商品一般」となっていますが、これは分類不可能なものを含むとのことで、例えば、最近の架空請求が商品名を指定せず連絡よこせという内容になっていますが、こうしたものを含んでいるとのことであります。
また、「工事・建築」の割合が増えている点、「健康食品」については、貸し店舗で高齢者を集めて販売するものが増加傾向にあるとのことでした。
一方、『内容別』でみますと、価格のことよりも品質・機能に関する苦情の割合が増えているとのことであります。
また、高齢者の住宅リフォームについては、工事だけでなく、シロアリ駆除や清掃などの相談も多いとのこと。そして、架空請求の数自体は昨年と比較すれば減っているとのことでありました。
(3)特筆すべきは、「悪質住宅リフォーム業者に対する業務停止命令」でありましょう。全国初の事例ということで、極めて画期的であると思われます。詳細は、静岡県のHPを参考にしていただきたいと思いますが、平成17年11月30日付で、株式会社サンメイクスと有限会社昇栄住宅設備という住宅リフォーム(床下工事等)会社について、次のとおり、平成17年12月1日から平成18年2月28日までの業務停止命令が下されています。
『次の事業者は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売を行うに当たり、平成15年6月23日付け県民第129号による同法第7条の規定に基づく指示及び同日付け県民第130号による静岡県消費生活条例(平成11年静岡県条例第35号。以下「条例」という。)第27条第1項の規定に基づく改善勧告(以下「勧告」という。)を受けたにもかかわらず、当該指示及び勧告に従っていないことが認められるので、特定商取引法第8条第1項の規定に基づき、同社の行う訪問販売に関する業務の一部を停止すべき旨を命令するとともに、同条第2項の規定に基づき、その旨を公表し、併せて条例第40条第1項の規定に基づき、当該勧告に従わなかったことを公表する。』
(4)議事の最初は、「高齢者の消費者被害防止対策」であり、まず、「地域包括支援センターの概要」についての報告がなされています。これは、平成18年4月施行予定の改正介護保険法に基づくものであり、『地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする(介護保険法115条の39)』とされています。
設置者は市町村であり、市町村から包括的支援事業の実施の委託を受けた者であります。
今般の介護保険法改正のポイントは、介護保険法の目的に要介護状態となった高齢者等の「尊厳の保持」を明確化する趣旨が盛り込まれたこととされており、改正の中心は、@予防重視型システムへの転換、A利用者負担の見直し、B新たなサービス体系の確立、Cサービスの質の確保・向上、D制度運営・保険料の見直しであるとされていますが、Bのポイントに該当するのが、新たに「地域包括支援センター」が設けられることとなった点であります。
すなわち、地域包括支援センターは、包括的支援事業その他厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上および福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設であり、市町村および老人介護支援センターの設置者など市町村から包括的支援事業の実施の委託を受けた者は、地域包括支援センターを設置することができます。同センターは、要介護認定等の申請に関する手続きを代行でき、職員等に守秘義務が課されています。センターでは、@総合的な相談窓口、A介護予防マネジメント、B包括的・継続的マネジメント、といった援助を行うとされているのです。
まだまだ未知数の大きい新制度でありますが、司法書士としても積極的に活用すべきものであることに異論はないでしょう。
(5)次に、「消費者団体訴訟制度の概要」についての説明がなされました。これにつきましては、既に、全国青年司法協議会(制度委員会消費者法制部会 中里功常任理事)でも、研究・提言を行っておりますので参考にしていただきたいと思います。
現在、この制度の受け皿になるべく全国で8つの組織が準備されていますが、既に設立に至った組織にはいずれも司法書士が理事等として積極的に関与しています。
静岡ではまだ動きがないということで、非常に残念なのですが、例えば、「国民生活センターや地方公共団体は、消費生活相談情報(PIO−NET情報)を一定限度内で適格消費者団体に提供することができる」といったことが可能になるなど、極めて画期的な制度でありますので、是非ご検討をいただきたいと思います。
(6)引き続き、「振り込め詐欺への対策」についての議論がなされました。県内における平成17年の傾向として、@オレオレ詐欺は大きく減少、A架空請求は減少、B融資保証金詐欺が大きく増加・・・・ということであります。全国的にも同様であります。
なお、県内の被害総額は、7億7千万ということで、昨年から5000万増えているとのことであります。
一方、全国レベルで見ますと、被害総額は251億、昨年は283億であったので減少傾向にはあるようですが、まだまだ多額であります。
県警の報告によりますと、ネタはどんどん変化しており、例えば、公務員用や金融機関勤務者用など細分化が進んでいるようです。
繰り返しになりますが、この被害防止については、相談窓口における携帯電話番号と口座の集約作業が最も大事であります。これをオンタイムで警察へ提供ができるようなシステムを全国規模で確立する必要性を再認識しました。
また、参加者から、プリペイド携帯の禁止ができないのか?という意見が出されています。しかしながら、振り込め詐欺に利用されている一方において、福祉の世界でも利用価値が高いという事実もあるようで、一筋縄ではいかない問題であることが認識できました。
(7)最後に、私は、静岡県司法書士会が主導している「金利引き下げ請願活動」についての報告をさせていただき、ご協力とご支援をお願いさせていただきました。
(8)このような、県が主導し各種団体から構成される消費者問題を取り扱うネットワークの重要性は、今後、どんどん強くなっていくものと思われます。法律家司法書士が、県民から何を期待されているのか、まずはこの点をきちんと踏まえたうえで、同趣旨のネットワークに一人でも多くの司法書士が能動的に関与していく・・・・今求められているのは間違いなくそういうことであると思っています。
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