「自民党金融調査会・貸金業制度等に関する小委員会」
による特例設置に関する要望書
2006年7月5日
〒160-0004 東京都新宿区四谷1−2
全国青年司法書士協議会
会 長 大 部 孝
我々全青司は、多重債務被害救済に取り組む現場の法律実務家として、自民党金融調査会・貸金業制度等に関する小委員会(以下、「小委員会」という。)開催にともない、多重債務問題の現状と全国各地の地方議会(都道府県19議会、市町村議会596議会)での意見書採択状況を鑑み、小委員会において、金利について特例を認めないよう、以下の事項を強く要望する。
要望の趣旨
1.出資法と貸金業規制法の上限利率の検討にあたっては、短期・小口融資制度等、いかなる例外規定も一切認めないこと。
2.法改正にあたっては、少なくとも利息制限法の範囲内に一律に引き下げ、優良企業特例などを設けないこと
3.法改正後の利率適用にあたっては、数年間での段階的な引下げ等、法の抜け道となるような特例を設けないこと
要望の理由
1.現状の報道
平成18年7月4日に開催された小委員会はマスコミ等関係者の傍聴を禁じたため、新聞各紙の紙面には、少ない情報により矛盾する報道がなされており、市民に対して適正な情報が提供されていない状況である。
それら報道の中で、出資法の上限金利を数年で段階的に下げる案や少額・短期の融資の特例を認める案、優良企業については多少の利率を付加する案などの特例措置を設けるような報道がなされている。
しかしながら、これらの特例措置を設けた場合、現在の多重債務問題の抜本的な解決とはならず、特例措置を悪用した脱法行為や撤廃したグレーゾーン金利をなおも残す結果となってしまいかねない。
2.短期・小口融資制度の危険性
短期・小口融資制度については、短期小口を名目とする借り換え契約によって、長期間に渡り潜脱的に高金利を取り続ける事が可能となる。
そもそも、多くの貸金業者は初回30万円から50万円の限度額で貸し付け、その後、追加融資や借り換え契約を行い、数年間の長期に渡って利息のみを徴収し続け、債務者は高利であるが故に元金を返済することができず、利息のみの支払いを強制されているのが現状である。
このような例外規定を認めることによって、多くの貸金業者が、高利を取り続けようと、その制度を脱法的に悪用するであろうことは容易に予見できる。
3.優良企業の特例、段階的引下げについて
「グレーゾーン撤廃」を検討している小委員会において、ある一定の要件を定めた、優良企業に関する特例金利や数年間にわたる段階的な利率の引下げを認めることは、なおも後世に不明確な「グレーゾーン」という制度を残し、あるいは新たに「グレーゾーン」を作ってしまうという、現在の議論及び市民の期待と逆行し、法改正以前と同じ過ちを犯す可能性が極めて高い。
よって当会としては、自民党金融調査会・貸金業制度等に関する小委員会に対して、金利については特例を認めないよう強く要望するものである。
以 上
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