貸金業法等の改正案に関する要望書
国 会 議 員 各 位
2006年11月23日
〒160-0004 東京都新宿区四谷1−2
全国青年司法書士協議会
会 長 大 部 孝
我々全青司は、多重債務被害救済に取り組む現場の法律実務家として、先般国会に提出された貸金業法等改正案(以下、改正案という。)について、提案理由である「多重債務問題解決の重要性」という趣旨を更に実効性あるものとするため、以下のとおり要望する。
1.今般の法改正の趣旨は多重債務問題解決であるため、法改正後においては、あらゆる角度から多重債務問題の抜本的解決に向け充実した制度構築を目指さなければならない。
そのため、現在、公布から概ね3年後を目処として予定されているみなし弁済の廃止、日掛金融業者及び電話担保金融の特例廃止、上限金利の利息制限法までの引き下げ、金銭貸借の保証料の制限規程などについては早期に施行すべきである。
2.さらに本改正の議論によって「適正金利とは」という根本的な課題が浮き彫りになったことは明白である。そのため、附則に定める施行から2年6ヶ月以内に行われる見直しについては「改正後の規定を円滑に実施する」という名のもとに、本改正の趣旨と逆行し、貸金業者を擁護するような特例措置などを設けることなく、市民の生活を破壊しない「適正金利」に向けた措置を講ずるため、更なる充実した議論、研究をすべきである。
3.また、今回議論の対象とならず、貸金業法の規制の対象とならない銀行等の貸付の諸規制、割賦販売における過剰融資規制等消費者信用全般についての在り方に関し、法改正も含めた議論を更に進めるべきである。
4.本改正案の提案理由である「多重債務問題解決の重要性」とは多重債務問題の抜本的解決であり、この問題は多種多様な要素によって巻き起こる重要な社会問題である。社会はこれを一部の債務者の問題と捉えず、すべての市民に関わる社会全体の問題として考え、債務を原因として生じるあらゆる問題を抜本的に解決し、市民生活の経済的安定を図るため、更なる法改正も含めた議論を続けるべきである。
5.本改正の趣旨である多重債務問題の抜本的解決とは「新たな多重債務者を生みださない社会の構築」「ヤミ金の撲滅」「多重債務に苦しむ市民を迅速に救済する」ことであり、今後内閣官房に設置が予定されている「多重債務者対策本部」の果たすべき役割いわゆる司法アクセスの確立・セーフティーネットの整備等は非常に重要であり、早期に実現すべきである。
当会としては、これらの事項を要望するとともに多重債務問題の抜本的解決という目的達成に向けて、今後も全力で取り組むことをここに宣言し意見表明する。
|