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〜全青司活動現場からのレポート〜




全青司「ヤミ金融被害に関する声明」(消費者問題対策委員会 谷崎哲也委員長) (平成18年3月31日)

1.全青司「ヤミ金融被害に関する声明」(消費者問題対策委員会 谷崎哲也委員長)




                                                  
ヤミ金融被害に関する声明


全国青年司法書士協議会
会長 大 部   孝

声明の趣旨


 我々全青司は、ヤミ金被害者の権利救済に携わる立場から、違法な取立てにより大阪府八尾市在住の3名の生命を奪ったヤミ金融犯人逮捕を受けて、以下のことを求める。

1.警察当局は、組織犯罪集団であるヤミ金融の全貌を更に追究するとともに、ヤミ金融は脅迫罪・強要罪等の凶悪犯罪に至る事件であることを再度認識したうえで、市民からの被害申告に対し、直ちに対応し、更なる被害の未然防止に全力を傾けること。

2.金銭消費貸借契約において、出資法上の上限利率を超える割合による利息契約をなした場合は、当該消費貸借契約は無効であり、さらに貸主は給付した金員につき返還を請求することができない」ことを貸金業規制法上明文化すること。

3.法定刑を引き上げる等、ヤミ金融事犯に対して厳しく処罰する改正を行なうこと。

4.ヤミ金融が犯罪に使用する携帯電話・通帳については、犯罪発覚後、容易な手段により、直ちに使用を差し止めできる制度を構築すること。

5.立法府及び行政府は、ヤミ金融による犯罪被害は、単に生活・経済上の犯罪被害ではなく、市民の身体・生命・名誉を脅かす凶悪犯罪による被害であること強く再認識し、ヤミ金融被害の温床である、多重債務問題の根本的解決と二度とこのような被害者を出さぬよう、ヤミ金融犯罪の撲滅のためにあらゆる施策を取ること。

声明の理由


 2003年6月14日に大阪府八尾市で、ヤミ金融に対する借金返済を苦にした60代の夫婦が81歳の兄とともに鉄道自殺をするという痛ましい事件が起き、今般、そのヤミ金グループの全貌が解明され、犯人を特定したことにより本事件は終着したかのように思われる。しかし、被害者は5月12日に八尾警察署を訪れ相談していたにもかかわらず、ヤミ金融の執拗な嫌がらせにより、その尊い生命を奪う結果となってしまったという事実は決して解決していない。
 このことを公権力である警察や行政を含めた社会全体は絶対に忘れてはならない。
 本件は、社会が作り出した歪みにより、尊い命を奪ってしまったという事実を絶対に忘れることなく、社会全体としてヤミ金融撲滅へと導かなければならない。
 また、当事者ともいうべき、警察や行政当局は今回の事件の顛末を深く胸に刻み、今後、このような悲惨な犠牲者を出さないよう、ヤミ金融問題の抜本的解決のため、更なる被害の未然防止を図るとともに、市民の安全な生活確保のため、ヤミ金融を根絶し、社会から廃除しなければならない。

【ヤミ金融の貸付の効果】

 最高裁第三小法廷は、ヤミ金融による貸付については、「業者の貸し付け全体が違法行為だから、元本も含めて法律上の保護に値しない」という札幌高裁判決を支持し、利息のみならず、元金の返還も不要である旨判示し、ヤミ金融の貸付については元金を含め一切の支払い義務がないことは明らかとなった。そのため、出資法の上限利率を超える貸付契約は無効であり、元本の返済は不要であることは言うまでもなく、そもそもヤミ金融自体犯罪行為であるのだから、国家は、ヤミ金融による支払請求には一切助力しないことを明確にするため、これを明文化し、ヤミ金融を経済的窮地に追い込み、社会から撲滅させるべきである。

【ヤミ金融撲滅に向けた措置】

 ヤミ金融による犯罪は未だに横行しており、本事件捜査中も同様の手法により自殺寸前にまで追い込まれた債務者が発見されるなど、本事件は氷山のほんの一角でしかなく、何ら減少傾向をたどっていない。暴力団の資金源となっているヤミ金融事犯については、法定刑を引き上げるなどの罰則を強化・厳罰化し、社会からこれを排除しなければならない。 また、本事件の捜査により、債務者名義の100本以上の携帯電話が犯罪に使用されていたことや、遠隔地の市民に貸付をして通帳に振り込ませていた事実も解明されているため、ヤミ金融の犯罪を助長させないよう、ヤミ金融が使用する携帯電話や通帳は即座に差し止めできる制度を構築し、現在存在するヤミ金融を撲滅するとともに、今後ヤミ金融を始めることができない社会にするべきである。

 当会は、国家権力である警察がヤミ金融を積極的に検挙し、被害相談があった場合は、直ちに対応すること、及びこのようなヤミ金融被害の未然防止に努めること、出資法の上限利率を超える貸付契約は無効・元金返還不要である旨明文化すること、ヤミ金融事犯の刑罰を厳罰化すること、ヤミ金融が犯罪に使用する携帯電話・預貯金通帳を即座に差し止めできる制度を構築することを求め、ヤミ金融が存在することができない社会を構築することを強く要望する。
   
 



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