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〜全青司活動現場からのレポート〜




全青司「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)に対する意見書」過剰与信関連(消費者問題対策委員会 谷崎哲也委員長) (平成18年4月6日)

1.全青司「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)に対する意見書」過剰与信関連(消費者問題対策委員会 谷崎哲也委員長)

 金融庁は、「貸金業者に対する検査・監督において把握された貸金業規制法に抵触する問題事例を明確化し、貸金業者の適切な業務運営を促すため」という趣旨で、次のとおり、「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」を改正するとしています。

(1)過剰貸付けの防止のため適切に行われるよう促す事項の明確化
@必要とする以上の金額の借入れの勧誘に該当する行為の明確化
 返済拒否等により債務額の維持を要請すること、顧客の要請がないにもかかわらず包括契約の貸付限度額を引き上げることは、必要とする以上の金額の借入れの勧誘に該当することを明確化する。
A有担保融資に当たっての融資審査の留意点の明示
 物的担保を徴求して貸付けを行う際は、当該担保を換価しなくても返済しうるか否かを調査しその結果を書面に記録すること、換価が必要な場合には、資金需要者等が換価の時期、換価後の生活方法について明確かつ具体的な認識を有していることを確認しその内容を記録することを促す。
B保証人の履行能力の確認の要請
 保証人となろうとする者の保証債務履行能力の審査結果を書面に記録するとともに、履行能力を超える保証を求めないことを促す。
(2)契約の締結又は変更時における禁止事項の明確化
 貸金業の規制等に関する法律第13条第2項違反に該当するおそれが大きい行為の例示として事務ガイドライン3−2−2(1)に掲げる行為は、契約の変更時にも行ってはならないことを明確にし、かつ、債務者が自らの便宜のために求める場合を除き、公的給付の払込口座からの自動振替を返済の方式として債務者に要請することを例示に加える。

 そこで、全青司では、下記のとおりの意見書を提出しています。


                                                  
「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)に対する意見書


  2006(平成18)年4月 日

金 融 庁 御中
全国青年司法書士協議会
会長 大 部   孝
   〒160-0004 東京都新宿区四谷一丁目2番地
                 TEL:03-3359-3513
 FAX:03-3359-3527
E-mail KYW04456@nifty.com
               URL  http://www.zssk.org/


 我々全青司は、高金利による被害者の保護に携わる法律家の立場から、「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)の一部改正(案)」について次のとおり意見を提出する。



1.ガイドライン3−2−1(2)ついて
(2)の後に、「これには、顧客に対して返済を拒否する等により債務額を維持するよう要請すること及び顧客の要請がないにもかかわらず包括契約の貸付限度額を含む。」を追加することは賛成である。
 しかし、これまでも過剰貸付けを防止する規定は定められていた。しかし、この規定が効力を発し、過剰貸付が防止できていたとは到底考えられないのは明白である。そのため、今回の改正ではこの規定をより実効性あるものとすることが重要である。
 貸金業規制法13条1項を受けているガイドライン3−2−1に該当する行為を行ったとしても、同法36条1号の業務停止規定では同法13条1項が処分の対象とされていない以上、ガイドライン3−2−1違反を理由として行政処分を行うことができない。
 したがって、ガイドライン3−2−1が効力を有するためには、貸金業規制法13条1項に違反した場合も行政処分の対象となるように、将来的に同法36条1号を改正するべきである。

2.ガイドライン3−2−1(5)について
(5)の前段の「物的担保を徴求して貸付けを行おうとするときは、資金需要者の収入、事業計画、保有資産、家族構成、生活実態、他からの借入状況、その返済計画及び金利など当該貸付けの条件等をかんがみて、当該担保物件を換価せずに返済しうるか否かを調査し、その結果を書面に記録すること。」については、賛成である。
 しかし、「当該担保物件を換価せずに返済しうると認められない場合」については、換価せずに返済できない状態というのはそもそも返済能力を超えた過剰貸付であり、貸金業法13条1項違反である。
 このような規定が存在することは、物的担保を換価することを前提とする貸付けを認容するような印象を貸金業者に与え、さらなる過剰貸付を増加させるおそれがある。よって、後段の部分については、反対である。

3.3−2−1(6)について
(6)を追加して保証人となろうとする者についても、収入、保有資産、家族構成、生活実態、他からの借入状況及び既往借入額の返済状況等について調査することには賛成である。
 しかし、本来借主本人についての収入、保有資産、家族構成、生活実態、他からの借入状況及び既往借入額の返済状況等をしっかりと審査し、借主本人の返済能力を超えるような過剰貸付を行わないようにするべきであって、保証人からの回収を見込んだ貸付を容認するような規程は必要なく、逆に保証人を必要とする貸付行為自体禁止するべきである。
 なお、経済産業省は、連鎖倒産や連帯保証人の財産没収などが社会問題化したため、国が認可する信用保証協会が手がける信用保証制度で第三者を「連帯保証人」とすることを原則として禁止する方針を決めている。
 仮に保証人を付けて貸付を行う場合には、保証人の権利を保護するために、保証契約を行う際には債権者が調査した借主本人の返済能力、信用状態を保証人となろうとする者に説明する義務を定めるべきでる。さらには、保証人が負う実質リスクを保証人に告知する義務も定めるべきである。
 3−2−1(6)を実行性あるものとするためには、この規定も行政処分の対象とすべき点は3−2−1(2)と同様である。

4.3−2−2(1)について
(1)について「又は変更」を追加したことは賛成である。

5.3−2−2(1)Eについて
 Eを追加したことについて、そもそもこのような制限は平成16年の貸金業規制法改正の際に行われていたはずである。 貸金業規制法20条の2は、貸金業者が年金等の公的給付の払込まれる口座に係る通帳等の引渡を受けること等を禁止し、これに違反した場合は刑罰が科せられるように規定されている。この違反行為には、通帳等を引渡・提供を求める行為だけなく「貯金の引出し若しくは払込みに必要な情報」の提供を求めることも含まれる。自動振替を返済の方式とする場合、当然にその公的年金等の振込口座の情報の提供が行われるはずである。
 また、「債務者が自らの便宜のために求める場合を除き」と例外規定が設けられているが、債権者は、この規定を潜脱するために、債務者が自らの便宜をはかるために自動振替を返済の方式とすることを求めたような外観を作り出すと考えられる。したがって、Eの規定を設けるとしても、貸金業者の潜脱行為を許すような例外規定を設けるべきではない。

以 上
   
 



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