司法制度改革の時代を司法書士として生きる!
〜全青司活動現場からのレポート〜




全青司「福岡フォーラム」〜温故知新〜 (平成18年3月2日)

1.全青司「福岡フォーラム」〜温故知新〜

(1)平成18年2月25日(土)、全国青年司法書士協議会と福岡県青年司法書士協議会の共催(後援・福岡県司法書士会)にて、標記フォーラムが開催されました。
 本年度全青司事業の最後のフォーラムでありますが、最後に相応しい内容であったと思います。
 まずは、地元福岡青年司法書士協議会(会長 奈良田真作会員 実行委員長 宗守浩会員)による企画の趣旨は以下のとおりとなっています。

 今日、我々、司法書士を取り巻く環境は日々急激な変化を遂げています。この変革期において、「我々の使命は何か?!」を今一度考察すべく、改正不動産登記法施行1周年のこの時期に本フォーラムを開催することと致しました。
 今回の不動産登記法改正は、登記原因証明情報の必須化や資格者本人確認情報の提供といった登記制度の担い手である司法書士の存在を前提とした改正でありました。今後、その担い手である司法書士の将来の姿によって不動産取引制度に大きな影響があることは必然です。
 法制度に関し、市民のためによりよい運用方法やその改善を常に社会的に提言していくことが法律家の使命であります。不動産登記においても、法律家司法書士は、その担い手として、実務経験に基づき様々な提言をなし、市民の権利保全に資する登記制度に高め、市民の登記制度に対する信頼と登記制度における司法書士への期待を一層勝ち得ていく。これこそが、今、司法書士に求められている姿勢ではないでしょうか。
 本フォーラム第1講、第2講では、登記制度を通して、司法書士・司法書士制度の将来像を語り合いたいと考えています。
 そして、第3講『明日の司法書士制度を問う!』では、法律家として、単なる依頼者の代弁者ではない、<リーガルプロフェッション>として公益に奉仕する必要性の観点から、司法書士の倫理観を検証したいと考えています。
 本フォーラムが、司法書士制度を見詰め直すきっかけとなり、また、司法書士の将来像を大きく展望することで未来志向に基づいた新たな分岐点となることができれば幸いです。
  
   
 
(2)第1講の基調講演は、「司法書士の現在・未来」というテーマで、九州大学教授七戸克彦先生に論点整理を行っていただきました。今後の私たちが取るべき『戦略』と『戦術』という分かりやすい観点からのお話であり、今回のパネラーの皆さまについても、それぞれの過去の発言からそれぞれの『戦略』と『戦術』の分析もされています。
 もちろん、『戦略』と『戦術』を考えるにあたって、大前提となるのが、現状に対するきちんとした認識であります。これが誤ったものであれば、『戦略』と『戦術』も誤ったものにならざるを得ません。
 さて、七戸教授によれば、「司法書士の業務権限拡大の方向性」としては、次の3点としております。@登記・供託手続代理等関係業務の側で拡大させる。→登記「公証人」化 →登記「交渉人」化、A簡裁訴訟代理等関係業務の側で拡大させる→「弁護士」化(→弁護士・司法書士一元化?)、B第3の拡大の可能性・方向性を探る→「登記官」化、→一般的「公証人」化など。
 そして、考慮すべき要素(=戦況分析)としては、@登記行政のオンライン利用率向上、A規制改革(a)商業・法人登記への行政書士の参入、(b)法科大学院・新司法試験制度による法曹人口の増加などがあると。
 詳細につきましては、現地実行委員会が作成する予定の報告書をお読みいただきたいと思いますが、皆様はいかがお考えでしょうか。
 最後に、先生が繰り返し述べていた言葉を記しておきます。「司法書士の将来像は、まずは司法書士がきちんと議論すべきである。」まったくの同感であります。

(3)それでは、私の考える「司法書士の未来」というか、方向性はどんなものか、簡単に触れたいと思います。基本的なスタンスは、既に、会長就任の際に記した所信において明らかにしている下記のとおりであります。今年度の全青司活動のすべては、上記4つの基本的スタンスに基づいています。

@経済的・社会的弱者の側に立つ法律家集団として存在すること。
A司法アクセスの拡充に資する法律家集団として存在すること。
B既存の紛争解決手段よりも利用者の納得度の高い、新しい紛争解決の担い手を目指す法律家集団として存在すること。
C隣接職能集団である弁護士と比較して、各分野において、同等以上の法的サービスを目指す法律家集団として存在すること。
 
   

 そして、司法書士制度を考えていくうえで、大切なのは、@国民のニーズがどこにあるのかという点と、A司法制度改革の本旨であると考えています。
 具体的な「戦術」(戦術という言葉が適切ではないかもしれませんが、あえて、七戸教授の講義とあわせてみます)としては、これも数年前から述べているところでありますが、@まずは、全国の簡易裁判所に提起されているいわゆる業者事件の被告代理人として、司法統計上80%以上の数値となっている業者事件の被告に対する法的サービスを徹底すること、A日本司法支援センターへの積極的関与、BADRをふくめた司法書士による紛争解決の確立などが短期的な課題であると考えています。他にもいろいろありますが、とりあえず。
 そして、いつも考えていることは、『簡易裁判所の代理権を、国から与えられたものとして、消極的に捉えるのではなく、これまでの全青司活動が評価され勝ち得たという積極的なものとして考え、国が予想する以上の実績を見せ付けてやろう!』『この司法制度改革の時代を、司法書士として、堂々と、力強く生きて行こう!』ということであります。
 皆さま、それぞれの「戦略」と「戦術」を是非、どんな形でも結構です。表明していただければと思います。


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